少女マンガの当て馬キャラと入れ替わったらしいんだが。

翡翠

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少女マンガ的王道イベント「遅刻遅刻っ!」

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次の日、私は葉桜が舞う校門できらりを待っていた。…のだが。

「遅い」

もう朝休み終わるぞ?足で書いた数式がその場一帯を埋め尽くした時。

「遅刻遅刻っ!」

なぜか食パンをくわえて、きらりがこちらに走ってきた。前を歩く男子にぶつかりかけた彼女の肩を、ぐいっとひく。

「きゃっ…あれ、セイラちゃん」
「ああ。少しいいか?」

昨日読んだセイラの日記…あれからは、昴への熱烈な恋心と、きらりへの嫉妬が痛いほど伝わってきた。

「これ、持っていてくれ」

別に、セイラを許せと言っているわけではない。全面的に非があるのはセイラなのだから。しかし、数学において、前提条件がなければ、解ける問題も解けないというものだ。
きらりには、セイラの想いという前提条件をただ知って欲しい。
なぜだろうな、私はセイラを憎みきれない。

「燃やすも破るも好きにしたらいい。気が済むなら私を殴れ」

お前の怒りは、体が戻った暁にセイラにしかと伝えよう。ぽかんとするきらりに、無理やり日記を押し付ける。

「ちょ、待って!これって日記だよね?こんなのもらえないよっ!」

なぜ、と首を傾げる私に、日記を突き返し、きらりな真剣な顔で続ける。

「だって日記なんて、セイラちゃんの大事なものでしょ?私なんかが見ていいものじゃないよ…」

私が良いと言うのに。いや、セイラは嫌か…?
私も日記をつけていた。まあ数学的アイデアを書き留めておくメモ化していたが、たしかに見られたら怒るな。アイデアを盗むつもりかと。ふむ。

「すまない、思慮が足りなかったな」

それにしてもきらりはできた子だ。ぽんと頭を撫でてやる。目を白黒させるきらりを置いて、私は校舎へと歩き出した。
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