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興奮酩酊状態。
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丸く大きな月が輝く夜。
今夜は満月。おかげで夜であるのに視界が良い。
今宵もまた、どこぞの国が攻め入って来たようだが、軍というよりは寄せ集めの傭兵のようだ。
100人ばかりの装備も見た目も統一されてない男どもがオブザイアを取り囲む。
高い褒賞金を目当てに集められたのだろうが、恐らく狂戦士の存在については詳しく教えられてなかったのだろう。
突如現れたオブザイアの3メートル程の巨躯に恐れおののき、武器を構えてはいるが、それぞれの目に怯えが見え隠れする。
オブザイアは肩に人一人押し潰してしまえる程の巨大な斧を担ぎ、男達に向け首を傾けるとニタリと笑み、人差し指をクイクイと動かす。
「来いよ、遊んでやるからよ」
あああっ…!オブザイア殿、カッコいい…!
なんて美しい!
ああ…遊んで欲しい…!やらしい事、いっぱいしたい!
「……ねえ、アンドリュー……
よこしまな欲望が顔に出てるんだけど。」
少し離れた場所で、アンドリューはカラナィアに守られながらオブザイアを見つめる。
「あ、義父上すみません。」
「アタイはダイオスじゃないよ。
義父上なんて呼ぶんじゃない……
あ、ほら終わったみたいだよ」
いつものように、屍の山に君臨するように立つオブザイアはこちらを向くと手を上げる。
「終わったぞ!」
血まみれになったオブザイアの元に、屍を踏みつけながら駆け寄るアンドリュー。
飛び付くように高い位置にあるオブザイアの首に腕を回し、オブザイアの唇に強引に自分の唇を押し付けた。
「オブザイア殿!なんて…なんて美しい…!」
「アホか!こんな所で唇押し付けるとか、やめい!」
「……好きにしたらいいよ。」
カラナィアは呆れたように一人、その場を離れ残党狩りに出た。
「お前なぁ、前みたいに矢とかで狙われたりしたら大変なんだからよ…
戦場について来んなよ」
「無理です!
戦場のオブザイア殿を見れなくなるなんて耐えられない!」
首に抱きつくアンドリューを左腕に座らせるように抱きかかえてオブザイアは屍の山を降りる。
「だからってよ、戦場に出る度にカラナィアに護衛頼むっつーのもなぁ……
うおぁっ!?」
抱きかかえたアンドリューとの話に気を取られ、足下への注意がおろそかになったオブザイアは、アンドリューを抱きかかえたまま深い落とし穴に落ちた。
「………おい、大丈夫か?アンドリュー」
渇れた古井戸のような、石造りの深い縦穴に落ちたようで、ちょうど真上に満月があって互いの表情が分かる位には明るい。
「オブザイア殿が抱きかかえてくれてましたから大丈夫です。
……深いですね、自分で出るのは難しいかも…。」
「ふむ…まあ、その内カラナィアが気付くだろう…
焦らず待つか。」
オブザイアは欠伸をし、少しうつらうつらし出す。
「こんな…狭い場所で密着したまま二人きりですか?
…たまらないんですけど…」
アンドリューは自分を抱きかかえたままのオブザイアの顔にチュッ、チュッとキスを落とし始めた。
「おまっ…!こんな状況でナニしやがる!やめろ!」
「オブザイア殿がオレを抱きかかえたまま下ろさないから…
興奮しちゃって…もぉ…」
アンドリューはオブザイアの耳に息を吹き掛け、耳たぶを甘噛みする。
「だあああ!やめろ!マジやめろ!
俺、今、女王になる事も、お前を下ろす事も出来ないんだからな!」
「…?なぜ?」
「…ここな、俺を落とす為の罠だったようでな。
下には毒の塗られた撒きびしみたいな小さなトゲがいっぱい落ちてるんだよ。
俺は平気だが、お前や女王は下手したら死ぬ。」
━━だから、俺を抱きかかえたまま下ろさないし…
そして、いつもみたいに女王になって逃げる事も出来ないと…。━━
「愛されてますねぇ…俺…」
「んあ?…あ、ああ…まぁ…そー……だな」
「女王もオブザイア殿に愛されてますね…」
「愛されてるっつーか、俺自身だからな」
「……妬ける」
「は?何だって?」
「オブザイア殿に、大事にされている女王にも!
そんな女王に夫の俺を預ける程信頼されているオブザイア殿にも!
俺は今!嫉妬してます!!」
「お前は、ど阿呆だな!!!!」
「二人の関係に、割って入れない我が身がうらめしい…
ああ、でもオブザイア殿…
俺はもう…二人とも好きで好きで好きで………
二人とも、食べたい…」
オブザイアの服を捲り上げ始めるアンドリューに、オブザイアが、今までに無い程の身の危険を感じ始める。
「かっ…!カラナィア!!!助けてくれー!!!
アンドリューがぁあ!!
お、おかしく…!!ああぁ!」
肉片が散らばる地面の中から聞こえる、助けを求める野太い男の悲鳴。
「……ナニやってんだい、あんたら。
……ん?この匂い…何かクスリ使われてるね…」
呆れた顔で穴を覗き込んだカラナィアが、眉間にシワを刻み鼻をスンと鳴らす。
カラナィアに太いロープを穴に落として貰うと、オブザイアは片腕にアンドリューを抱いたまま穴から出て来た。
「……随分と、熱烈だったんだねぇ…
邪魔したんじゃないのかい?」
服がはだけて片側の胸が丸見えになり、顔中、舐め回されたかのようにベタベタになったオブザイアは、左腕に抱いたアンドリューに穴から出た後も左側の顔や耳にキスをされ続けていた。
「こえーわ!
100人、1000人相手に戦うより疲れたし、こえー!
何だよこれ!」
「んー…興奮効果のあるクスリか香か…
あんたが罠に落ちたら興奮して暴れ回って、傷付けば毒も早く回って…とか、考えてたんじゃないの?」
「……興奮のタイプが違わねーか?」
オブザイアは腕からアンドリューを降ろそうとするが、アンドリューはオブザイアの首に抱きついたまま地面に足を着けようとしない。
「怒りに身を任せていようが、性的なものであろうが、興奮は興奮だろ。
その時に、一番感情を占めていたものって事だろうさ…
普通なら、怒りに身を任せ暴れ回るとか…不安や焦燥感に苛まれて穴から出ようと動き回ったり…
まぁ、アタイも初めて見るわ、このパターン。」
罠に落ちて、性的な興奮でいやらしくなる…
普通は無い。
離れるのを拒否して、オブザイアの首からぶら下がったアンドリューは大きな前掛けみたいになっている。
「アタイ達には効果無いけど、普通の人間のアンドリューには滅茶苦茶効いてるねぇ…
しばらく相手してやんなよ」
カラナィアの言葉に、酩酊状態のアンドリューが笑う。
「義父上、俺はこのまま城に帰って、オブザイア殿とデルフィナを食べたいのです…
二人の腰が立たなくなるまで…」
「そうかい、アンドリュー」
ニッコリ頬笑むカラナィアは、アンドリューの頭を力任せにはたいてアンドリューを気絶させた。
「義父上と呼ぶんじゃないよ。
でもまぁ、アタイの中のダイオスからしたら、父親として、こんな状態のあんたに娘の初めてをくれてやる気はないってよ」
カラナィアはアンドリューを肩に担ぎ、城に向かう。
「すまん…カラナィア…助かった…」
疲れ果てたオブザイアはノロノロとカラナィアの後をついて行く。
「…オブザイア…いや、デルフィナ……
今回使われたクスリの件、絶対マリアンナとシラフのアンドリューには話すんじゃないよ?」
「…なんで?……ハ!!わ、分かった!!」
想像した。恐ろしい早さで理解した。
首がもげそうな程の恐ろしい早さで頷く。
あの二人なら、喜んで使うに違いない。
「…二人とも好きで好きで好きで…か…」
カラナィアの後を追いながら、少し照れたようにオブザイアが呟いた。
今夜は満月。おかげで夜であるのに視界が良い。
今宵もまた、どこぞの国が攻め入って来たようだが、軍というよりは寄せ集めの傭兵のようだ。
100人ばかりの装備も見た目も統一されてない男どもがオブザイアを取り囲む。
高い褒賞金を目当てに集められたのだろうが、恐らく狂戦士の存在については詳しく教えられてなかったのだろう。
突如現れたオブザイアの3メートル程の巨躯に恐れおののき、武器を構えてはいるが、それぞれの目に怯えが見え隠れする。
オブザイアは肩に人一人押し潰してしまえる程の巨大な斧を担ぎ、男達に向け首を傾けるとニタリと笑み、人差し指をクイクイと動かす。
「来いよ、遊んでやるからよ」
あああっ…!オブザイア殿、カッコいい…!
なんて美しい!
ああ…遊んで欲しい…!やらしい事、いっぱいしたい!
「……ねえ、アンドリュー……
よこしまな欲望が顔に出てるんだけど。」
少し離れた場所で、アンドリューはカラナィアに守られながらオブザイアを見つめる。
「あ、義父上すみません。」
「アタイはダイオスじゃないよ。
義父上なんて呼ぶんじゃない……
あ、ほら終わったみたいだよ」
いつものように、屍の山に君臨するように立つオブザイアはこちらを向くと手を上げる。
「終わったぞ!」
血まみれになったオブザイアの元に、屍を踏みつけながら駆け寄るアンドリュー。
飛び付くように高い位置にあるオブザイアの首に腕を回し、オブザイアの唇に強引に自分の唇を押し付けた。
「オブザイア殿!なんて…なんて美しい…!」
「アホか!こんな所で唇押し付けるとか、やめい!」
「……好きにしたらいいよ。」
カラナィアは呆れたように一人、その場を離れ残党狩りに出た。
「お前なぁ、前みたいに矢とかで狙われたりしたら大変なんだからよ…
戦場について来んなよ」
「無理です!
戦場のオブザイア殿を見れなくなるなんて耐えられない!」
首に抱きつくアンドリューを左腕に座らせるように抱きかかえてオブザイアは屍の山を降りる。
「だからってよ、戦場に出る度にカラナィアに護衛頼むっつーのもなぁ……
うおぁっ!?」
抱きかかえたアンドリューとの話に気を取られ、足下への注意がおろそかになったオブザイアは、アンドリューを抱きかかえたまま深い落とし穴に落ちた。
「………おい、大丈夫か?アンドリュー」
渇れた古井戸のような、石造りの深い縦穴に落ちたようで、ちょうど真上に満月があって互いの表情が分かる位には明るい。
「オブザイア殿が抱きかかえてくれてましたから大丈夫です。
……深いですね、自分で出るのは難しいかも…。」
「ふむ…まあ、その内カラナィアが気付くだろう…
焦らず待つか。」
オブザイアは欠伸をし、少しうつらうつらし出す。
「こんな…狭い場所で密着したまま二人きりですか?
…たまらないんですけど…」
アンドリューは自分を抱きかかえたままのオブザイアの顔にチュッ、チュッとキスを落とし始めた。
「おまっ…!こんな状況でナニしやがる!やめろ!」
「オブザイア殿がオレを抱きかかえたまま下ろさないから…
興奮しちゃって…もぉ…」
アンドリューはオブザイアの耳に息を吹き掛け、耳たぶを甘噛みする。
「だあああ!やめろ!マジやめろ!
俺、今、女王になる事も、お前を下ろす事も出来ないんだからな!」
「…?なぜ?」
「…ここな、俺を落とす為の罠だったようでな。
下には毒の塗られた撒きびしみたいな小さなトゲがいっぱい落ちてるんだよ。
俺は平気だが、お前や女王は下手したら死ぬ。」
━━だから、俺を抱きかかえたまま下ろさないし…
そして、いつもみたいに女王になって逃げる事も出来ないと…。━━
「愛されてますねぇ…俺…」
「んあ?…あ、ああ…まぁ…そー……だな」
「女王もオブザイア殿に愛されてますね…」
「愛されてるっつーか、俺自身だからな」
「……妬ける」
「は?何だって?」
「オブザイア殿に、大事にされている女王にも!
そんな女王に夫の俺を預ける程信頼されているオブザイア殿にも!
俺は今!嫉妬してます!!」
「お前は、ど阿呆だな!!!!」
「二人の関係に、割って入れない我が身がうらめしい…
ああ、でもオブザイア殿…
俺はもう…二人とも好きで好きで好きで………
二人とも、食べたい…」
オブザイアの服を捲り上げ始めるアンドリューに、オブザイアが、今までに無い程の身の危険を感じ始める。
「かっ…!カラナィア!!!助けてくれー!!!
アンドリューがぁあ!!
お、おかしく…!!ああぁ!」
肉片が散らばる地面の中から聞こえる、助けを求める野太い男の悲鳴。
「……ナニやってんだい、あんたら。
……ん?この匂い…何かクスリ使われてるね…」
呆れた顔で穴を覗き込んだカラナィアが、眉間にシワを刻み鼻をスンと鳴らす。
カラナィアに太いロープを穴に落として貰うと、オブザイアは片腕にアンドリューを抱いたまま穴から出て来た。
「……随分と、熱烈だったんだねぇ…
邪魔したんじゃないのかい?」
服がはだけて片側の胸が丸見えになり、顔中、舐め回されたかのようにベタベタになったオブザイアは、左腕に抱いたアンドリューに穴から出た後も左側の顔や耳にキスをされ続けていた。
「こえーわ!
100人、1000人相手に戦うより疲れたし、こえー!
何だよこれ!」
「んー…興奮効果のあるクスリか香か…
あんたが罠に落ちたら興奮して暴れ回って、傷付けば毒も早く回って…とか、考えてたんじゃないの?」
「……興奮のタイプが違わねーか?」
オブザイアは腕からアンドリューを降ろそうとするが、アンドリューはオブザイアの首に抱きついたまま地面に足を着けようとしない。
「怒りに身を任せていようが、性的なものであろうが、興奮は興奮だろ。
その時に、一番感情を占めていたものって事だろうさ…
普通なら、怒りに身を任せ暴れ回るとか…不安や焦燥感に苛まれて穴から出ようと動き回ったり…
まぁ、アタイも初めて見るわ、このパターン。」
罠に落ちて、性的な興奮でいやらしくなる…
普通は無い。
離れるのを拒否して、オブザイアの首からぶら下がったアンドリューは大きな前掛けみたいになっている。
「アタイ達には効果無いけど、普通の人間のアンドリューには滅茶苦茶効いてるねぇ…
しばらく相手してやんなよ」
カラナィアの言葉に、酩酊状態のアンドリューが笑う。
「義父上、俺はこのまま城に帰って、オブザイア殿とデルフィナを食べたいのです…
二人の腰が立たなくなるまで…」
「そうかい、アンドリュー」
ニッコリ頬笑むカラナィアは、アンドリューの頭を力任せにはたいてアンドリューを気絶させた。
「義父上と呼ぶんじゃないよ。
でもまぁ、アタイの中のダイオスからしたら、父親として、こんな状態のあんたに娘の初めてをくれてやる気はないってよ」
カラナィアはアンドリューを肩に担ぎ、城に向かう。
「すまん…カラナィア…助かった…」
疲れ果てたオブザイアはノロノロとカラナィアの後をついて行く。
「…オブザイア…いや、デルフィナ……
今回使われたクスリの件、絶対マリアンナとシラフのアンドリューには話すんじゃないよ?」
「…なんで?……ハ!!わ、分かった!!」
想像した。恐ろしい早さで理解した。
首がもげそうな程の恐ろしい早さで頷く。
あの二人なら、喜んで使うに違いない。
「…二人とも好きで好きで好きで…か…」
カラナィアの後を追いながら、少し照れたようにオブザイアが呟いた。
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