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隠暮篇(かくれぐらしへん)
証明
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ラッシュさんは満面の笑みでこちらへ歩いてくる。
「この女の身柄は知り合いの警官に引き渡しておくから、おまえらはそのままデートでも楽しめ」
「いいんですか?」
「寧ろお嬢さんたちがいると話が拗れる可能性があるからな。
木葉、おまえは強い。だから...自信をもってしっかりお嬢さんを護ってやらないといけないぞ」
「...うん」
──実は七海が頬に怪我を負った日から、ずっと悩み続けている。
それをラッシュさんに見抜かれ話をすると、彼らしい答えを返してくれた。
『おまえの推理が間違ってないってことと、強いんだってことを今日証明すればいい。
作戦でお嬢さんを護りきれれば、おまえの強さは証明されるだろう?』
いつだって優しく見守ってくれて、本当に感謝しかない。
お礼を伝えてふたりでその場を後にし、そのままモールへと再び入る。
「僕は特にないんだけど、七海はどこか行きたいところはある?」
「...本屋さん、かな」
マスク姿の彼女は小さくそう答えた。
その姿を目にうつす度、護れなかった罪悪感が溢れ出しそうになる。
「木葉」
「どうかしたの?」
「私は護られてばかりじゃいられない。私だって木葉のことを護るから」
その言葉はとても温かくて、胸がじんわりするような感覚に陥る。
そのとき、見覚えがある車椅子を視界が捉えた。
「...シェリ」
「え、あ、こんにちは」
「シェリは1人なの?」
「はい。そろそろ、お出掛けの、訓練を...」
真面目な彼女らしいが、1人にするのは少し危険なような気もする。
七海も考えたことは同じだったらしく、シェリに優しく語りかけた。
「私たちもこれからぶらぶらするんだけど、よかったら一緒に行かない?」
「お邪魔に、なるんじゃ、」
「僕たちは邪魔だとは思わないよ」
「それじゃあ...」
シェリの少し小さな声はいつもより弾んでいるような気がして、なんだか僕まで嬉しくなった。
3人で本屋を目指していると、前から親子が歩いてくる。
女性の髪の長さが丁度七海くらいだった。
「渡瀬さん、こんにちは。今日はご家族ですごく楽しそうですね」
「こんにちは、野崎さん。そちらの方々はお知り合いですか?」
僕は1歩前に出て一礼する。
「はじめまして、中津木葉です。...七海の恋人です。それからこっちはシェリ、共通の友人です」
「これはご丁寧に...」
しばらく世間話を交わして、そのまま別々の道を歩いていく。
「木葉、今恋人って...」
「ごめん、無意識につい!嫌だった...?」
「ううん。嬉しすぎて困っちゃった」
七海の笑顔を見て少しだけ安心する。
シェリも微笑んでいて、和やかな空気が流れているのがすごく嬉しい。
──何故七海が間違えて狙われたのか、納得した瞬間だった。
「髪型と笑ったときの雰囲気か」
「何か言った?」
「ううん、なんでもない!」
ふたりでそのまま並んで歩きながら、一緒にシェリの車椅子を押した。
「この女の身柄は知り合いの警官に引き渡しておくから、おまえらはそのままデートでも楽しめ」
「いいんですか?」
「寧ろお嬢さんたちがいると話が拗れる可能性があるからな。
木葉、おまえは強い。だから...自信をもってしっかりお嬢さんを護ってやらないといけないぞ」
「...うん」
──実は七海が頬に怪我を負った日から、ずっと悩み続けている。
それをラッシュさんに見抜かれ話をすると、彼らしい答えを返してくれた。
『おまえの推理が間違ってないってことと、強いんだってことを今日証明すればいい。
作戦でお嬢さんを護りきれれば、おまえの強さは証明されるだろう?』
いつだって優しく見守ってくれて、本当に感謝しかない。
お礼を伝えてふたりでその場を後にし、そのままモールへと再び入る。
「僕は特にないんだけど、七海はどこか行きたいところはある?」
「...本屋さん、かな」
マスク姿の彼女は小さくそう答えた。
その姿を目にうつす度、護れなかった罪悪感が溢れ出しそうになる。
「木葉」
「どうかしたの?」
「私は護られてばかりじゃいられない。私だって木葉のことを護るから」
その言葉はとても温かくて、胸がじんわりするような感覚に陥る。
そのとき、見覚えがある車椅子を視界が捉えた。
「...シェリ」
「え、あ、こんにちは」
「シェリは1人なの?」
「はい。そろそろ、お出掛けの、訓練を...」
真面目な彼女らしいが、1人にするのは少し危険なような気もする。
七海も考えたことは同じだったらしく、シェリに優しく語りかけた。
「私たちもこれからぶらぶらするんだけど、よかったら一緒に行かない?」
「お邪魔に、なるんじゃ、」
「僕たちは邪魔だとは思わないよ」
「それじゃあ...」
シェリの少し小さな声はいつもより弾んでいるような気がして、なんだか僕まで嬉しくなった。
3人で本屋を目指していると、前から親子が歩いてくる。
女性の髪の長さが丁度七海くらいだった。
「渡瀬さん、こんにちは。今日はご家族ですごく楽しそうですね」
「こんにちは、野崎さん。そちらの方々はお知り合いですか?」
僕は1歩前に出て一礼する。
「はじめまして、中津木葉です。...七海の恋人です。それからこっちはシェリ、共通の友人です」
「これはご丁寧に...」
しばらく世間話を交わして、そのまま別々の道を歩いていく。
「木葉、今恋人って...」
「ごめん、無意識につい!嫌だった...?」
「ううん。嬉しすぎて困っちゃった」
七海の笑顔を見て少しだけ安心する。
シェリも微笑んでいて、和やかな空気が流れているのがすごく嬉しい。
──何故七海が間違えて狙われたのか、納得した瞬間だった。
「髪型と笑ったときの雰囲気か」
「何か言った?」
「ううん、なんでもない!」
ふたりでそのまま並んで歩きながら、一緒にシェリの車椅子を押した。
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