ハーフ&ハーフ

黒蝶

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断暮篇(たちぐらしへん)

背徳の夜食

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本当はこんな時間に食べない方がいいと分かっているけれど、どうしても何か口にしたくなることがある。
「コンビニで買い食いなんて初体験だよ」
「今の時期だとアイスを食べながら歩くのは気温が高すぎて厳しいもんね...」
ふたりでコロッケを食べながら家まで歩く。
木葉にとってはそれだけでも新鮮な体験だったらしく、頬をほころばせていた。
「...帰ったら何から食べたい?」
「おにきりと角煮!あ、でもサラダも美味しそうだったよね...」
迷っている姿を見ると、どうしても微笑ましく思ってしまう。
...どうしてこんなに可愛いと感じてしまうのだろうか。
そうこうしているうちに、あっという間に家まで辿り着いた。
「まずは角煮から温めるね」
「うん、お願いします」
コンビニのものはいつの間にか沢山進化していて、驚くようなものばかりだった。
アイスはいつもどおりだけれど、こんなふうに温めるとすぐ食べられるようなものは初めてだ。
(袋ごとレンジで、本当にできるのかな...)
少し不安に思いながら指示どおりに電子レンジを動かすと、それは無事完成した。
「すごくいいにおいがするね」
「うん。まさかこんなふうになるとは思ってなかった...」
木葉と笑いあいながら、夜はゆっくりと過ぎていく。
他のものも温め終わって一緒に並べていると、本当に楽しくなってきた。
「それじゃあ、いただきます」
「い、いただきます」
太ってしまわないか不安に思いつつ、一口、また一口と食していく。
(すごく美味しい...)
久しぶりにまともに食べたご飯だからか、それともふたり一緒だからかは分からないけれど...とにかく、いつもより美味しく感じた。
「たまにはこういうのもいいね。まさかコンビニにこんな美味しいものがあるなんて思ってなかった...」
「こういう夜食なら悪くないかもしれない」
木葉はよほどお腹がすいていたのか、どんどん目の前に並んでいる料理が消えていく。
そういう私も人のことは言えず、抑えめにしておこうと思っていたはずなのに箸が止まらない。
「ごちそうさまでした」
「...ごちそうさまでした」
ふたりで両手をあわせて、使った食器を片づけていく。
どんどん綺麗になっていくのが楽しくて、そのまま無我夢中で食器を洗い続けた。
「七海、片づけ終わったら、」
「そうだね、アイスにしよう」
テーブルを拭いたり重いものを運んだりしてくれている木葉はいつも以上にたくましく思えて、なんだかすごくどきどきしてしまった。
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