ハーフ&ハーフ

黒蝶

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断暮篇(たちぐらしへん)

私の視点

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ただスーパーに行くだけだったはずなのに、少し疲れてしまった。
「...どうしよう」
杖を片づけた後、少し部屋で休むと伝えて横になる。
目を閉じると、すぐにあの光景が浮かんできた。
「七海、どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよ。今日は何にしようかなって考えてただけ...」
そう言いつつ、少し離れた場所から殺意が向けられているのは感じていた。
相手が感情を隠すのが上手かったのか、私が上手く読めていないのかは分からない。
ただ、それが私か木葉のどちらかに向けられているのは間違いなかった。
「ごめん、すぐ戻るから」
そう話して木葉はどこかへ行ってしまった。
どうすることもできずにレジに並んでいると、外に焦っている様子のノワールがいるのを確認する。
(行った方がいいかな...)
そう考えていたけれど、その場所にはもう木葉が向かっていた。
だから先に会計をすませておいてほしいと頼まれたのだと、そのとき初めて気づく。
ただ、戻ってきた木葉の背後が大変なことになっていた。
ぎょろりとした大きな目に、どう見ても只者ではなさそうな気配。
それにくわえて、ゆっくりと木葉に入りこもうとする姿...悪意以外の何者でもない。
「...ちょっとごめんね」
左肩を何度かさすって、憑いていたものに離れてもらう。
木葉は気づいていなかったのか、それとも心配させまいといつもどおりに振る舞ってくれたのか。
「なんだかちょっと疲れちゃった」
その表情はいつもより疲れていて、どんな言葉をかければいいのか分からなくなる。
荷物を全部持ってくれた彼の隣を歩くことしかできなくて、ただただ申し訳なかった。
そうして結局何も訊けず仕舞いで今に至る。
...あのとき木葉の背後にいた何かは、どこかで見たことがあるような気がする。
一応祓い除けはしたけれど、1度渦巻いた不安はなかなか消えてくれない。
「...ノワール、いる?」
ベッドに腰かけていると、1羽の烏が飛来した。
私にはノワールの言葉を理解することはできない。
それでも、なんとかお願いしてみるしかないだろう。
「...この手紙を、美桜さんに届けられる?」
ノワールだって怪我をしているのだから、本当は無茶をさせたくない。
けれど、これ以外に方法が思いつかなかったのもたしかだ。
先程のものを祓えたのは、美桜さんの御守りの力あってこそだと思っている。
もしかすると、私が作ったものだけでは追い返せなかったかもしれない。
もう、護られてばかりではいたくなかった。
(...美桜さんに作り方を教わらないと)
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