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遡暮篇(のぼりぐらしへん)
その味は
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一時の抱擁を終えたふたりに向き直り、視線をシェリに送った。
「そういえばシェリ。どんな味がした?」
「す、すごく、美味しかった、です」
「本当に甘いものが好きなんだね」
「甘いの、ふわふわ...好き」
素直な気持ちをぶつけられる相手に出会えたからか、シェリはとても幸せそうだ。
「それじゃあ、こっちはどうかな?」
「プリン...いつの間に作ったの!?」
「事前に3人で食べられればいいなと思って作っておいたんだ。
...パンケーキは七海のアイデアだし、僕は僕にしかできないことをしようって思って作ってみただけだよ」
「あ、ありがと、ございま...」
七海もシェリも決して体調がいいわけではない。
だからこそ、何かできることをしたかった。
なんでもいいから、ふたりにとって負担にならないことをしようと考えていたのだ。
「お腹いっぱいなら無理して食べなくても大丈夫だからね」
「い、いえ...食べた、です」
「それじゃあ今すぐ食べられるように用意するね」
カラメルはいつもより甘めにしたつもりだが、口にあうだろうか。
色々不安に思う点は多いが、食してみてもらわないことには分からない。
「いただきます」
声を揃えてそう告げてから、恐る恐る一口食べてみる。
...口の中には甘さが広がった。
「どうかな?変な味しない?」
「大丈夫、すごく美味しいね」
「私...こんなに、甘く、できな、です...」
「カラメルって焦げちゃうから難しいよね」
同じようなことを話すふたりを見ているだけで微笑ましく思う。
実は何度も失敗して恐ろしいほど苦いべっこう飴が大量にあるなどと言えるはずもなく、ふたりの会話に入っていく。
「今はみんな満身創痍だから、もうちょっとよくなったらみんなで一緒に作ろう」
「お願い、します。...みんな、作りたい、ので」
「私も頑張って作れるようになりたいな」
そうこうしているうちに、かあ、とひと鳴きする声が耳に届いた。
「ごめん、ちょっと行ってくるね」
恐らくふたりに先程の声は聞こえていない。
七海と視線があったが、大丈夫だという意思をこめて見つめ返す。
部屋の扉を開くと、やはり羽ばたこうとしている黒い塊が床に転がっていた。
「駄目だよノワール。...ちゃんと休んでくれないと心配になる」
そっと拾いあげ、編んだばかりの籠の中に横にならせる。
「ご飯持ってくるから、今だけはここで休んでて」
納得していない様子のノワールに説明してから1度部屋を出る。
...予定どおりなら、そろそろシェリには迎えがくるはずだ。
「そういえばシェリ。どんな味がした?」
「す、すごく、美味しかった、です」
「本当に甘いものが好きなんだね」
「甘いの、ふわふわ...好き」
素直な気持ちをぶつけられる相手に出会えたからか、シェリはとても幸せそうだ。
「それじゃあ、こっちはどうかな?」
「プリン...いつの間に作ったの!?」
「事前に3人で食べられればいいなと思って作っておいたんだ。
...パンケーキは七海のアイデアだし、僕は僕にしかできないことをしようって思って作ってみただけだよ」
「あ、ありがと、ございま...」
七海もシェリも決して体調がいいわけではない。
だからこそ、何かできることをしたかった。
なんでもいいから、ふたりにとって負担にならないことをしようと考えていたのだ。
「お腹いっぱいなら無理して食べなくても大丈夫だからね」
「い、いえ...食べた、です」
「それじゃあ今すぐ食べられるように用意するね」
カラメルはいつもより甘めにしたつもりだが、口にあうだろうか。
色々不安に思う点は多いが、食してみてもらわないことには分からない。
「いただきます」
声を揃えてそう告げてから、恐る恐る一口食べてみる。
...口の中には甘さが広がった。
「どうかな?変な味しない?」
「大丈夫、すごく美味しいね」
「私...こんなに、甘く、できな、です...」
「カラメルって焦げちゃうから難しいよね」
同じようなことを話すふたりを見ているだけで微笑ましく思う。
実は何度も失敗して恐ろしいほど苦いべっこう飴が大量にあるなどと言えるはずもなく、ふたりの会話に入っていく。
「今はみんな満身創痍だから、もうちょっとよくなったらみんなで一緒に作ろう」
「お願い、します。...みんな、作りたい、ので」
「私も頑張って作れるようになりたいな」
そうこうしているうちに、かあ、とひと鳴きする声が耳に届いた。
「ごめん、ちょっと行ってくるね」
恐らくふたりに先程の声は聞こえていない。
七海と視線があったが、大丈夫だという意思をこめて見つめ返す。
部屋の扉を開くと、やはり羽ばたこうとしている黒い塊が床に転がっていた。
「駄目だよノワール。...ちゃんと休んでくれないと心配になる」
そっと拾いあげ、編んだばかりの籠の中に横にならせる。
「ご飯持ってくるから、今だけはここで休んでて」
納得していない様子のノワールに説明してから1度部屋を出る。
...予定どおりなら、そろそろシェリには迎えがくるはずだ。
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