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『いいかい、黒羽(くれは)...』
「はい、お母様」
昔からお母様の言うことは聞いていた。
しかし...
(ごめんなさい、お母様)
私はあの人が、好きです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
20の誕生日。
「~♪」
いつものように私は岩の上で歌っていた。
嵐になった。
「回避、回避~!」
(船...?)
投げ出された1つの影。
(大変、早く助けなきゃ!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うう...」
その男は意識がはっきりしていない。
「今なら助けられる...?」
「...あなた、は?」
必死の看病により、目を覚ましかけの男。
黒羽にとっては王子だった。
「...私は黒羽。私のこと、覚えててくださいね...」
人魚は人間に姿を見られてはならない。
そのため、子守唄を歌いだす...。
黒羽は泣く泣く王子から離れた。
...勿忘草を残して。
『イケメンだわ!素敵~!』
(確かに、かっこいい人だったな...)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「~♪」
今日も黒羽は歌う。
海の歌姫とよばれるほどの彼女の歌声は、魚たちをも惹きつける歌だった。
『今日も素敵!』『もっと聞かせてくれよ!』
歌うのが好きだった。
でも...
(あの人に会いたい...)
毎日そう願うようになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「へえ...それで人間に会いたいってか」
「お願いします、魔王。どうしても、会いたいんです...」
海の魔王に願った。
「それならこれを飲むといい。人間になれる。ただし、その足はきっと、走れるようにはならないだろう。それでもいいかい?」
「...かまいません!あの人への愛を忘れないなら、一目会えるなら!」
「...よろしい」
魔王の悲しそうな顔を見ずに黒羽は薬を飲んだ...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あなた...。あの子に呪いをかけました」
魔女は言う。
「おい!何を勝手なことを...」
「果たして、あの子は呪いに堪えられるかな?」
魔女の高笑いと魔王の後悔の声が響いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「...い」
「...大丈夫?」
「ん...」
黒羽が目を覚ますと、男性がたくさんいた。
「...誰、ですか?ここは...」
♪「病室だよ。僕は青海 錬(おうみ れん)。君が倒れていたから病院に連れてきたんだ」
☆「俺は黄乃本 遥(きのもと はるか)だ。ここは俺が所有する病院だ」
青海さんは優しそうな人だ。
黄乃本さんは...お金持ちの方らしい。
○「...遥様の秘書、白鳥 雪(しらとり せつ)と申します。勝手ながら洋服をご用意させていただきました」
無口な人だと思う。
(あれ...?)
そういえば、さっきから思い出せないことがある。
(王子様の顔、どんなだったっけ?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うっ...」
(足が痛い...!)
♪ 「...っと!走れない?足、痛む?」
「...すいません、足が...」
♪ 「敬語なんていいよ!錬ってよんで」
「...じゃあ、ありがとう、錬」
優しい人だな、と思う。
☆ 「俺たちのこともそういう扱いにしろ」
「でも、偉い人なんじゃ...」
○ 「いいからそうしてください。昔から遥様は一度言い出すとききませんから」
「それなら、よろしくね」
ふわりと笑う黒羽。
3人 「...!」
「...?」
☆ 「おまえ、家は?」
「...帰る場所、ない」
♪「なっ...!?それはダメだよ、僕の家においでよ」
☆「俺が預かろうか?」
○「...私のところはいかがでしょう?」
3人から言い寄られて、黒羽は困ってしまった。
(王子様のことを思い出せない以上、誰かにお世話になるしかないか...)
黒羽が1番気になった相手は...
「はい、お母様」
昔からお母様の言うことは聞いていた。
しかし...
(ごめんなさい、お母様)
私はあの人が、好きです。
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20の誕生日。
「~♪」
いつものように私は岩の上で歌っていた。
嵐になった。
「回避、回避~!」
(船...?)
投げ出された1つの影。
(大変、早く助けなきゃ!)
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「うう...」
その男は意識がはっきりしていない。
「今なら助けられる...?」
「...あなた、は?」
必死の看病により、目を覚ましかけの男。
黒羽にとっては王子だった。
「...私は黒羽。私のこと、覚えててくださいね...」
人魚は人間に姿を見られてはならない。
そのため、子守唄を歌いだす...。
黒羽は泣く泣く王子から離れた。
...勿忘草を残して。
『イケメンだわ!素敵~!』
(確かに、かっこいい人だったな...)
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「~♪」
今日も黒羽は歌う。
海の歌姫とよばれるほどの彼女の歌声は、魚たちをも惹きつける歌だった。
『今日も素敵!』『もっと聞かせてくれよ!』
歌うのが好きだった。
でも...
(あの人に会いたい...)
毎日そう願うようになった。
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「へえ...それで人間に会いたいってか」
「お願いします、魔王。どうしても、会いたいんです...」
海の魔王に願った。
「それならこれを飲むといい。人間になれる。ただし、その足はきっと、走れるようにはならないだろう。それでもいいかい?」
「...かまいません!あの人への愛を忘れないなら、一目会えるなら!」
「...よろしい」
魔王の悲しそうな顔を見ずに黒羽は薬を飲んだ...。
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「あなた...。あの子に呪いをかけました」
魔女は言う。
「おい!何を勝手なことを...」
「果たして、あの子は呪いに堪えられるかな?」
魔女の高笑いと魔王の後悔の声が響いた。
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「...い」
「...大丈夫?」
「ん...」
黒羽が目を覚ますと、男性がたくさんいた。
「...誰、ですか?ここは...」
♪「病室だよ。僕は青海 錬(おうみ れん)。君が倒れていたから病院に連れてきたんだ」
☆「俺は黄乃本 遥(きのもと はるか)だ。ここは俺が所有する病院だ」
青海さんは優しそうな人だ。
黄乃本さんは...お金持ちの方らしい。
○「...遥様の秘書、白鳥 雪(しらとり せつ)と申します。勝手ながら洋服をご用意させていただきました」
無口な人だと思う。
(あれ...?)
そういえば、さっきから思い出せないことがある。
(王子様の顔、どんなだったっけ?)
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「うっ...」
(足が痛い...!)
♪ 「...っと!走れない?足、痛む?」
「...すいません、足が...」
♪ 「敬語なんていいよ!錬ってよんで」
「...じゃあ、ありがとう、錬」
優しい人だな、と思う。
☆ 「俺たちのこともそういう扱いにしろ」
「でも、偉い人なんじゃ...」
○ 「いいからそうしてください。昔から遥様は一度言い出すとききませんから」
「それなら、よろしくね」
ふわりと笑う黒羽。
3人 「...!」
「...?」
☆ 「おまえ、家は?」
「...帰る場所、ない」
♪「なっ...!?それはダメだよ、僕の家においでよ」
☆「俺が預かろうか?」
○「...私のところはいかがでしょう?」
3人から言い寄られて、黒羽は困ってしまった。
(王子様のことを思い出せない以上、誰かにお世話になるしかないか...)
黒羽が1番気になった相手は...
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