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完璧城主、動く。
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その日から、壮絶なイジメが始まった。証拠がないから誰にも相談できず、身は無事でも心がボロボロに…なるわけないっ!やること多いんだから、そんなことに構っていられない。
でも、藍玉さんが他の貴族や召使いさんをイジメていたのは事実らしい。ストレスのはけ口だったのか、どーなのか…隣で眠る蒼玉をちらり。知ってたのかな。この人は。
「蒼玉さま。朝ですよー。」
なせが私が蒼玉の世話係みたいなんだよね…以外とこの人寝起き悪いし。
「バカを言うな。まだ暗い。」
それはあんたがカーテンを閉め切ってるから!窓際に駆け寄ってカーテンを勢いよく引く。さあっと朝の光が差し込んできた。
「ほーら、いい天気じゃないですか!おきましょーよ!」
うるさそうに布団に潜ろうとする蒼玉。そうはさせるかっ!べりっと布団を引き剥がす。
「分かった…」
よしゃ!…それからたっぷり十分は沈黙したあと、蒼玉は始動した。いや、まだ寝ぼけてるっ!私いるのに、着替えようとするなーっ!
朝ごはんは、いつも通りじゃりじゃりしていた。これ、嫌がらせらしいんだよね。やることがいちいち細かすぎ。やるならもっとハデにやりなさいよ。見てる限り、コックさんは関係なさそうだから、残せないしね…
…そんな感覚、全くない人もいるけど。ほとんど食べずに食事を終えた蒼玉が、ムダに上品に立ち上がった。
「よもぎ。藍玉の死を調べる。後で来い。」
すれ違う瞬間、小さくささやかれた言葉。えーっと…えええっ!
「ごちそうさまでした!ごめんなさい、残しますっ!おいしかったですっ!」
しん、となる食卓。構ってなんていられない。私はぽかんとするかたわらの春林さんを残して、広間を飛び出した。
「蒼玉さまっ!ちょ、待ってください!」
歩くの早っ!曲がり角に消えようとしている蒼玉に向かって叫んだ。蒼玉の隣にいた幽玄さんが振り向く。なにやら二人で話したあと、蒼玉だけがこちらに向かってきた。ごめんなさい、幽玄さんっ!
「どうした。」
「えーっと、その…」
ここでは言いづらいと言いますか…あんな爆弾発言しておきながら、なにをひょーひょーと。
「あとでと言ったつもりだったんだがな。」
食事なんてしてる場合じゃないでしょーに。意を決して、私は思いっきり背伸びした。きょとんとする蒼玉の耳元に口を寄せて、ひそひそ。
「なんで、藍玉さんが亡くなっているって、言ったんですか?」
そう。私が一番疑問なのはそこなんだ。春林さんと、蒼玉の耳に入らないようにするって約束したのに。
「気づかないわけがないだろう。そもそも穀雨宮が…」
召使いさんの一人が、私たちの脇を通り過ぎていった。おっと。
「部屋に行こう。全部…話そう。」
そう言った蒼玉は、一つ吹っ切れたようで、どこか辛そうだった。
でも、藍玉さんが他の貴族や召使いさんをイジメていたのは事実らしい。ストレスのはけ口だったのか、どーなのか…隣で眠る蒼玉をちらり。知ってたのかな。この人は。
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