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追暮篇(おいぐらしへん)
呑み込んだ言葉
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よかった、やっと起きているところに会えた。
泣きじゃくる七海を抱きしめ、そのまま一気に口づけたくなってしまう。
「...木葉、もう大丈夫そうだな」
ラッシュさんの声にはっとして、七海を抱きしめたままひたすら謝る。
「取り乱しちゃってごめん」
「まあ、本当に大事な奴が傷だらけじゃ、その反応にもなる。...行くぞシェリ」
シェリにまで心配させてしまったことを内心苦笑しながら、そのまま抱きしめる力を少し強める。
あれから僕は、過労で眠ってしまっていたらしい。
次に目が覚めたときにはブランケットがかけられていて、《起きたらこの場所に来ること》と書かれたメモが近くに置かれていた。
地図が分かりやすかったお陰で辿り着けたものの、どんな表情をすればいいか分からない。
「...ごめん。痛むでしょ?」
「木葉のせいじゃない」
七海はいつだって優しいから、そう言って微笑みかけてくれる。
だが、今回のことは明らかに僕のミスだ。
彼女はただ舞ってくれただけにも関わらず、僕の判断が遅かったために襲われた。
痛々しい包帯にそっと目をやる。
「木葉...?何かあったの?」
自分の傷の心配より僕のことを心配しているらしい。
...それは七海らしいところではあるが、胸がしめつけられるように痛む。
「どうしてあそこにいるって分かったの?」
「ノワールが案内してくれたから」
「...どうして来てくれたの?」
「何でもいいから、私にできることをしたかったんだ。
...木葉に護ってもらう為に一緒にいる訳じゃないから」
七海は優しい。だからいつもこうして僕のことを言葉ひとつで救ってくれる。
「ごめん。ありがとう」
「...ひとりで行ったこと、怒ってるから」
「それは、」
「私を護ろうとしてくれたのは嬉しいけど、それで木葉が側にいてくれないなら意味がない」
怪我だらけだというのに、七海が1番深い傷は僕が心につけたものだ。
軽率だったと内心思いつつ、誠心誠意謝ることしかできない。
「今度こそ、絶対にいなくならないって約束するよ。本当にごめん」
「今回だけは許す。...ちゃんと間に合ったから」
「助けてくれてありがとう」
ふたりで微笑みあうものの、七海の笑顔はいつもよりぎこちない。
「傷、やっぱり痛む?」
「...ちょっとだけ」
「まさかあんな物騒なものを持ってるとは思わなかった」
「私も、予想外だった」
空が紺碧色に染まるなか、久しぶりのふたりきりの会話を楽しむ。
──今だけは、僕に纏わる事実を胸に仕舞っておこう。
泣きじゃくる七海を抱きしめ、そのまま一気に口づけたくなってしまう。
「...木葉、もう大丈夫そうだな」
ラッシュさんの声にはっとして、七海を抱きしめたままひたすら謝る。
「取り乱しちゃってごめん」
「まあ、本当に大事な奴が傷だらけじゃ、その反応にもなる。...行くぞシェリ」
シェリにまで心配させてしまったことを内心苦笑しながら、そのまま抱きしめる力を少し強める。
あれから僕は、過労で眠ってしまっていたらしい。
次に目が覚めたときにはブランケットがかけられていて、《起きたらこの場所に来ること》と書かれたメモが近くに置かれていた。
地図が分かりやすかったお陰で辿り着けたものの、どんな表情をすればいいか分からない。
「...ごめん。痛むでしょ?」
「木葉のせいじゃない」
七海はいつだって優しいから、そう言って微笑みかけてくれる。
だが、今回のことは明らかに僕のミスだ。
彼女はただ舞ってくれただけにも関わらず、僕の判断が遅かったために襲われた。
痛々しい包帯にそっと目をやる。
「木葉...?何かあったの?」
自分の傷の心配より僕のことを心配しているらしい。
...それは七海らしいところではあるが、胸がしめつけられるように痛む。
「どうしてあそこにいるって分かったの?」
「ノワールが案内してくれたから」
「...どうして来てくれたの?」
「何でもいいから、私にできることをしたかったんだ。
...木葉に護ってもらう為に一緒にいる訳じゃないから」
七海は優しい。だからいつもこうして僕のことを言葉ひとつで救ってくれる。
「ごめん。ありがとう」
「...ひとりで行ったこと、怒ってるから」
「それは、」
「私を護ろうとしてくれたのは嬉しいけど、それで木葉が側にいてくれないなら意味がない」
怪我だらけだというのに、七海が1番深い傷は僕が心につけたものだ。
軽率だったと内心思いつつ、誠心誠意謝ることしかできない。
「今度こそ、絶対にいなくならないって約束するよ。本当にごめん」
「今回だけは許す。...ちゃんと間に合ったから」
「助けてくれてありがとう」
ふたりで微笑みあうものの、七海の笑顔はいつもよりぎこちない。
「傷、やっぱり痛む?」
「...ちょっとだけ」
「まさかあんな物騒なものを持ってるとは思わなかった」
「私も、予想外だった」
空が紺碧色に染まるなか、久しぶりのふたりきりの会話を楽しむ。
──今だけは、僕に纏わる事実を胸に仕舞っておこう。
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