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逆境を壊す
第54話✓
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ご飯を食べながら、子猫のこゆきの頭を撫でる。
怖がらせないように気をつけながら、片づけられた部屋に目がいってしまう。
「……」
桜雪の安堵した表情にどきりとしながら、可愛いものに囲まれた机をぼんやり見る。
周りには、見覚えのあるものがいくつか飾られていた。
「あれって、一緒に猫展見たときに買った…綺麗に飾ってるんだね」
「【すごく楽しかったから、汚したくなくて…】」
なんだか心がくすぐったい。
「俺も鞄に入れて持ち歩いてるよ。時々学校で眺めてる」
ただのポストカードだと言われたらそれまでだけど、俺にとっても楽しかった思い出のひとつだ。
…これ以上長居したら迷惑だろう。
「今日、これからバイトなんだ。ごみは持って帰るね」
桜雪は首を横にふっていたけど、少しでも負担を減らしたい。
テーブルのごみをビニールに詰めて、真っ直ぐ玄関へ向かう。
「一緒にご飯を食べられて楽しかったよ。あと、初めて家に入れてもらえて嬉しかった」
「……!」
「またね」
こゆきを撫でて、桜雪の頭を撫でてその場を離れる。
このままだと心臓が持たないんじゃないかと思うほど、ずっとばくばくうるさい音をたてていた。
「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「ヘルプの人?来てもらえて助かるよ。早速で悪いんだけど、厨房の経験はある?」
「はい。基本的なものなら作れます」
「それじゃあ、接客と調理補助をお願いしようかな」
「分かりました」
実は休みの間だけ1日バイトを入れることがある。
特に理由があるわけではないが、外で体を動かしていた方が気楽にいられることもあるからかもしれない。
…それと、祝日や祭日に入ると日給が少し高くなっているというのもある。
「いらっしゃいませ。…あの、よければ俺の腕に掴まってください」
「ああ、ありがとね」
どんな人でも入りやすいようにをモットーにしているというこのお店では、たしかに色々なお客さんが楽しんでいらっしゃる。
人は美味しいものを食べると自然と笑顔になるって誰かが言ってたけど、今この場所でそれを体感した。
「あの、夏霧さん…」
「すみません。いいお店ですね」
「私もそう思います」
「10番テーブルお願いします」
「了解しました」
どたばた動き回っていると、あるイベントのお知らせが目に止まる。
【黒川主催!ミュージックフェス開催決定!】
「…そっか」
指先に痺れがはしったのを堪えながら、広告を見なかったことにする。
なんとか笑顔を作ったものの、ひきつったものになっていないか心配になった。
「ありがとうございました」
…今の笑顔、ひきつっていなかったかな。
怖がらせないように気をつけながら、片づけられた部屋に目がいってしまう。
「……」
桜雪の安堵した表情にどきりとしながら、可愛いものに囲まれた机をぼんやり見る。
周りには、見覚えのあるものがいくつか飾られていた。
「あれって、一緒に猫展見たときに買った…綺麗に飾ってるんだね」
「【すごく楽しかったから、汚したくなくて…】」
なんだか心がくすぐったい。
「俺も鞄に入れて持ち歩いてるよ。時々学校で眺めてる」
ただのポストカードだと言われたらそれまでだけど、俺にとっても楽しかった思い出のひとつだ。
…これ以上長居したら迷惑だろう。
「今日、これからバイトなんだ。ごみは持って帰るね」
桜雪は首を横にふっていたけど、少しでも負担を減らしたい。
テーブルのごみをビニールに詰めて、真っ直ぐ玄関へ向かう。
「一緒にご飯を食べられて楽しかったよ。あと、初めて家に入れてもらえて嬉しかった」
「……!」
「またね」
こゆきを撫でて、桜雪の頭を撫でてその場を離れる。
このままだと心臓が持たないんじゃないかと思うほど、ずっとばくばくうるさい音をたてていた。
「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「ヘルプの人?来てもらえて助かるよ。早速で悪いんだけど、厨房の経験はある?」
「はい。基本的なものなら作れます」
「それじゃあ、接客と調理補助をお願いしようかな」
「分かりました」
実は休みの間だけ1日バイトを入れることがある。
特に理由があるわけではないが、外で体を動かしていた方が気楽にいられることもあるからかもしれない。
…それと、祝日や祭日に入ると日給が少し高くなっているというのもある。
「いらっしゃいませ。…あの、よければ俺の腕に掴まってください」
「ああ、ありがとね」
どんな人でも入りやすいようにをモットーにしているというこのお店では、たしかに色々なお客さんが楽しんでいらっしゃる。
人は美味しいものを食べると自然と笑顔になるって誰かが言ってたけど、今この場所でそれを体感した。
「あの、夏霧さん…」
「すみません。いいお店ですね」
「私もそう思います」
「10番テーブルお願いします」
「了解しました」
どたばた動き回っていると、あるイベントのお知らせが目に止まる。
【黒川主催!ミュージックフェス開催決定!】
「…そっか」
指先に痺れがはしったのを堪えながら、広告を見なかったことにする。
なんとか笑顔を作ったものの、ひきつったものになっていないか心配になった。
「ありがとうございました」
…今の笑顔、ひきつっていなかったかな。
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