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茶園 渚 続篇
第6話
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「いらっしゃいませ...」
昼食後、黒羽は接客にうちこんだ。
緊張して上手くできないところは、渚がフォローしてくれた。
ようやく客足が途絶えはじめたとき、足音が一つ聞こえた。
▼「いらっしゃいま...なんだ、おまえか」
○「相変わらず態度があっという間に接客モードになるんだな」
「雪!」
○「あなたもいましたか。お疲れ様です」
▼「...入れ」
渚が玄関を開け、ついでにシャッターを閉める。
『いらっしゃい』
▼「おまえもいたのか」
白玉は黒羽の右肩にちょこんと乗っている。
「白玉は、ずっと側にいてくれたんだよ」
ふわり。
▼「...そうか」
渚はどこか寂しそうに見えた。
○「何か、手伝うことは...」
(痛っ...)
黒羽はその場に崩れおちた。
▼「おい、どうした!」
「なんでもないよ」
黒羽は立ちあがろうとするが、上手くいかない。
▼「...雪、白玉を頼む」
渚は黒羽を抱きかかえ、すぐさま部屋へと運んだ。
▼「滲みるぞ」
「...っ」
処置をしている間、渚が黒羽を辛そうな表情で見ていた。
暫くして、渚が小さく呟いた。
▼「痛むならちゃんと言え」
「ごめんなさい...」
黒羽は薬を塗ってもらいながら、とても後悔した。
(迷惑をかけたくないのに...)
▼「俺が無理をさせたせいだ。おまえの変化に気づけず悪かった」
「渚のせいじゃないよ」
ふわり。
▼「...」
渚は黒羽のいつもより弱々しい微笑みを見て、心が痛んだ。
その場では笑顔を作ったが、渚の心のなかには霧がたちこめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○「あの行動力は、黒羽相手でないと発動しませんね」
雪は白玉に話しかける。
『なぎ まえより やさしい』
○「...俺ができなかったことを、彼女はあっさりとできている。羨ましいな...」
『くれは すごい いいこ』
○「そうですね」
雪は白玉の頭をそっと撫でた。
白玉は甘えるようにすり寄っている。
『せつ おねがいが ある てつだって』
○「お願いとは?」
『なぎ つかれてる いやし あげたい』
○「...分かりました。手配します。黒羽も誘いましょう。白玉も一緒にきますか?」
白玉は嬉しそうにその場でぴょんぴょんはねていた。
昼食後、黒羽は接客にうちこんだ。
緊張して上手くできないところは、渚がフォローしてくれた。
ようやく客足が途絶えはじめたとき、足音が一つ聞こえた。
▼「いらっしゃいま...なんだ、おまえか」
○「相変わらず態度があっという間に接客モードになるんだな」
「雪!」
○「あなたもいましたか。お疲れ様です」
▼「...入れ」
渚が玄関を開け、ついでにシャッターを閉める。
『いらっしゃい』
▼「おまえもいたのか」
白玉は黒羽の右肩にちょこんと乗っている。
「白玉は、ずっと側にいてくれたんだよ」
ふわり。
▼「...そうか」
渚はどこか寂しそうに見えた。
○「何か、手伝うことは...」
(痛っ...)
黒羽はその場に崩れおちた。
▼「おい、どうした!」
「なんでもないよ」
黒羽は立ちあがろうとするが、上手くいかない。
▼「...雪、白玉を頼む」
渚は黒羽を抱きかかえ、すぐさま部屋へと運んだ。
▼「滲みるぞ」
「...っ」
処置をしている間、渚が黒羽を辛そうな表情で見ていた。
暫くして、渚が小さく呟いた。
▼「痛むならちゃんと言え」
「ごめんなさい...」
黒羽は薬を塗ってもらいながら、とても後悔した。
(迷惑をかけたくないのに...)
▼「俺が無理をさせたせいだ。おまえの変化に気づけず悪かった」
「渚のせいじゃないよ」
ふわり。
▼「...」
渚は黒羽のいつもより弱々しい微笑みを見て、心が痛んだ。
その場では笑顔を作ったが、渚の心のなかには霧がたちこめていた。
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○「あの行動力は、黒羽相手でないと発動しませんね」
雪は白玉に話しかける。
『なぎ まえより やさしい』
○「...俺ができなかったことを、彼女はあっさりとできている。羨ましいな...」
『くれは すごい いいこ』
○「そうですね」
雪は白玉の頭をそっと撫でた。
白玉は甘えるようにすり寄っている。
『せつ おねがいが ある てつだって』
○「お願いとは?」
『なぎ つかれてる いやし あげたい』
○「...分かりました。手配します。黒羽も誘いましょう。白玉も一緒にきますか?」
白玉は嬉しそうにその場でぴょんぴょんはねていた。
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