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追暮篇(おいぐらしへん)
目を開く度に広がる光景
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これは夢だ。それは分かっていたけれど、聞こえてきた声に答えない選択肢はなかった。
『力を上手く人の為に使えているようで安心したわ。...美桜さんとも再会したのね』
──あなたは誰?
『私のこと、覚えてない?』
──お母さん、だよね。
『...流石ね。あなたがもう少し力を上手く──できたら...』
そっと目を開けると、体が重い。
私がもっと力を...あれは一体何だったのだろう。
「よかった、目が覚めたのね」
「ケイト、さん...?」
吃驚するくらい掠れた声しか出せない。
起きあがろうとするとずきずきと痛みを感じて、どうしても体をベッドから持ちあげることができなかった。
それでも起きようとすると、ケイトさんに止められる。
「駄目よ、ちゃんと休んでいないと」
「木葉...木葉は、大丈夫なんですか...?」
「今は眠っているけど、怪我をしているわけではないわ。
...あの子の暴走寸前の力を止めてくれてありがとう」
ケイトさんに頭を下げられた瞬間、私はただ慌てることしかできなかった。
(やっぱりあれは、能力の暴走...)
地面に勝手に亀裂が入ったのはなんとなく覚えているけれど、それからはほとんど曖昧だ。
体が焼けるように痛いのは確かだけれど、今はそれよりも木葉が気になる。
いつも私を護ってくれる彼の力になりたかったのに、足手まといになっていないだろうか。
(あれから怪我をしてないのかな...)
「あの子が気になる?」
「...はい。私のせいでかなり無理をさせてしまったと思うので」
「あなたは本当にあの子を愛してくれているのね」
他の人たちはどうしているのだろう。
色々考えていると、だんだん眠気がやってくる。
「今は無理をしないでゆっくり休んで。...もう少し休まないと、元気になれないわ」
「...はい」
結局眠気に勝てずに、そのまま目を閉じて思考を手放す。
次は他の人たちにも会えることを願いながら、そのまま微睡みに身を任せた。
──次に目を開けると、側には半泣きのシェリの姿があった。
「シェリ、そんなに泣かないで...」
「誰か、いなくなる、のは...寂しい」
「起きたのか、お嬢さん」
よく見てみると、シェリを慰めるラッシュさんの姿も確認できた。
(ふたりにはちゃんと謝らないと)
「あの...ふたりとも、勝手なことをしてごめんなさい」
「まったくだ。だが、俺たちもちゃんと説明しておかないといけなかったな。
...本当にすまなかった」
この人たちはやっぱりいい人たちだ。
怒られると思っていた私にとっては天使のような存在だった。
(今日も木葉はいないのかな)
訊いてみようとしたところで、ふわりと窓から風がふいてきた。
「おはよう。...といってももう夕方だけどね」
「木葉...」
「僕のせいで怪我をさせてごめん」
抱きしめられて、やっとふたりとも帰ってこられたのだと実感がわいてくる。
柔らかい夕陽の光が入ってくるなか、堪えていたものが全部溢れ出した。
ぽろぽろ流れて止められないのを、もう離さないというように優しい手が包みこんでくれる。
ふたりが来てくれていたのも忘れて、そのままぬくもりに身を委ねた。
『力を上手く人の為に使えているようで安心したわ。...美桜さんとも再会したのね』
──あなたは誰?
『私のこと、覚えてない?』
──お母さん、だよね。
『...流石ね。あなたがもう少し力を上手く──できたら...』
そっと目を開けると、体が重い。
私がもっと力を...あれは一体何だったのだろう。
「よかった、目が覚めたのね」
「ケイト、さん...?」
吃驚するくらい掠れた声しか出せない。
起きあがろうとするとずきずきと痛みを感じて、どうしても体をベッドから持ちあげることができなかった。
それでも起きようとすると、ケイトさんに止められる。
「駄目よ、ちゃんと休んでいないと」
「木葉...木葉は、大丈夫なんですか...?」
「今は眠っているけど、怪我をしているわけではないわ。
...あの子の暴走寸前の力を止めてくれてありがとう」
ケイトさんに頭を下げられた瞬間、私はただ慌てることしかできなかった。
(やっぱりあれは、能力の暴走...)
地面に勝手に亀裂が入ったのはなんとなく覚えているけれど、それからはほとんど曖昧だ。
体が焼けるように痛いのは確かだけれど、今はそれよりも木葉が気になる。
いつも私を護ってくれる彼の力になりたかったのに、足手まといになっていないだろうか。
(あれから怪我をしてないのかな...)
「あの子が気になる?」
「...はい。私のせいでかなり無理をさせてしまったと思うので」
「あなたは本当にあの子を愛してくれているのね」
他の人たちはどうしているのだろう。
色々考えていると、だんだん眠気がやってくる。
「今は無理をしないでゆっくり休んで。...もう少し休まないと、元気になれないわ」
「...はい」
結局眠気に勝てずに、そのまま目を閉じて思考を手放す。
次は他の人たちにも会えることを願いながら、そのまま微睡みに身を任せた。
──次に目を開けると、側には半泣きのシェリの姿があった。
「シェリ、そんなに泣かないで...」
「誰か、いなくなる、のは...寂しい」
「起きたのか、お嬢さん」
よく見てみると、シェリを慰めるラッシュさんの姿も確認できた。
(ふたりにはちゃんと謝らないと)
「あの...ふたりとも、勝手なことをしてごめんなさい」
「まったくだ。だが、俺たちもちゃんと説明しておかないといけなかったな。
...本当にすまなかった」
この人たちはやっぱりいい人たちだ。
怒られると思っていた私にとっては天使のような存在だった。
(今日も木葉はいないのかな)
訊いてみようとしたところで、ふわりと窓から風がふいてきた。
「おはよう。...といってももう夕方だけどね」
「木葉...」
「僕のせいで怪我をさせてごめん」
抱きしめられて、やっとふたりとも帰ってこられたのだと実感がわいてくる。
柔らかい夕陽の光が入ってくるなか、堪えていたものが全部溢れ出した。
ぽろぽろ流れて止められないのを、もう離さないというように優しい手が包みこんでくれる。
ふたりが来てくれていたのも忘れて、そのままぬくもりに身を委ねた。
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