19 / 33
18枚目
しおりを挟む
結さんを独りにしたくなかったが、単位が足りなくならないようにと行くことを勧められてしまった。
あの場所へは寄らず学校へ向かう。
……上履きがない。
「また来たよあいつ」
「やば、逃げろ逃げろ」
ゲラゲラ愉しそうに嗤うそいつらのことも気にならないほど、結さんのことが気にかかる。
机の落書きも気にならず、いつも以上に笑顔を貼り付けて対応した。
だが、どうしても無視できないことというのは存在する。
ロッカーを開けた瞬間、腐った弁当が出てきた。
コンビニで買ったものだろう。
どこでこんなものを手に入れたんだろうか。
片づけようとしたが、指先に力が入らない。
「なにあの手、ウケる」
結さんの言葉を借りるなら、僕の手札は最悪だったらしい。
容姿、環境、才能……どの手札も持っていない状態で助けを求めても、人間は鼻で笑って去っていく。
そんな世界にどうやって救いを求めろっていうんだ。
時間をかけてゴミをまとめ、そのまま真昼の外へ繰り出す。
もうどうでもいい。やっぱり頑張れない。
こんな世界、息ができない。
プラスに触れることも、いいこともなかった。
だからもういいじゃないか。
「よろけたんだけど」
「さっさと消えてくださーい」
乗り越えられることしか起こらない?頑張れ?……そんなの、苦難の山を遭難せず乗り越えられた奴等の戯言じゃないか。
そこら辺の死体を見ることなく辿り着いた人。死体蹴りをしていた人もいたかもしれない。
「ちっ、なんでいるのよ」
「……」
一旦荷物を取りに戻っただけでこれだ。
二度と戻らないつもりで急いで脱出する。
神様は僕に何も与えてくれなかった。だから僕も、もうこれ以上残念な生き恥を晒したくない。
──誰の掌の上でも踊ってやらない。
あの場所へは寄らず学校へ向かう。
……上履きがない。
「また来たよあいつ」
「やば、逃げろ逃げろ」
ゲラゲラ愉しそうに嗤うそいつらのことも気にならないほど、結さんのことが気にかかる。
机の落書きも気にならず、いつも以上に笑顔を貼り付けて対応した。
だが、どうしても無視できないことというのは存在する。
ロッカーを開けた瞬間、腐った弁当が出てきた。
コンビニで買ったものだろう。
どこでこんなものを手に入れたんだろうか。
片づけようとしたが、指先に力が入らない。
「なにあの手、ウケる」
結さんの言葉を借りるなら、僕の手札は最悪だったらしい。
容姿、環境、才能……どの手札も持っていない状態で助けを求めても、人間は鼻で笑って去っていく。
そんな世界にどうやって救いを求めろっていうんだ。
時間をかけてゴミをまとめ、そのまま真昼の外へ繰り出す。
もうどうでもいい。やっぱり頑張れない。
こんな世界、息ができない。
プラスに触れることも、いいこともなかった。
だからもういいじゃないか。
「よろけたんだけど」
「さっさと消えてくださーい」
乗り越えられることしか起こらない?頑張れ?……そんなの、苦難の山を遭難せず乗り越えられた奴等の戯言じゃないか。
そこら辺の死体を見ることなく辿り着いた人。死体蹴りをしていた人もいたかもしれない。
「ちっ、なんでいるのよ」
「……」
一旦荷物を取りに戻っただけでこれだ。
二度と戻らないつもりで急いで脱出する。
神様は僕に何も与えてくれなかった。だから僕も、もうこれ以上残念な生き恥を晒したくない。
──誰の掌の上でも踊ってやらない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる