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日常篇
大事なこと
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「...ラッシュさんから?」
本屋での仕事を終え、夜道を歩いていたときに何気なく確認したメール。
そこには、七海を預かっているという主旨のことが書かれていた。
これから七海の家まで行こうと思っていたところではあったが、何故あのふたりが一緒にいるのだろう。
...嫉妬してしまいそうだ。
「行かないと」
嫌な予感がして人がいない街を駆ける。
ただひたすらに、1ヶ所を目指して走り続けた。
「おう、早かったな」
「ラッシュさんのことは信頼してるけど、どうして七海と一緒にいるの?」
「それはな...」
更に問い詰めようとすると、突然試着室のカーテンが開く。
そこから出てきたのは、秋らしい格好をした七海だった。
「こうやって服のモデルとして手伝ってもらったからだ」
「...!」
彼女が着ているのは、黒いブラウスにラテカラーのボトムス。
それに、あまり履いているのを見たことがないパンプスだった。
「木葉?」
「連絡してくれればよかったのに...」
「ごめんなさい。連絡しようと思ったのは今から2時間くらい前だったんだ。
でもまだお仕事なんじゃないかと思って、そのまますっかり忘れてた。...この格好、変、かな?」
「すごく似合ってる。可愛いね」
頬が赤く染まる七海に微笑みかけると、ラッシュさんの笑い声が響いた。
「いやあ、若いっていいねえ!今度そのままデートにでも行っておいで!」
「え、でもこの洋服は、」
「今日つきあわせた礼ってことで、もらってくれるとありがたい」
話を聞いているだけでもやもやしてしまうのは、僕がまだ子どもっぽいからだろうか。
「それより木葉。お前、相変わらず寝起きが悪いんだってな?
それから、お嬢さんが大事ならちゃんと護れるように備えておかないとな」
「...どういう意味?」
僕はそこではじめて、七海に何があったのかを聞かされることになる。
彼女が不審者に襲われているところをラッシュさんが助けたこと。
そのお礼にと直したてのミシンで作った服を試着してもらったこと...等々。
「ごめんね、そんなことがあったなんて...」
「怖かったけど、あれは私がぶつかってしまったのが原因だから」
「やっぱ若いっていいなあ!いちゃいちゃしちゃって...」
「ラッシュさん、あんまりからかったら1番畏れてる人に報告するよ?」
「悪かったよ。...お嬢さん、また時間があるときでいいからまたおいで」
「ありがとうございます」
七海とふたり、ラッシュさんに手をふって歩きはじめる。
彼女は余程服が気に入ったらしく、そのまま着替えずに家まで戻るつもりのようだ。
「七海、本当にごめん」
「木葉のせいじゃないよ。あれは誰のせいでもない」
そっと手を握るときゅっと握りかえしてくれる。
夜の外は寒いはずなのに、ふたりでこうしていると全然平気だった。
本屋での仕事を終え、夜道を歩いていたときに何気なく確認したメール。
そこには、七海を預かっているという主旨のことが書かれていた。
これから七海の家まで行こうと思っていたところではあったが、何故あのふたりが一緒にいるのだろう。
...嫉妬してしまいそうだ。
「行かないと」
嫌な予感がして人がいない街を駆ける。
ただひたすらに、1ヶ所を目指して走り続けた。
「おう、早かったな」
「ラッシュさんのことは信頼してるけど、どうして七海と一緒にいるの?」
「それはな...」
更に問い詰めようとすると、突然試着室のカーテンが開く。
そこから出てきたのは、秋らしい格好をした七海だった。
「こうやって服のモデルとして手伝ってもらったからだ」
「...!」
彼女が着ているのは、黒いブラウスにラテカラーのボトムス。
それに、あまり履いているのを見たことがないパンプスだった。
「木葉?」
「連絡してくれればよかったのに...」
「ごめんなさい。連絡しようと思ったのは今から2時間くらい前だったんだ。
でもまだお仕事なんじゃないかと思って、そのまますっかり忘れてた。...この格好、変、かな?」
「すごく似合ってる。可愛いね」
頬が赤く染まる七海に微笑みかけると、ラッシュさんの笑い声が響いた。
「いやあ、若いっていいねえ!今度そのままデートにでも行っておいで!」
「え、でもこの洋服は、」
「今日つきあわせた礼ってことで、もらってくれるとありがたい」
話を聞いているだけでもやもやしてしまうのは、僕がまだ子どもっぽいからだろうか。
「それより木葉。お前、相変わらず寝起きが悪いんだってな?
それから、お嬢さんが大事ならちゃんと護れるように備えておかないとな」
「...どういう意味?」
僕はそこではじめて、七海に何があったのかを聞かされることになる。
彼女が不審者に襲われているところをラッシュさんが助けたこと。
そのお礼にと直したてのミシンで作った服を試着してもらったこと...等々。
「ごめんね、そんなことがあったなんて...」
「怖かったけど、あれは私がぶつかってしまったのが原因だから」
「やっぱ若いっていいなあ!いちゃいちゃしちゃって...」
「ラッシュさん、あんまりからかったら1番畏れてる人に報告するよ?」
「悪かったよ。...お嬢さん、また時間があるときでいいからまたおいで」
「ありがとうございます」
七海とふたり、ラッシュさんに手をふって歩きはじめる。
彼女は余程服が気に入ったらしく、そのまま着替えずに家まで戻るつもりのようだ。
「七海、本当にごめん」
「木葉のせいじゃないよ。あれは誰のせいでもない」
そっと手を握るときゅっと握りかえしてくれる。
夜の外は寒いはずなのに、ふたりでこうしていると全然平気だった。
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