21 / 30
白露宮はバカばっかり!
しおりを挟む
「お兄さまを守ってほしいの。」
えーっと…お兄さま、てのは蒼玉のこと、だよね?
「私は、できなかったから…どうしても…上手に…」
そのあと藍玉さんが話してくれた話は、年相応に…って言ったら失礼かもだけど、順序がめちゃくちゃだったから、まとめることにする。
曰く。前城主とその妻、つまり藍玉さんと蒼玉のお父さんとお母さんが亡くなったあと、国は混乱の中にあった。まだ子供の蒼玉に、国をまかすことはできない、とかなり批判的な声があったらしい。それを、藍玉さんはずっとあとになって聞いたと言った。
「お兄さまがそうやってひどいことを言われてたとき、私はただ、泣いたりわめいたりしてるだけだったの。」
とても悔しそうに、藍玉は顔を歪める。
曰く。藍玉さんがふと我に返った時、蒼玉はすでに、血の滲む努力家によってそこそこ認められていた。しかし、藍玉さんには、蒼玉が相当無理しているのがわかったらしい。重なる批判、内乱。藍玉さんは悩んだ。
「その頃の私、もうすでに嫌われててね。ヒステリー、起こしまくってたから仕方ないんだけど。…だから…私が今更何してもお兄さまの役に立てないってわかったの。」
もしかして…藍玉さんが他の貴族たちをいじめていたのって…
「わかった?そうだよ。宮廷で、めいいっぱい嫌われようと思ったの。もう、お兄さまへの不満なんてぶっとぶくらい。そしたら…そしたら…お兄さまを、守れると思った…」
藍玉さん…なんて、バカなんだろう。なんて、愚かで、バカで、バカで…でも!
「よもぎちゃん…?何してるの?」
「よく、がんばった、ね…?」
藍玉さんの目から涙がこぼれた。感動的なゆるやかな時間…は長くは続かなかった。
「…うっく…でも、そ、そーじゃないの!」
へ?
「私が言いたかったのは、そーじゃなくて!よもぎちゃんにお兄さまを守ってほしいってことなの!私の代わりに!」
涙を必死で拭った藍玉さんは、私を突き飛ばすようにして叫んだ。
「私にはお兄さまがいたもの。お兄さまには誰もいなかった!」
そうかな?蒼玉は藍玉さんに支えられてた…なんて当たり前すぎて言葉にできない。この兄弟は、そんな次元にいない。
「わかった、よ。蒼玉さまのことは、私が、支える。だから、もう、大丈夫、だよ。」
なんの根拠も、証拠もないくせに、私はそう言っていた。
守りたい。そう思ってるのは、ホントだから…
藍玉さんが、晴れやかな笑顔を浮かべる。
「ありがと。あと、ね…」
続いて告げられた言葉に、私はまた、ここまでの感動がぶっ飛ぶ衝撃をうけた。
えーっと…お兄さま、てのは蒼玉のこと、だよね?
「私は、できなかったから…どうしても…上手に…」
そのあと藍玉さんが話してくれた話は、年相応に…って言ったら失礼かもだけど、順序がめちゃくちゃだったから、まとめることにする。
曰く。前城主とその妻、つまり藍玉さんと蒼玉のお父さんとお母さんが亡くなったあと、国は混乱の中にあった。まだ子供の蒼玉に、国をまかすことはできない、とかなり批判的な声があったらしい。それを、藍玉さんはずっとあとになって聞いたと言った。
「お兄さまがそうやってひどいことを言われてたとき、私はただ、泣いたりわめいたりしてるだけだったの。」
とても悔しそうに、藍玉は顔を歪める。
曰く。藍玉さんがふと我に返った時、蒼玉はすでに、血の滲む努力家によってそこそこ認められていた。しかし、藍玉さんには、蒼玉が相当無理しているのがわかったらしい。重なる批判、内乱。藍玉さんは悩んだ。
「その頃の私、もうすでに嫌われててね。ヒステリー、起こしまくってたから仕方ないんだけど。…だから…私が今更何してもお兄さまの役に立てないってわかったの。」
もしかして…藍玉さんが他の貴族たちをいじめていたのって…
「わかった?そうだよ。宮廷で、めいいっぱい嫌われようと思ったの。もう、お兄さまへの不満なんてぶっとぶくらい。そしたら…そしたら…お兄さまを、守れると思った…」
藍玉さん…なんて、バカなんだろう。なんて、愚かで、バカで、バカで…でも!
「よもぎちゃん…?何してるの?」
「よく、がんばった、ね…?」
藍玉さんの目から涙がこぼれた。感動的なゆるやかな時間…は長くは続かなかった。
「…うっく…でも、そ、そーじゃないの!」
へ?
「私が言いたかったのは、そーじゃなくて!よもぎちゃんにお兄さまを守ってほしいってことなの!私の代わりに!」
涙を必死で拭った藍玉さんは、私を突き飛ばすようにして叫んだ。
「私にはお兄さまがいたもの。お兄さまには誰もいなかった!」
そうかな?蒼玉は藍玉さんに支えられてた…なんて当たり前すぎて言葉にできない。この兄弟は、そんな次元にいない。
「わかった、よ。蒼玉さまのことは、私が、支える。だから、もう、大丈夫、だよ。」
なんの根拠も、証拠もないくせに、私はそう言っていた。
守りたい。そう思ってるのは、ホントだから…
藍玉さんが、晴れやかな笑顔を浮かべる。
「ありがと。あと、ね…」
続いて告げられた言葉に、私はまた、ここまでの感動がぶっ飛ぶ衝撃をうけた。
0
あなたにおすすめの小説
前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】悪役令嬢の身代わりで処刑されかけた侍女、悪人面強面騎士にさらわれる。
雨宮羽那
恋愛
侍女リーリエは、処刑される予定の主・エリーゼと容姿がそっくりだったせいで、身代わりとして処刑台へ立たされていた。
(私はエリーゼ様じゃないわ!)と心の中で叫んだ瞬間、前世の記憶がよみがえり、ここが読みかけだった悪役令嬢ものの小説の世界だと気づく。
しかも小説ではエリーゼが処刑されるはずなのに、リーリエが処刑されかけているという最悪の展開。
絶体絶命の瞬間、リーリエの前に現れたのは強面で悪人面の騎士ガウェイン。
彼はなぜかリーリエを抱えあげ連れ去ってしまい――?
◇◇◇◇
※全5話
※AI不使用です。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる