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悪役令嬢
「リムさま。それ以上寝るとブタになりますよ」
はあ?薄く目を開けると、同時にぱこんと頭を殴られた。丸めた夕刊。
全く、目覚めサイアク。たぶんバカにしてるだろうリュカを睨みつけようとして、私はぴたりと動けなくなった。
目の前に掲げられた夕刊。号外、の文字。
『皇太子妃グロリア様、婚約破棄を申し出る』
え…?婚約破棄される、じゃなくて?新聞ごし、リュカが珍しく、複雑な顔をしていた。
***
ここで少し、皇太子妃、グロリアさまについて書いておくことにする。
グロリアさまは、誰もが認める、いわゆる悪女だ。
王宮に来たばかりの頃、純粋無垢だった私を一番悩ませたのも、彼女だった。
例えば、レオン殿下と貴族の娘たちが参加するお茶会で、娘たちの紅茶に下剤を盛ったり。悪い噂を流すことなんか日常茶飯事だし、物理攻撃も厭わない。グロリアさまの嫉妬対象は貴族だけにとどまらず、たった一回レオン殿下に声をかけられただけの侍女は、精神的に虐め抜かれた挙句、クビになった。
宰相の娘って地位を利用してめちゃくちゃやってる悪魔。それが、私のグロリアさまのイメージだ。
***
そんな彼女が、婚約破棄?自分から?
信じられない。ラッキー…いや、確かにそうなんだけど、納得できない。こーなったら…
「リュカ。今すぐグロリア邸に向かってちょうだい!」
肩をすくめたリュカが、降りたばかりの馬車に乗り込んでくる。わざわざ家の外で新聞を渡したってことは、こーなるのを読んでたのに違いない。全く、優秀すぎて嫌んなる。
はあ?薄く目を開けると、同時にぱこんと頭を殴られた。丸めた夕刊。
全く、目覚めサイアク。たぶんバカにしてるだろうリュカを睨みつけようとして、私はぴたりと動けなくなった。
目の前に掲げられた夕刊。号外、の文字。
『皇太子妃グロリア様、婚約破棄を申し出る』
え…?婚約破棄される、じゃなくて?新聞ごし、リュカが珍しく、複雑な顔をしていた。
***
ここで少し、皇太子妃、グロリアさまについて書いておくことにする。
グロリアさまは、誰もが認める、いわゆる悪女だ。
王宮に来たばかりの頃、純粋無垢だった私を一番悩ませたのも、彼女だった。
例えば、レオン殿下と貴族の娘たちが参加するお茶会で、娘たちの紅茶に下剤を盛ったり。悪い噂を流すことなんか日常茶飯事だし、物理攻撃も厭わない。グロリアさまの嫉妬対象は貴族だけにとどまらず、たった一回レオン殿下に声をかけられただけの侍女は、精神的に虐め抜かれた挙句、クビになった。
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信じられない。ラッキー…いや、確かにそうなんだけど、納得できない。こーなったら…
「リュカ。今すぐグロリア邸に向かってちょうだい!」
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