王子と内緒の人魚姫

黒蝶

文字の大きさ
535 / 732
赤城玲音 篇

第9話

しおりを挟む
この日、黒羽以外のメンバーは帰りが遅かった。
(夕飯の買い出し、行かないと...)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
玲音は帰りを急いでいた。
◆「嫌な予感がするぜ...ってわあっ!」
「...うう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黒羽は大量の荷物を両手に抱えて歩いていた。
(足が痛い...。それに、前が見えない...)
そこへ後ろから走ってきた玲音がぶつかったのだ。
◆「すいません!って、黒羽!大丈夫か!?」
「私は、平気だよ?」
◆「...嘘ついてるでしょ」
「嘘なんか」
◆「かして!それと...ちょっとじんじんするだろうけど、我慢して」
「っ...」
◆「あとはテーピングで固定、と...」
手慣れた手つきで黒羽の足に応急処置を施す。
「玲音、ごめんなさい...」
◆「謝らないでよ、元はと言えば俺が遅くなったのが悪いんだし」
「私は、何もできない役立たずだね...」
◆「そんなことない!」
玲音に抱きしめられていた。
◆「いつだってみんなを安心させてた。...今日だって、こんな量を一人で買い物に行ってくれた。それが何もできないことにはならない!みんなのためにって必死で頑張ってるの、知らないと思ってるの?」
「玲音...」
◆「俺は、そういうがんばり屋なところも含めて、黒羽が好きなんだ」
「...え!?」
(玲音が私を好き?)
◆「だから、その...黒羽が好きなんだよ」
顔を真っ赤にして玲音は黒羽に気持ちを伝えた。
「私も...玲音のこと、好きだよ」
◆「え?本当に?夢じゃない?」
「夢じゃないよ」
ふわり。
そう笑いかけてみせる。
◆「やった!」
子どものようにはしゃぐ玲音を急いで止め、できるだけ急いで家に帰るのだった。
(まだ、夢みたい...)
幸せの瞬間を噛みしめて。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました

cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。 そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。 双子の妹、澪に縁談を押し付ける。 両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。 「はじめまして」 そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。 なんてカッコイイ人なの……。 戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。 「澪、キミを探していたんだ」 「キミ以外はいらない」

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...