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第27話✓
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「本心を口にするのが怖い子なのかもしれないな。あくまで通信制担任の位置から見た話だけど」
翌日の夜、りっ君は登校した俺の相談に乗ってくれた。
桜雪ちゃんの落ちこんだ表情が頭から離れない。
「りっ君はどのくらい話したの?」
「後期生は毎週朝のホームルームを開く決まりがあるから、授業がなくても出てきてる。
その度にどの教科を受けるかとか、やってみたいことはないかとか、そういう日常会話をする程度だ」
「そっか…」
「やっぱりみいに似てるな、八坂は」
りっ君にいつもそう言われるけど自覚がない。
桜雪ちゃんは放っておくと雪みたいに消えてしまいそうで、なんだか放っておけなくなる。
人のことをよく見ている人だとは思うけど、自分のことを大切にしていない気がしてしまうのだ。
それが難しいのは分かるけど、自分を否定する気持ちがかなり強いと思う。
「俺はあんな繊細さを持ってないよ」
「みいがそう思ってるだけで、周りから見たおまえは繊細だよ。…相当無理してた時期もあるだろ?」
ここで言葉を濁してくれるのがりっ君だ。
だから安心して話せるのかもしれない。…昔も今も、この人なら大丈夫だって思える。
「そろそろ授業だ。準備できてるか?」
「大丈夫です」
真島先生の授業は楽しい。
そのおかげで、苦手教科ではあるもののなんとかついていけている。
先生より先に教室に戻って、若干真面目な学生のふりをした。
「出席をとります。欠席連絡を送れなかった人の事情を知っている人がいれば教えてください」
「隣の席の人、妹が体調崩したって言ってました」
「1番左前の席の人はバイトのシフト調整ができなかったって言ってました」
「ありがとう。みなさんが教えてくれるのでとても助かります。…ところで、課題やってきてくれた?」
清楚系教師の仮面を被った真島先生を見て、笑いを堪えながら手話の本を開く。
桜雪ちゃんの指の動きを理解できれば、もっと話ができるかもしれない。
それと、もうひとつ気になっていることがある。
「…乾燥予防?」
夏どうだったかなんて覚えてないから分からないけど、いつもマスクをつけている気がする。
外すのは食事のときくらいで、飲み物を飲むときでさえマスクを外さないまま器用に飲んでいるのだ。
聞いてしまっていいものか悩んでいると、先生もばっちり目が合った。
「分からないところあった?」
「いえ、大丈夫です」
桜雪ちゃんの大丈夫は多分大丈夫じゃない。
本人は笑顔でいるつもりだったんだろうけど、全然笑っていなかった。
何を我慢していたのか、或いは何が彼女の顔を曇らせたのか知りたい。
「…考え事は授業の後にしろ」
りっ君に囁かれた言葉に小さく頷く。
それでも、悲しそうな顔をしていた桜雪ちゃんが頭から離れなかった。
翌日の夜、りっ君は登校した俺の相談に乗ってくれた。
桜雪ちゃんの落ちこんだ表情が頭から離れない。
「りっ君はどのくらい話したの?」
「後期生は毎週朝のホームルームを開く決まりがあるから、授業がなくても出てきてる。
その度にどの教科を受けるかとか、やってみたいことはないかとか、そういう日常会話をする程度だ」
「そっか…」
「やっぱりみいに似てるな、八坂は」
りっ君にいつもそう言われるけど自覚がない。
桜雪ちゃんは放っておくと雪みたいに消えてしまいそうで、なんだか放っておけなくなる。
人のことをよく見ている人だとは思うけど、自分のことを大切にしていない気がしてしまうのだ。
それが難しいのは分かるけど、自分を否定する気持ちがかなり強いと思う。
「俺はあんな繊細さを持ってないよ」
「みいがそう思ってるだけで、周りから見たおまえは繊細だよ。…相当無理してた時期もあるだろ?」
ここで言葉を濁してくれるのがりっ君だ。
だから安心して話せるのかもしれない。…昔も今も、この人なら大丈夫だって思える。
「そろそろ授業だ。準備できてるか?」
「大丈夫です」
真島先生の授業は楽しい。
そのおかげで、苦手教科ではあるもののなんとかついていけている。
先生より先に教室に戻って、若干真面目な学生のふりをした。
「出席をとります。欠席連絡を送れなかった人の事情を知っている人がいれば教えてください」
「隣の席の人、妹が体調崩したって言ってました」
「1番左前の席の人はバイトのシフト調整ができなかったって言ってました」
「ありがとう。みなさんが教えてくれるのでとても助かります。…ところで、課題やってきてくれた?」
清楚系教師の仮面を被った真島先生を見て、笑いを堪えながら手話の本を開く。
桜雪ちゃんの指の動きを理解できれば、もっと話ができるかもしれない。
それと、もうひとつ気になっていることがある。
「…乾燥予防?」
夏どうだったかなんて覚えてないから分からないけど、いつもマスクをつけている気がする。
外すのは食事のときくらいで、飲み物を飲むときでさえマスクを外さないまま器用に飲んでいるのだ。
聞いてしまっていいものか悩んでいると、先生もばっちり目が合った。
「分からないところあった?」
「いえ、大丈夫です」
桜雪ちゃんの大丈夫は多分大丈夫じゃない。
本人は笑顔でいるつもりだったんだろうけど、全然笑っていなかった。
何を我慢していたのか、或いは何が彼女の顔を曇らせたのか知りたい。
「…考え事は授業の後にしろ」
りっ君に囁かれた言葉に小さく頷く。
それでも、悲しそうな顔をしていた桜雪ちゃんが頭から離れなかった。
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