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第28話
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「お疲れ様でした」
一旦校舎を出たところでりっ君が追いかけてきた。
「俺も帰る」
「今日は残らなくていいの?」
「やること終わったから帰れる」
いつもはひとりでバイクを走らせる道を、りっ君と歩いて帰るなんて不思議な気分だ。
「バイクで来てるなら引き止めなきゃよかったな」
「そんなことないよ。俺もりっ君と話したかったから…」
りっ君はもう真島先生の顔をしていない。
そのことにほっとしていると、いきなり質問をぶつけられた。
「みいは、八坂とどういう関係になりたいんだ?」
「実は、自分でもよく分かってないんだ。最初はただ助けになりたいと思ってたんだけど、今はちょっと違う気がする」
上手く言葉にできなくて困らせてしまったかもしれないけど、これが正直な気持ちだ。
友人でいたいというのもあるけど、友人だって名乗っていいのか分からない。
「なら、友人として助言しておく。相手を知るってことは、その分自分を知られるかもしれないってことだ。
…相手の心に踏みこむなら自分の問題にも踏みこまれる覚悟をしておけ」
「そうだね。…ありがとうりっ君」
俺が抱えているものを知っているからこそ、りっ君はこんなふうに言うんだろう。
マンションの下までついたところでエレベーターに乗る。
「みいは708号室だったか」
「うん。りっ君は1011号室だよね?リッチ…」
「また今度遊びに来い。それまでに片づけておくから」
「ありがたく行かせてもらうね」
たまたま住んでいるマンションが同じだと知ったときは驚いた。
だけど、こういう帰り道も悪くない。…寧ろ楽しいって思う。
桜雪ちゃんのことはまだ分からないけど、もっと近づく前にある程度踏みこまれる覚悟を決めたい。
そうすればきっと、今より仲良くなれるはずだから。
…翌朝、ふらっと寄ったコンビニで見覚えのある姿を見つける。
「桜雪ちゃ…」
「口があるならはっきり言わないと分かりませんよ~?」
震える手でホットスナックを指さしている桜雪ちゃんと、けらけら笑うおばさん店員たち。
鞄からメモを出そうとしている彼女の表情は、横から確認しただけで傷ついていると分かった。
「こっちのチキンと焼き鳥、唐揚げのセットをください。会計は俺が払うので」
「……!」
気づいたときには桜雪ちゃんの手をやんわり押さえて、自分が持っていたおにぎりを投げるようにレジへ突き出していた。
名札をしっかり確認して、満面の笑みで支払いをすませる。
「ごめんね、遅くなっちゃって…。公園じゃ寒いから俺の家においで」
桜雪ちゃんはずっと吃驚している様子だったけど、俺の言葉に素直に頷く。
気まずそうにしている新人店員たちを置いて店を出た。
「ごめんね。もっとちゃんと助けられればよかったんだけど…」
首をぶんぶん横にふる桜雪ちゃんの手を握って、そのまま真っ直ぐエレベーターへ向かう。
「外だと寒いし、ひとりで食べるよりふたりで食べた方が美味しいから一緒に食べよう」
さっきから一言も話そうとしないのが気になったけど、右手が自然と話しているのが目にはいった。
【ごめんなさい。大丈夫。大丈夫…】
……大丈夫なわけないのに。
一旦校舎を出たところでりっ君が追いかけてきた。
「俺も帰る」
「今日は残らなくていいの?」
「やること終わったから帰れる」
いつもはひとりでバイクを走らせる道を、りっ君と歩いて帰るなんて不思議な気分だ。
「バイクで来てるなら引き止めなきゃよかったな」
「そんなことないよ。俺もりっ君と話したかったから…」
りっ君はもう真島先生の顔をしていない。
そのことにほっとしていると、いきなり質問をぶつけられた。
「みいは、八坂とどういう関係になりたいんだ?」
「実は、自分でもよく分かってないんだ。最初はただ助けになりたいと思ってたんだけど、今はちょっと違う気がする」
上手く言葉にできなくて困らせてしまったかもしれないけど、これが正直な気持ちだ。
友人でいたいというのもあるけど、友人だって名乗っていいのか分からない。
「なら、友人として助言しておく。相手を知るってことは、その分自分を知られるかもしれないってことだ。
…相手の心に踏みこむなら自分の問題にも踏みこまれる覚悟をしておけ」
「そうだね。…ありがとうりっ君」
俺が抱えているものを知っているからこそ、りっ君はこんなふうに言うんだろう。
マンションの下までついたところでエレベーターに乗る。
「みいは708号室だったか」
「うん。りっ君は1011号室だよね?リッチ…」
「また今度遊びに来い。それまでに片づけておくから」
「ありがたく行かせてもらうね」
たまたま住んでいるマンションが同じだと知ったときは驚いた。
だけど、こういう帰り道も悪くない。…寧ろ楽しいって思う。
桜雪ちゃんのことはまだ分からないけど、もっと近づく前にある程度踏みこまれる覚悟を決めたい。
そうすればきっと、今より仲良くなれるはずだから。
…翌朝、ふらっと寄ったコンビニで見覚えのある姿を見つける。
「桜雪ちゃ…」
「口があるならはっきり言わないと分かりませんよ~?」
震える手でホットスナックを指さしている桜雪ちゃんと、けらけら笑うおばさん店員たち。
鞄からメモを出そうとしている彼女の表情は、横から確認しただけで傷ついていると分かった。
「こっちのチキンと焼き鳥、唐揚げのセットをください。会計は俺が払うので」
「……!」
気づいたときには桜雪ちゃんの手をやんわり押さえて、自分が持っていたおにぎりを投げるようにレジへ突き出していた。
名札をしっかり確認して、満面の笑みで支払いをすませる。
「ごめんね、遅くなっちゃって…。公園じゃ寒いから俺の家においで」
桜雪ちゃんはずっと吃驚している様子だったけど、俺の言葉に素直に頷く。
気まずそうにしている新人店員たちを置いて店を出た。
「ごめんね。もっとちゃんと助けられればよかったんだけど…」
首をぶんぶん横にふる桜雪ちゃんの手を握って、そのまま真っ直ぐエレベーターへ向かう。
「外だと寒いし、ひとりで食べるよりふたりで食べた方が美味しいから一緒に食べよう」
さっきから一言も話そうとしないのが気になったけど、右手が自然と話しているのが目にはいった。
【ごめんなさい。大丈夫。大丈夫…】
……大丈夫なわけないのに。
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