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20枚目
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まさか意味がしっかり伝わってしまうとは思わなかった。
「お金は僕も出します」
「なら、ふたりのお金で旅しようよ。それでいいんじゃないかな?」
「分かりました」
学校にはもう休むと伝えてきたため問題ない。
荷物と用意は殆ど終わっているし……そうだ。
「電話?」
「いえ、メッセージを少し」
あの家の人間たちに連絡を入れる。
【しばらく友達のところにいます】
一応しておかなければ、結さんに迷惑がかかってしまうから。
「私も荷物するから、もうちょっと待ってくれる?」
「勿論です。今日は調べて明日からということにして……ここに泊まってもいいですか?」
「大歓迎だよ」
まさかこんなに喜びを感じるとは、一体誰が予想できただろう。
命の終え方を話しているというのに、やっと解放されると思ったら笑みがこぼれる。
「疲れてたんだね、お互い」
「そうですね。自分でも予想していなかった感情が浮かびます」
「結構物騒な会話なのにね」
「はい、本当に」
たとえ誰かが気づいて事件になったとしても、どうせ3日もすれば世界からも忘れ去られる。
そのくらいの小さなことになるならそれでいいじゃないか。
「この場所に来るの、本当に楽しかったです」
「ありがとう。私も蓮が来てくれてよかった」
この世界ではもうもがけない。
次なんて望まないし、そのまま消えてなくなりたい。
少なくとも、僕の周りはそう望んでいる。
「明日、楽しみだね」
「はい」
「お金は僕も出します」
「なら、ふたりのお金で旅しようよ。それでいいんじゃないかな?」
「分かりました」
学校にはもう休むと伝えてきたため問題ない。
荷物と用意は殆ど終わっているし……そうだ。
「電話?」
「いえ、メッセージを少し」
あの家の人間たちに連絡を入れる。
【しばらく友達のところにいます】
一応しておかなければ、結さんに迷惑がかかってしまうから。
「私も荷物するから、もうちょっと待ってくれる?」
「勿論です。今日は調べて明日からということにして……ここに泊まってもいいですか?」
「大歓迎だよ」
まさかこんなに喜びを感じるとは、一体誰が予想できただろう。
命の終え方を話しているというのに、やっと解放されると思ったら笑みがこぼれる。
「疲れてたんだね、お互い」
「そうですね。自分でも予想していなかった感情が浮かびます」
「結構物騒な会話なのにね」
「はい、本当に」
たとえ誰かが気づいて事件になったとしても、どうせ3日もすれば世界からも忘れ去られる。
そのくらいの小さなことになるならそれでいいじゃないか。
「この場所に来るの、本当に楽しかったです」
「ありがとう。私も蓮が来てくれてよかった」
この世界ではもうもがけない。
次なんて望まないし、そのまま消えてなくなりたい。
少なくとも、僕の周りはそう望んでいる。
「明日、楽しみだね」
「はい」
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