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逆境を壊す
第51話*
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朝早くに目が覚めてしまった私は、できるだけ音をたてないように気をつけながら部屋を出る。
「……」
中の食材を勝手に使ったら迷惑になるかもしれないから、近くのコンビニで買い揃えることにした。
店員さんに挨拶して、目的のものを揃えて台所に立つ。
穂さんはいつもどのくらいの量を食べているんだろう。
コンビニごはんを食べたときのことを思い出しながらおかずを作った。
…といっても、卵焼きやかりかりに焼いたベーコンとわかめスープだけだ。
「おはよ…え、何この朝ご飯!?」
もしかして、やってはいけないことをしてしまっただろうか。
緊張していると、頭をわしわしと撫でられた。
「……?」
「これだけのものを用意するの大変だったでしょ?ごめん、普段から朝起きるの遅いから…」
「【ほとんど買ってきたものです。寧ろ勝手に台所を使ってしまって申し訳ないです】」
「朝ご飯、自分ひとりだと適当になりがちなんだ。だからこんなふうにおかずが並んでるのが嬉しくて…ありがとう。
コンビニおにぎりって美味しいし、サラダも手軽だからいいよね。けど、ひとりだとここまでしっかり食べようってならなかった。嬉しいな」
穂さんが笑ってくれるだけでいい。
そう思っていたけど、ちゃんと言葉にして伝えてもらえたのがすごく嬉しかった。
「いただきます。…うん、美味しい」
喜んでもらえたのがすごく嬉しい。
そういえば、昨日の夜苦しそうな顔をしていたのはどうしてだったんだろう。
美味しそうに食べてくれているのに、訊いていいことじゃない。
「桜雪は鮭が好きなんだね」
「【子どもっぽい?】」
「ううん。俺はいつも昆布ばかり食べてるし、ただ好きなんだろうなって思っただけ」
こんなふうに楽しい年末年始を過ごせたのはいつ以来だろう。
一緒にいて楽しいと思える相手が目の前にいることがすごく幸せだ。
「ごちそうさまでした」
あっという間に食べ終わって、食器を片づけようと立ちあがったところで後ろから手が伸びてくる。
「片づけは俺がやるよ。俺の家なのに全部やってもらうのは悪いし…」
「【私がやりたいんです】」
「ならふたりでやろう。その方が早いし楽しいよ」
穂さんの言葉はいつも温かい。
誰かがいる時間なんて考えられなかったから、今一緒にいられるだけでも奇跡だ。
「桜雪ちゃんのおかげで楽しい年越しができたよ」
「…!【私も楽しかったです】」
「そっか。楽しんでもらえたならよかった」
手話が伝わってほっとする。
お世話になりっぱなしだから近々何か返したいと思いながら、特に予定がないからどう過ごそうか考えていた。
「……」
中の食材を勝手に使ったら迷惑になるかもしれないから、近くのコンビニで買い揃えることにした。
店員さんに挨拶して、目的のものを揃えて台所に立つ。
穂さんはいつもどのくらいの量を食べているんだろう。
コンビニごはんを食べたときのことを思い出しながらおかずを作った。
…といっても、卵焼きやかりかりに焼いたベーコンとわかめスープだけだ。
「おはよ…え、何この朝ご飯!?」
もしかして、やってはいけないことをしてしまっただろうか。
緊張していると、頭をわしわしと撫でられた。
「……?」
「これだけのものを用意するの大変だったでしょ?ごめん、普段から朝起きるの遅いから…」
「【ほとんど買ってきたものです。寧ろ勝手に台所を使ってしまって申し訳ないです】」
「朝ご飯、自分ひとりだと適当になりがちなんだ。だからこんなふうにおかずが並んでるのが嬉しくて…ありがとう。
コンビニおにぎりって美味しいし、サラダも手軽だからいいよね。けど、ひとりだとここまでしっかり食べようってならなかった。嬉しいな」
穂さんが笑ってくれるだけでいい。
そう思っていたけど、ちゃんと言葉にして伝えてもらえたのがすごく嬉しかった。
「いただきます。…うん、美味しい」
喜んでもらえたのがすごく嬉しい。
そういえば、昨日の夜苦しそうな顔をしていたのはどうしてだったんだろう。
美味しそうに食べてくれているのに、訊いていいことじゃない。
「桜雪は鮭が好きなんだね」
「【子どもっぽい?】」
「ううん。俺はいつも昆布ばかり食べてるし、ただ好きなんだろうなって思っただけ」
こんなふうに楽しい年末年始を過ごせたのはいつ以来だろう。
一緒にいて楽しいと思える相手が目の前にいることがすごく幸せだ。
「ごちそうさまでした」
あっという間に食べ終わって、食器を片づけようと立ちあがったところで後ろから手が伸びてくる。
「片づけは俺がやるよ。俺の家なのに全部やってもらうのは悪いし…」
「【私がやりたいんです】」
「ならふたりでやろう。その方が早いし楽しいよ」
穂さんの言葉はいつも温かい。
誰かがいる時間なんて考えられなかったから、今一緒にいられるだけでも奇跡だ。
「桜雪ちゃんのおかげで楽しい年越しができたよ」
「…!【私も楽しかったです】」
「そっか。楽しんでもらえたならよかった」
手話が伝わってほっとする。
お世話になりっぱなしだから近々何か返したいと思いながら、特に予定がないからどう過ごそうか考えていた。
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