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隠暮篇(かくれぐらしへん)
ティータイム
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「木葉、大丈夫?」
「うん...。ごめん、また迷惑をかけて」
翌朝、木葉は疲れが出たのかいつも以上にぐったりしていた。
だから私の指先を少しだけ彼の牙に押し当てたのだ。
いつもより痛みを感じたけれど、そんなことよりも早く元気になってほしかった。
(だいぶ顔色はよくなってきたな...よかった)
「七海」
「どうしたの?」
「これからの時間を僕にくれない?」
「私はいいけど...体調が悪いなら無理して動かない方がいいんじゃない?」
できればそのまま休んでいてほしい。
クリスマスだからといって無理をして出掛ける必要はないはずだ。
「取り敢えず、一緒に紅茶を飲まない?」
「...それくらいなら」
できればあまり動かないでほしいのだけれど、木葉がやりたいことを叶えたい。
「淹れてくるからちょっと待ってて」
紅茶の淹れ方だけは無駄に上手くなってしまったと、ひとり溜め息を吐く。
今は人と関わらないようにしながら生活をしているが、ある人から教わったのがこれだった。
(初めて木葉と会ったときも、美味しいって言ってもらえたんだよね...)
懐かしさを覚えながら、すぐにサーブする。
「お待たせしました」
「ありがとう」
「...木葉、私」
紅茶を一口飲んだ後、思いきって気持ちをぶつけてみる。
「私は、こうやって一緒に過ごせるだけで幸せだから」
そんなありきたりな言葉を伝えると、木葉の顔が赤くなった。
...そういう滅多に見られないところを見られただけで私は充分幸せだ。
独りで過ごしていた頃はこんなことなんか気にしたこともなかった。
普段と何も変わらなくても、こうして一緒にいられるだけでいい。
「その言葉はありがたいけど、このままなのは僕が嫌なんだ。もらってばっかりじゃなくて、ちゃんとお返ししたい。
...さっき血をもらったおかげで元気になったし、これから出掛けよう」
「本当に大丈夫なの...?」
私の目をじっと見つめて、木葉は優しく頭を撫でながら笑った。
「心配しないで」
結局、木葉に言い負かされた形で私たちはデートをすることになった。
繋がれたままの手を見ると、いつもより緊張してしまう。
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもない」
もしかすると、どきどきしているのは私だけなのだろうか。
そんなことを考えながら歩いていると、きらきらとした食べ物が目にはいる。
「七海」
「ど、どうかした?」
「クレープ、食べようか」
「...うん」
進行方向を変えて、クレープ屋さんがある方に歩いていく。
やっぱり木葉にはなんでもお見通しのようだ。
「うん...。ごめん、また迷惑をかけて」
翌朝、木葉は疲れが出たのかいつも以上にぐったりしていた。
だから私の指先を少しだけ彼の牙に押し当てたのだ。
いつもより痛みを感じたけれど、そんなことよりも早く元気になってほしかった。
(だいぶ顔色はよくなってきたな...よかった)
「七海」
「どうしたの?」
「これからの時間を僕にくれない?」
「私はいいけど...体調が悪いなら無理して動かない方がいいんじゃない?」
できればそのまま休んでいてほしい。
クリスマスだからといって無理をして出掛ける必要はないはずだ。
「取り敢えず、一緒に紅茶を飲まない?」
「...それくらいなら」
できればあまり動かないでほしいのだけれど、木葉がやりたいことを叶えたい。
「淹れてくるからちょっと待ってて」
紅茶の淹れ方だけは無駄に上手くなってしまったと、ひとり溜め息を吐く。
今は人と関わらないようにしながら生活をしているが、ある人から教わったのがこれだった。
(初めて木葉と会ったときも、美味しいって言ってもらえたんだよね...)
懐かしさを覚えながら、すぐにサーブする。
「お待たせしました」
「ありがとう」
「...木葉、私」
紅茶を一口飲んだ後、思いきって気持ちをぶつけてみる。
「私は、こうやって一緒に過ごせるだけで幸せだから」
そんなありきたりな言葉を伝えると、木葉の顔が赤くなった。
...そういう滅多に見られないところを見られただけで私は充分幸せだ。
独りで過ごしていた頃はこんなことなんか気にしたこともなかった。
普段と何も変わらなくても、こうして一緒にいられるだけでいい。
「その言葉はありがたいけど、このままなのは僕が嫌なんだ。もらってばっかりじゃなくて、ちゃんとお返ししたい。
...さっき血をもらったおかげで元気になったし、これから出掛けよう」
「本当に大丈夫なの...?」
私の目をじっと見つめて、木葉は優しく頭を撫でながら笑った。
「心配しないで」
結局、木葉に言い負かされた形で私たちはデートをすることになった。
繋がれたままの手を見ると、いつもより緊張してしまう。
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもない」
もしかすると、どきどきしているのは私だけなのだろうか。
そんなことを考えながら歩いていると、きらきらとした食べ物が目にはいる。
「七海」
「ど、どうかした?」
「クレープ、食べようか」
「...うん」
進行方向を変えて、クレープ屋さんがある方に歩いていく。
やっぱり木葉にはなんでもお見通しのようだ。
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