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仲間
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一言発したのと同時に立ちあがり、そのまま全力で走り続ける。
「化け物の味方をするなら、君だって化け物ってことでいいね?」
「おまえは本当に変わってないんだな」
向こうは俺のことなんてきっと覚えていない。
覚えていたとしても、それが何になる?
「君は守る技が多いのかな?そんなによそ見していたら…ほら!」
今度や弓矢のような細いものが飛んでくる。
ただ、それは鈴の音と同時に消えていった。
この音は、病院の一件を解決したときにもらったものだ。
「まったく、一体いくつ持っているのやら」
少し距離を稼げた俺は、鞄から手当たり次第に出会った証として大切にしていたものを取り出す。
鞄から落ちそうになったミサンガには与一さんにもらった鈴のついた髪紐を結んで阻止した。
それから更に3人から離れると、相手は羅針盤のような道具を取り出す。
「やめろ!」
相手に近づいて蹴り上げると同時に、槍が刺さった方の足を思いきり蹴飛ばされた。
「う…!」
「ほら、一応痛いんだろう?早く降参しないと両足ともなくなるかもしれないな」
痛みのあまり立ちあがれない。
今度こそ本気でやられる…目を閉じようとしたけど、真っ直ぐ相手の方を見つめる。
「…反論があるなら聞いてやるけど、何かある?」
「おまえは間違ってる。少なくとも、俺からすれば正しくない」
「俺は俺の正義を貫くのみ。君にその覚悟はある?」
矢が飛んできたら鞄を前に出すしかない。
「次は本気でいくよ」
あれでまだ本気じゃなかったなんて完全に予想外だ。
だけど、僕はあのときとは違う。
鞄を思いきり突き出すと、鈴の音がふたつ鳴った。
「まさかまだそんな力が残っていたなんてね」
「俺は負けるわけにはいかない」
「いや、君は負けるんだよ」
目をぎらぎらさせて向かってくる男に視線を向けたまま質問してみる。
「…どうして噂を書き換えてみんなに迷惑をかけたんだ」
答えなんて返ってこないと思っていたのに、相手から満面の笑みを向けられる。
「そんなもの決まっているだろう。…もっと名をあげて祓い屋としても成長するためだ」
「それなら悪いものだけ祓っていればいいじゃないか。どうして何も悪いことをしていない人たちまで巻きこむんだよ」
今度こそ答えが返ってくることはなく、手のすぐ近くに矢が突き刺さる。
「怪異なんてみんな悪いものなんだ。どうせ祓うことになるなら、善し悪しなんて関係ないだろう?」
「おまえの方が化け物だ」
その一言が火をつけた…そう思ったときにはもう遅かった。
「失せろ化け物」
フードからあの男の表情は見えないが、どう思っているかはなんとなく分かる。
瑠璃たちは逃げ切れただろうか。
それならいいんだ。俺がここで殺されてしまったとしても、みんなならきっとやっていける。
『こちらへどうぞ』
「え?」
ふと顔をあげたときに俺がいたのは、名もなき美術館の中だった。
「化け物の味方をするなら、君だって化け物ってことでいいね?」
「おまえは本当に変わってないんだな」
向こうは俺のことなんてきっと覚えていない。
覚えていたとしても、それが何になる?
「君は守る技が多いのかな?そんなによそ見していたら…ほら!」
今度や弓矢のような細いものが飛んでくる。
ただ、それは鈴の音と同時に消えていった。
この音は、病院の一件を解決したときにもらったものだ。
「まったく、一体いくつ持っているのやら」
少し距離を稼げた俺は、鞄から手当たり次第に出会った証として大切にしていたものを取り出す。
鞄から落ちそうになったミサンガには与一さんにもらった鈴のついた髪紐を結んで阻止した。
それから更に3人から離れると、相手は羅針盤のような道具を取り出す。
「やめろ!」
相手に近づいて蹴り上げると同時に、槍が刺さった方の足を思いきり蹴飛ばされた。
「う…!」
「ほら、一応痛いんだろう?早く降参しないと両足ともなくなるかもしれないな」
痛みのあまり立ちあがれない。
今度こそ本気でやられる…目を閉じようとしたけど、真っ直ぐ相手の方を見つめる。
「…反論があるなら聞いてやるけど、何かある?」
「おまえは間違ってる。少なくとも、俺からすれば正しくない」
「俺は俺の正義を貫くのみ。君にその覚悟はある?」
矢が飛んできたら鞄を前に出すしかない。
「次は本気でいくよ」
あれでまだ本気じゃなかったなんて完全に予想外だ。
だけど、僕はあのときとは違う。
鞄を思いきり突き出すと、鈴の音がふたつ鳴った。
「まさかまだそんな力が残っていたなんてね」
「俺は負けるわけにはいかない」
「いや、君は負けるんだよ」
目をぎらぎらさせて向かってくる男に視線を向けたまま質問してみる。
「…どうして噂を書き換えてみんなに迷惑をかけたんだ」
答えなんて返ってこないと思っていたのに、相手から満面の笑みを向けられる。
「そんなもの決まっているだろう。…もっと名をあげて祓い屋としても成長するためだ」
「それなら悪いものだけ祓っていればいいじゃないか。どうして何も悪いことをしていない人たちまで巻きこむんだよ」
今度こそ答えが返ってくることはなく、手のすぐ近くに矢が突き刺さる。
「怪異なんてみんな悪いものなんだ。どうせ祓うことになるなら、善し悪しなんて関係ないだろう?」
「おまえの方が化け物だ」
その一言が火をつけた…そう思ったときにはもう遅かった。
「失せろ化け物」
フードからあの男の表情は見えないが、どう思っているかはなんとなく分かる。
瑠璃たちは逃げ切れただろうか。
それならいいんだ。俺がここで殺されてしまったとしても、みんなならきっとやっていける。
『こちらへどうぞ』
「え?」
ふと顔をあげたときに俺がいたのは、名もなき美術館の中だった。
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