122 / 133
終幕
覚悟と勇気☆
しおりを挟む
「は...?」
その場がしん、として、静寂が流れる。
...本当は怖い。怖くて仕方がない。
けれど、それでも私は言葉を続けた。
「私にとっての友人というのは、見た目じゃなくて中身を見てくれる人で...人の悪口を言って楽しむ相手のことじゃない」
「千夜?いきなりどうしてそんなことを、」
「舞花。私は、可哀想なんかじゃないし、あなたの引き立て役じゃない」
「...!」
舞花は本当に何も知らなかったと思っていたようで、動揺しはじめた。
「違うの、千夜が可哀想だっていう意味じゃなくて、ただ独りで可哀想だなっていう意味で、」
「言ってること、矛盾してる。私は独りだった。舞花にとっての私が引き立て役だと分かったときからずっと...」
息を呑む気配がするけれど、それでも言葉を続ける。
「でも、今の私にはこんなにも優しい人がいて、友だちも、恋人も、カフェの人たちも...大切な人が沢山できたよ」
震えそうになるのを必死に堪えながら、思いきり告げた。
「舞花とはもう一緒にいられない。私は、無価値な私を理解しようとしてくれて、色々な優しさを持っている人たちと生きていく。今までありがとう」
黙っていた舞花が口を開いた。
「...どうして?あんなに優しくしてあげたのに、人気者の私が一緒にいてあげたのに、暗いあなたを側においてあげたのに、どうしてそんなこと言うの!?」
大声で言われて、肩がびくっとはねる。
けれど、ここで引き下がるわけにはいかない。
「本当に友だちだと思ってるなら、私の友だちを傷つけたりしない。...舞花に悪気がないのは分かってるけど、私はすごく傷ついた」
傷つけられたから傷つける、なんていうやり方はしない。
今日ここで、全てを終わらせる。
私はもう、独りじゃないから。
「沢山考えて出した答えだから。...もう話すことはない。お願いだから、私に関わらないで。それから、どれだけ私を傷つけてもいいけど周りの人を傷つけるのは許さない」
...喉が渇いてくるのが分かる。
限界が近いのに、舞花と取り巻きは下がる気配がない。
(染さんにちゃんと謝りたいし、早く呑まないと...)
「おまえ、舞花に何言い出すんだよ!」
拳が飛んでくるのが見える。
(...駄目、避けられない...)
殴ろうと飛んできていた手が宙で止まる。
私の後ろから手が伸びてきているのが目にはいる。
「さっきから黙って聞いてたけど、いてあげたなんて言ってる時点でそれは友だちじゃない」
振り返ると、そこには真昼が立っていた。
その場がしん、として、静寂が流れる。
...本当は怖い。怖くて仕方がない。
けれど、それでも私は言葉を続けた。
「私にとっての友人というのは、見た目じゃなくて中身を見てくれる人で...人の悪口を言って楽しむ相手のことじゃない」
「千夜?いきなりどうしてそんなことを、」
「舞花。私は、可哀想なんかじゃないし、あなたの引き立て役じゃない」
「...!」
舞花は本当に何も知らなかったと思っていたようで、動揺しはじめた。
「違うの、千夜が可哀想だっていう意味じゃなくて、ただ独りで可哀想だなっていう意味で、」
「言ってること、矛盾してる。私は独りだった。舞花にとっての私が引き立て役だと分かったときからずっと...」
息を呑む気配がするけれど、それでも言葉を続ける。
「でも、今の私にはこんなにも優しい人がいて、友だちも、恋人も、カフェの人たちも...大切な人が沢山できたよ」
震えそうになるのを必死に堪えながら、思いきり告げた。
「舞花とはもう一緒にいられない。私は、無価値な私を理解しようとしてくれて、色々な優しさを持っている人たちと生きていく。今までありがとう」
黙っていた舞花が口を開いた。
「...どうして?あんなに優しくしてあげたのに、人気者の私が一緒にいてあげたのに、暗いあなたを側においてあげたのに、どうしてそんなこと言うの!?」
大声で言われて、肩がびくっとはねる。
けれど、ここで引き下がるわけにはいかない。
「本当に友だちだと思ってるなら、私の友だちを傷つけたりしない。...舞花に悪気がないのは分かってるけど、私はすごく傷ついた」
傷つけられたから傷つける、なんていうやり方はしない。
今日ここで、全てを終わらせる。
私はもう、独りじゃないから。
「沢山考えて出した答えだから。...もう話すことはない。お願いだから、私に関わらないで。それから、どれだけ私を傷つけてもいいけど周りの人を傷つけるのは許さない」
...喉が渇いてくるのが分かる。
限界が近いのに、舞花と取り巻きは下がる気配がない。
(染さんにちゃんと謝りたいし、早く呑まないと...)
「おまえ、舞花に何言い出すんだよ!」
拳が飛んでくるのが見える。
(...駄目、避けられない...)
殴ろうと飛んできていた手が宙で止まる。
私の後ろから手が伸びてきているのが目にはいる。
「さっきから黙って聞いてたけど、いてあげたなんて言ってる時点でそれは友だちじゃない」
振り返ると、そこには真昼が立っていた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる