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転校していった、昔は友人だった奴。
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「くぁ…」
口を大きく開けて出た欠伸を噛み殺し、学校までの道をダラダラと歩く走の背が後ろからトンと小突かれた。
不意をつかれた弾みでつんのめる様に上体が前に傾き、走はイラッとした表情で背後の友人を睨む。
「よぉ御剣、今日も眠そうだな。
お前、いっつも寝不足気味じゃないか?」
「イッテェな、金森。
真弓からの返事を待っていて寝たのが今朝の3時なんだよ。
で、朝5時に起きて数キロ走って…シャワー浴びて飯食って…
今日2時間位しか寝てない。」
金森は走を小馬鹿にしたように笑い、小さくプッと吹き出した。
そんな金森の表情を見た走は苛立ちの表情を隠さずに金森を睨む。
「……なんだよ、お前。イラッとすんなぁ…。」
「寝ずに待ってたのか、オッサンからの返事。
どうせ急ぎで返事が必要ってなほど大したモンじゃないんだろ?
お前、オッサンの事となると妥協出来ねーもんな。
ストーカーかって位に。
つか明け方まで起きていた日くらい、ジョギング休んでギリまで寝てろよ。」
金森の言う通り、走が待っていた真弓からの返事は「おやすみ」のたった一言だ。
理解されなくとも、たったそれだけの些細なやり取りを走はずっと大事にしてきた。
「ギリまで寝てるのな…それはそれで何か落ち着かない。
それに走らない日でも目が覚めちまうんだよな。」
金森は「へー」と納得した様に小さく呟き、走の首に腕を回してグイッと顔を寄せてからニヤっと笑い、ボソッと走に囁いた。
「オッサンと、やらしい事をした朝は酷使した足腰が立たなくて起きれくなるんじゃないか?
別の所は朝イチ勃ってそうだけどな。」
からからう金森の言葉に対し、文句を言うより先にその状況を頭に思い描いてしまった走は、ほんのり赤く頬を染めて片手で口元を覆った。
「お?まさか想像しちまったのかよ、エロいな御剣。」
「お前が、そんな事を言うからだろ!
……真弓とシた後の朝は、早起きして真弓の寝顔をずっと見てるつもりだ。」
「いや、お前エロいから絶対に朝から発情してんだろ。
あまりオッサンに無理させんなよ、足腰痛むと大変だろ?歳なんだから。
うちのジイちゃんは、膝にはコンドロイチンがいいって。」
「うるせぇな…真弓をジィちゃん扱いすんな。
その痛みとは違うだろ。」
顔を寄せた金森の腹に走が軽くパンチを入れる。
「イテぇ」と腹部を押さえながら笑う金森が身体を離し、走の背中をパンと叩いた。
「それになー年寄りは心配性だからな。
お前がいつも寝不足気味だとオッサンに心配されるぞ。
それが自分のせいかもなんて思われたら、しまいにゃ会ってくれなくなるんじゃね?」
金森がからかい半分に脅すように大袈裟に言っているのは理解しているが、日頃からサラッと的を得た物言いをする金森の言葉は、フザけたフリをしたやんわりとした忠告でもある。
真弓に寝不足を指摘された事を思い出した走は、それが重なり過ぎたなら根が真面目な真弓が心配する姿が容易に想像出来てしまった。
そして走が体調を崩したり、両親が寝不足に気付き心配したりすれば、真弓がその責任を感じてしまう事も。
「そうか…んー…そうだよな…。分かった。
気をつける…ちゃんと睡眠とるようにする。」
「何だ、やけに素直じゃん。
うるせぇとか余計なお世話だとか言ったりしねぇの。」
「からかってるだけなら言うけどな。
今のは金森なりのアドバイスだろ?
お前の言ってる事は確かにそうだし、それ無視すると後から「だから言ったじゃねえか」とか言ってケンカ腰になるからヤなんだよ。鬱陶しいし。」
校門が見えて来た頃、金森の彼女である澤田さんが走って来た。
小学生の頃から澤田さんは、ギリ遅刻しない時間に学校に登校して来る。
「おせぇよ、優乃!」
「はぁ?遅刻はしてないからセーフでしょ。
あ、御剣クンおはよう~!」
澤田さんは金森に真顔で受け答えてから、走に満面の笑顔で挨拶した。
「優乃、俺と御剣の扱いの差がヒデぇ。」
「当たり前じゃん、御剣クンはずっと私の王子様だもの。
丈太郎はずっと私の子分だし。」
小学生の頃は走を好きだった澤田さんは、今も走には笑顔で話しかける。
だが幼馴染みの金森とはいつも無愛想な表情で言い合ってばかりいる為、一見カップルには見えない。
━━言い合ってばかりだけど…何か…
昔から二人を知ってるせいか、長年連れ添った夫婦みたいに見えてしまうんだよな。
この二人って。━━
仲が悪いように見えて二人は仲が良い。
金森は澤田さんに対しぶっきらぼうな態度を取るが、長年の片想いだった澤田さんと付き合える事になった時に金森は泣きそうな程喜んだ。
澤田さんも「仕方ないから彼女になってあげた」と言っているが、ツンの分かり易い照れ隠しだ。
走はそんな二人の姿をニヤニヤと生温かい目で見ながら、羨ましくも思う。
━━このまま…二人の付き合いが続いて、いざ結婚しようってなった時
二人の障害になるものって少ないんだろうな…━━
先に校舎に走って入った二人に続き、歩いて校舎に向かった走は遅れて下駄箱に着いた。
既に教室に向かったと思っていた二人が、下駄箱の前で神妙な表情で立ち尽くしている。
「金森、澤田さんも…玄関に突っ立って何やってんだ。
早く教室に入らないと。」
走は二人に声を掛けながら中履きに履き替えて教室に行くように促した。
「御剣クン、輪島が居る……。」
澤田さんの言葉に走がピクッと僅かに反応する。
小学五年の時に同じクラスだった輪島拳。
一時期は友人の一人であったが、走の方から絶交を告げた。
六年生になる頃に家の都合で遠方に越して行った為すっかり存在も忘れていたが、走も金森も逢いたくない相手だ。
「見間違いじゃなくて?」
「俺も見たから見間違いじゃない。
御剣、拳の相手なんかすんなよ。」
「しないが…もう4年も前の話だろ。
俺に絡んで来たりしないんじゃないか。」
金森が「は?甘ぇよ」と無言のまま表情だけで訴える。
「この学校、おんなじ小学校からに来た人も多いから、
輪島の虚言癖を知ってる人もたくさん居るし。
嘘ついて周りを混乱させるとか出来ないと思うけど。
転校先で性格が改善されてる事を祈りたいわね。」
チャイムが鳴り、ハッと我に返った3人は急いで教室に向かった。
金森と走は同じクラス。
教室の扉を開いた時、他の生徒は皆着席状態だった。
空席になってる机が無い事で拳が同じクラスで無いと確認した二人は、ホッと安堵して互いの顔を見た。
二人はそれぞれ自分の席に着き、朝礼が始まった━━
▼
▼
▼
さっきスマホに天気予報が表示されたが、今日は晴れ間が多い日だそうだ。
午後からバイカーズブランドの撮影の仕事があるので、ついでに布団をクリーニングに…と思った状態で、浴衣姿の俺は布団を眺めつつ縁側に佇んでいる。
この、つゆだくはんぺんみたいな布団をクリーニング店まで運ぶ手段が思いつかない。
車があれば良かったのだが俺にはバイクしかないし…
グチョグチョに濡れたこれをバイクには乗せたくない。
だったらバイクが濡れない様に、布団が入る大きさのビニール袋みたいなモンを…って、そんなモン無いし。
「あ、直接取りに来て貰えるサービスあったっけな。」
宅配クリーニングの存在を思い出した俺はスマホを手にして画面を開いた。
そう言えば…と、深夜にランにメッセージを送ったら即、返信が来た事を思い出した。
「あんな時間に、まだ起きてやがったのかアイツ。
朝は走るから早起きするって言ってたよな。
じゃあ、今朝は殆ど寝てないんじゃねぇか?」
先日ウチに泊まった時は、かなり早寝だったが。
いや違うわ、あれはアイツが俺と布団に入りたがったからで………
その、先日泊まった時の行為を思い出した俺は、その場でのたうち回りたくなるほど恥ずかしくなった。
外から丸見えの縁側で俺みたいなナリのオッサンがのたうち回っていたら、ただの危ないヒトだ。
ジャンキーだと思われてしまうかも知れない。
俺は縁側から寝室に入り、障子を閉めて庭先からの視界を遮った。
と同時に両手で顔を覆って寝室でへたり込む。
「あー…何で、思い出しちまうんだよ。
………あんな、クソ恥ずかしい事を……。」
受け身での愛撫も、性器を握られて手淫で達した事も初めてだった。
思い出すのがシンドくなる程に恥ずかしいのに、その行為自体は嫌では無かった。
ランは俺に何度も愛を囁き、愛おしむ様に唇や指先、手の平で俺に触れてきた。
「って言うか………アイツ、まだ未経験なハズなのに、俺より上手いんじゃね?……」
何だか微妙なショックを受けてしまった。
テクニックがどうこうと言うよりは、自分が過去に彼女としてきた行為が、いかにコミュニケーション不足だったかを今更知った気がする。
「……あー…布団のクリーニング、宅配……と。」
気持ちを切り替え、宅配可能なクリーニング店を検索し始めた。
口を大きく開けて出た欠伸を噛み殺し、学校までの道をダラダラと歩く走の背が後ろからトンと小突かれた。
不意をつかれた弾みでつんのめる様に上体が前に傾き、走はイラッとした表情で背後の友人を睨む。
「よぉ御剣、今日も眠そうだな。
お前、いっつも寝不足気味じゃないか?」
「イッテェな、金森。
真弓からの返事を待っていて寝たのが今朝の3時なんだよ。
で、朝5時に起きて数キロ走って…シャワー浴びて飯食って…
今日2時間位しか寝てない。」
金森は走を小馬鹿にしたように笑い、小さくプッと吹き出した。
そんな金森の表情を見た走は苛立ちの表情を隠さずに金森を睨む。
「……なんだよ、お前。イラッとすんなぁ…。」
「寝ずに待ってたのか、オッサンからの返事。
どうせ急ぎで返事が必要ってなほど大したモンじゃないんだろ?
お前、オッサンの事となると妥協出来ねーもんな。
ストーカーかって位に。
つか明け方まで起きていた日くらい、ジョギング休んでギリまで寝てろよ。」
金森の言う通り、走が待っていた真弓からの返事は「おやすみ」のたった一言だ。
理解されなくとも、たったそれだけの些細なやり取りを走はずっと大事にしてきた。
「ギリまで寝てるのな…それはそれで何か落ち着かない。
それに走らない日でも目が覚めちまうんだよな。」
金森は「へー」と納得した様に小さく呟き、走の首に腕を回してグイッと顔を寄せてからニヤっと笑い、ボソッと走に囁いた。
「オッサンと、やらしい事をした朝は酷使した足腰が立たなくて起きれくなるんじゃないか?
別の所は朝イチ勃ってそうだけどな。」
からからう金森の言葉に対し、文句を言うより先にその状況を頭に思い描いてしまった走は、ほんのり赤く頬を染めて片手で口元を覆った。
「お?まさか想像しちまったのかよ、エロいな御剣。」
「お前が、そんな事を言うからだろ!
……真弓とシた後の朝は、早起きして真弓の寝顔をずっと見てるつもりだ。」
「いや、お前エロいから絶対に朝から発情してんだろ。
あまりオッサンに無理させんなよ、足腰痛むと大変だろ?歳なんだから。
うちのジイちゃんは、膝にはコンドロイチンがいいって。」
「うるせぇな…真弓をジィちゃん扱いすんな。
その痛みとは違うだろ。」
顔を寄せた金森の腹に走が軽くパンチを入れる。
「イテぇ」と腹部を押さえながら笑う金森が身体を離し、走の背中をパンと叩いた。
「それになー年寄りは心配性だからな。
お前がいつも寝不足気味だとオッサンに心配されるぞ。
それが自分のせいかもなんて思われたら、しまいにゃ会ってくれなくなるんじゃね?」
金森がからかい半分に脅すように大袈裟に言っているのは理解しているが、日頃からサラッと的を得た物言いをする金森の言葉は、フザけたフリをしたやんわりとした忠告でもある。
真弓に寝不足を指摘された事を思い出した走は、それが重なり過ぎたなら根が真面目な真弓が心配する姿が容易に想像出来てしまった。
そして走が体調を崩したり、両親が寝不足に気付き心配したりすれば、真弓がその責任を感じてしまう事も。
「そうか…んー…そうだよな…。分かった。
気をつける…ちゃんと睡眠とるようにする。」
「何だ、やけに素直じゃん。
うるせぇとか余計なお世話だとか言ったりしねぇの。」
「からかってるだけなら言うけどな。
今のは金森なりのアドバイスだろ?
お前の言ってる事は確かにそうだし、それ無視すると後から「だから言ったじゃねえか」とか言ってケンカ腰になるからヤなんだよ。鬱陶しいし。」
校門が見えて来た頃、金森の彼女である澤田さんが走って来た。
小学生の頃から澤田さんは、ギリ遅刻しない時間に学校に登校して来る。
「おせぇよ、優乃!」
「はぁ?遅刻はしてないからセーフでしょ。
あ、御剣クンおはよう~!」
澤田さんは金森に真顔で受け答えてから、走に満面の笑顔で挨拶した。
「優乃、俺と御剣の扱いの差がヒデぇ。」
「当たり前じゃん、御剣クンはずっと私の王子様だもの。
丈太郎はずっと私の子分だし。」
小学生の頃は走を好きだった澤田さんは、今も走には笑顔で話しかける。
だが幼馴染みの金森とはいつも無愛想な表情で言い合ってばかりいる為、一見カップルには見えない。
━━言い合ってばかりだけど…何か…
昔から二人を知ってるせいか、長年連れ添った夫婦みたいに見えてしまうんだよな。
この二人って。━━
仲が悪いように見えて二人は仲が良い。
金森は澤田さんに対しぶっきらぼうな態度を取るが、長年の片想いだった澤田さんと付き合える事になった時に金森は泣きそうな程喜んだ。
澤田さんも「仕方ないから彼女になってあげた」と言っているが、ツンの分かり易い照れ隠しだ。
走はそんな二人の姿をニヤニヤと生温かい目で見ながら、羨ましくも思う。
━━このまま…二人の付き合いが続いて、いざ結婚しようってなった時
二人の障害になるものって少ないんだろうな…━━
先に校舎に走って入った二人に続き、歩いて校舎に向かった走は遅れて下駄箱に着いた。
既に教室に向かったと思っていた二人が、下駄箱の前で神妙な表情で立ち尽くしている。
「金森、澤田さんも…玄関に突っ立って何やってんだ。
早く教室に入らないと。」
走は二人に声を掛けながら中履きに履き替えて教室に行くように促した。
「御剣クン、輪島が居る……。」
澤田さんの言葉に走がピクッと僅かに反応する。
小学五年の時に同じクラスだった輪島拳。
一時期は友人の一人であったが、走の方から絶交を告げた。
六年生になる頃に家の都合で遠方に越して行った為すっかり存在も忘れていたが、走も金森も逢いたくない相手だ。
「見間違いじゃなくて?」
「俺も見たから見間違いじゃない。
御剣、拳の相手なんかすんなよ。」
「しないが…もう4年も前の話だろ。
俺に絡んで来たりしないんじゃないか。」
金森が「は?甘ぇよ」と無言のまま表情だけで訴える。
「この学校、おんなじ小学校からに来た人も多いから、
輪島の虚言癖を知ってる人もたくさん居るし。
嘘ついて周りを混乱させるとか出来ないと思うけど。
転校先で性格が改善されてる事を祈りたいわね。」
チャイムが鳴り、ハッと我に返った3人は急いで教室に向かった。
金森と走は同じクラス。
教室の扉を開いた時、他の生徒は皆着席状態だった。
空席になってる机が無い事で拳が同じクラスで無いと確認した二人は、ホッと安堵して互いの顔を見た。
二人はそれぞれ自分の席に着き、朝礼が始まった━━
▼
▼
▼
さっきスマホに天気予報が表示されたが、今日は晴れ間が多い日だそうだ。
午後からバイカーズブランドの撮影の仕事があるので、ついでに布団をクリーニングに…と思った状態で、浴衣姿の俺は布団を眺めつつ縁側に佇んでいる。
この、つゆだくはんぺんみたいな布団をクリーニング店まで運ぶ手段が思いつかない。
車があれば良かったのだが俺にはバイクしかないし…
グチョグチョに濡れたこれをバイクには乗せたくない。
だったらバイクが濡れない様に、布団が入る大きさのビニール袋みたいなモンを…って、そんなモン無いし。
「あ、直接取りに来て貰えるサービスあったっけな。」
宅配クリーニングの存在を思い出した俺はスマホを手にして画面を開いた。
そう言えば…と、深夜にランにメッセージを送ったら即、返信が来た事を思い出した。
「あんな時間に、まだ起きてやがったのかアイツ。
朝は走るから早起きするって言ってたよな。
じゃあ、今朝は殆ど寝てないんじゃねぇか?」
先日ウチに泊まった時は、かなり早寝だったが。
いや違うわ、あれはアイツが俺と布団に入りたがったからで………
その、先日泊まった時の行為を思い出した俺は、その場でのたうち回りたくなるほど恥ずかしくなった。
外から丸見えの縁側で俺みたいなナリのオッサンがのたうち回っていたら、ただの危ないヒトだ。
ジャンキーだと思われてしまうかも知れない。
俺は縁側から寝室に入り、障子を閉めて庭先からの視界を遮った。
と同時に両手で顔を覆って寝室でへたり込む。
「あー…何で、思い出しちまうんだよ。
………あんな、クソ恥ずかしい事を……。」
受け身での愛撫も、性器を握られて手淫で達した事も初めてだった。
思い出すのがシンドくなる程に恥ずかしいのに、その行為自体は嫌では無かった。
ランは俺に何度も愛を囁き、愛おしむ様に唇や指先、手の平で俺に触れてきた。
「って言うか………アイツ、まだ未経験なハズなのに、俺より上手いんじゃね?……」
何だか微妙なショックを受けてしまった。
テクニックがどうこうと言うよりは、自分が過去に彼女としてきた行為が、いかにコミュニケーション不足だったかを今更知った気がする。
「……あー…布団のクリーニング、宅配……と。」
気持ちを切り替え、宅配可能なクリーニング店を検索し始めた。
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