41 / 78
Page12
しおりを挟む
「おまたせしました!」
なかなかバスが来なくて時間がかかっちゃったけど、誰も私たちを責めないでいてくれた。
「大丈夫大丈夫!そもそも今日は休みなんだし、もっとゆっくりでもよかったくらい」
「夕飯まだなら一緒に食べましょう。丁度完成したところなの」
「ありがとうございます」
まだ渡せるタイミングじゃなさそうだから、用意してくれていた夕飯をありがたくいただくことにした。
「いただきます」
カレーは少し甘めで食べやすいし、スープは野菜たっぷりで美味しい。
「…どう?口に合わなかったら遠慮なく言って」
「いえ、とっても美味しいです!…ね、白露」
《…こういう料理もあるのか》
「白露、カレー食べたことなかったの?」
《食事を摂ること自体なかったからな》
「そうなんだ。…あ、じゃあこれは?このおせんべい、すっごく美味しいんだって」
瞬君からもらった真っ白なせんべいを一口食べて、白露はまた驚いた様子だった。
和菓子より洋菓子を食べることの方が多いから、せんべいを口に入れること自体が初めてなんだろう。
《…悪くない》
「でしょ?僕も好きなんだ、こういうの」
「ちび、そのせんべいって駅前のやつか?」
「多分そうだと思う。…よく知らないけどね」
美味しくご飯を食べているうちに桜良先輩が席を立つ。
「あ、桜良先輩」
「…?どうかしたの?」
「これ、よかったら受け取ってください」
「ありがとう。今夜の夜仕事が終わったら開けてみる」
「ふたりにも買ってきたよ。どうぞ」
「「ありがとう!」」
桜良先輩から放送室に辿り着いたと連絡がきたところで、早速新校舎の見回りをはじめた。
「今夜は妖が多いね」
「おまえもそう思う?新校舎でこれだもんな…」
ポケットで何かが揺れるのを感じてスマホを見ると、お姉ちゃんから連絡がきていた。
【今来ている学園で流行っている噂があるから念のため伝えておく】
似たような内容の噂が流行っているみたいで、グループチャットを見た陽向君が苦笑していた。
「両方に繋がりがあるのかないのか…」
「どのみちまずいんじゃない?」
「放ってはおけないし、しっかり調べた方がいいんだろうけどな…」
陽向君はそう言って足を止める。
「白露、穂乃ちゃん連れて放送室まで走ってくれる?」
《…了解した》
「え?」
「大丈夫。後で追いつくから」
訳が分からないまま白露に抱きかかえられて、そのまま風のような速さで移動する。
何かいたのかもしれないし、やらないといけないことがあったのかもしれない。
はっきりしたことは分からないけど、このまま逃げていいのか分からなかった。
なかなかバスが来なくて時間がかかっちゃったけど、誰も私たちを責めないでいてくれた。
「大丈夫大丈夫!そもそも今日は休みなんだし、もっとゆっくりでもよかったくらい」
「夕飯まだなら一緒に食べましょう。丁度完成したところなの」
「ありがとうございます」
まだ渡せるタイミングじゃなさそうだから、用意してくれていた夕飯をありがたくいただくことにした。
「いただきます」
カレーは少し甘めで食べやすいし、スープは野菜たっぷりで美味しい。
「…どう?口に合わなかったら遠慮なく言って」
「いえ、とっても美味しいです!…ね、白露」
《…こういう料理もあるのか》
「白露、カレー食べたことなかったの?」
《食事を摂ること自体なかったからな》
「そうなんだ。…あ、じゃあこれは?このおせんべい、すっごく美味しいんだって」
瞬君からもらった真っ白なせんべいを一口食べて、白露はまた驚いた様子だった。
和菓子より洋菓子を食べることの方が多いから、せんべいを口に入れること自体が初めてなんだろう。
《…悪くない》
「でしょ?僕も好きなんだ、こういうの」
「ちび、そのせんべいって駅前のやつか?」
「多分そうだと思う。…よく知らないけどね」
美味しくご飯を食べているうちに桜良先輩が席を立つ。
「あ、桜良先輩」
「…?どうかしたの?」
「これ、よかったら受け取ってください」
「ありがとう。今夜の夜仕事が終わったら開けてみる」
「ふたりにも買ってきたよ。どうぞ」
「「ありがとう!」」
桜良先輩から放送室に辿り着いたと連絡がきたところで、早速新校舎の見回りをはじめた。
「今夜は妖が多いね」
「おまえもそう思う?新校舎でこれだもんな…」
ポケットで何かが揺れるのを感じてスマホを見ると、お姉ちゃんから連絡がきていた。
【今来ている学園で流行っている噂があるから念のため伝えておく】
似たような内容の噂が流行っているみたいで、グループチャットを見た陽向君が苦笑していた。
「両方に繋がりがあるのかないのか…」
「どのみちまずいんじゃない?」
「放ってはおけないし、しっかり調べた方がいいんだろうけどな…」
陽向君はそう言って足を止める。
「白露、穂乃ちゃん連れて放送室まで走ってくれる?」
《…了解した》
「え?」
「大丈夫。後で追いつくから」
訳が分からないまま白露に抱きかかえられて、そのまま風のような速さで移動する。
何かいたのかもしれないし、やらないといけないことがあったのかもしれない。
はっきりしたことは分からないけど、このまま逃げていいのか分からなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる