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Until the day when I get engaged.-The light which comes over darkness-
第17話
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ー*ー
クリスマスから一週間。
「ハッピーニューイヤー!」
ナタリーさんとベンさん、それにエリックさんがおうちにやってきて、ニューイヤーパーティーというものをすることになった。
(私、やったことがありません...)
カムイが私の方を見て、そっと飲み物を差し出してくれる。
「メル、はじめてなの?」
「はい、ごめんなさい...」
「謝らなくていいよ、ナタリーのハイテンションについていけない気持ちはよく分かるから」
「ちょっと、カムイ!」
私は思わず笑ってしまった。
「メルまで笑ってるし!」
「ナタリー、周りに合わせるのも大事な場合もあるだよ」
「...何故独り身の俺を呼んだ」
エリックさんがぽつりと呟いたのが聞こえて私はどうすればいいのか分からなくなってしまった。
「えっと、エリックさん」
「なんだ」
「...マフィン、食べますか?」
「ああ、いただこう」
(対応を間違えたかと思いました...)
ナタリーさんが開けたワインがほのかに香る。
「俺は白でないと飲まんぞ」
「白だから安心して!」
「ナタリー、酔わない程度にするだよ」
(そういえば)
私はふと思った。
「あの、みなさんっておいくつなんですか?」
「あたしは二十一、ベンは二十五だよ」
「俺は二十だ。と言ってもナタリーとは同級生だがな」
「そうなんですか⁉エリックさんはカムイと同い年なのかと思っていました」
「よく勘違いされるが、あいつの方が年下だよ」
「そうなんですね...」
そんな会話をしていると、背後で声が聞こえた。
「俺とメルだけ、お酒は飲めないね」
ー**ー
「カムイ」
「俺はまだ十八だし。この地域の成人って二十歳でしょ?飲んだら目の前のお巡りさんに捕まっちゃうからね」
「二十歳じゃない場所もあるんですか?」
(メルらしい質問だな)
「そうだよ。十八の場所もあるし、十六の場所もある。場所によって違うんだ」
「はじめて知りました...」
メルは可愛らしくて、まわりの料理を見て眼をキラキラさせている。
「じゃあ、メルとカムイはこれで。乾杯しましょう!」
ナタリーに手渡されたグラスには、透明な液体が入っていた。
(ミネラルウォーター、だよな?)
「それじゃあ、乾杯!」
俺は飲もうとして気づく。
(まずい、多分メルは...!)
「メル、それは」
そう言ったときにはもう遅かった。
メルは苦しそうに、かなり噎せていた。
ー*ー
「ゲホゲホ...」
舌がピリピリする。
(水だと思っていました...)
喉の奥まで苦しく感じる。
「メル、ごめん!俺も気づくのが遅くて...」
しゅわしゅわ、と音をたてている目の前の飲み物は、明らかに水ではなかった。
「メル、もしかして炭酸はじめてだった⁉ごめん、あたし全然気づかずに入れちゃった!」
「ナタリー、みんなが炭酸を飲めるわけじゃないんだよ」
「まったくだ」
カムイやエリックさんがナタリーさんの方を向いて色々言っている。
「わ、私は平気ですから...だから気にしないでください」
「メル、飲むならこっちにした方がいいよ」
カムイが差し出してくれたのは、アップルジュースだった。
「ありがとうございます」
「これは俺がもらうね」
カムイは炭酸をあっという間に飲み干してしまった。
「...おまえ」
ー**ー
「ん?なに、エリック」
「なに、じゃないだろ?炭酸苦手なはずなのに、そんなに飲んで平気なのか?」
(...今言ったらダメだろ)
こういう時に鈍感なのがエリックなのだ。
少し長い付き合いのなかで俺はよく知っている。
「ごめんなさい、カムイ。私のせいで...」
メルはしゅんとしている。
「あーあ、エリックがメルを落ちこませた!」
「そういうつもりでは」
「エリックももう少し言うタイミングを考えるだよ」
「いや、だから...」
(エリック)
俺の事を考えて言ってくれたのは分かる。
だが...
「メル、そんなに落ちこまなくても大丈夫だよ。俺だって炭酸飲めるようになりたいし、別に具合が悪くなるわけじゃないから、気にしないで?」
...俺は今、少しだけ嘘をついた。
炭酸はできれば飲みたくはない。
だがこうでも言わないと、メルはきっと落ちこんだままだろう。
「カムイ...ありがとうございます!」
メルはにこにこしている。
(よかった、元気になったみたいだ)
「エリック、心配してくれたことには感謝するけど...メルを悲しませるようなことは言わないでくれる?」
「悪かった、タイミングが悪かったな」
悪かった原因を即時割りだし、次から気をつけようと思う...それがエリックのすごいところだと俺は思っている。
「きみも、悪かったな」
「い、いえ...」
「あれあれ?ひょっとしてエリック、まだ女性になれてないの?」
「黙れナタリー」
「だって、メルはメルでしょ?名前で呼んであげればいいじゃない!きみとかおまえとか、そういうのじゃなくて...」
(名前は大切だとは思うけど、女性と話すのが苦手なエリックには難しいんじゃないか?)
俺がナタリーに言おうとしたとき、メルが先に言った。
「それは、個人の自由だと思います。でもたしかに、『きみ』だと距離があるように感じます...」
「...努力しよう」
「そういえば、メルっていくつなの?」
ナタリーが突然年齢の話を掘り返す。
「じ、十六です」
「十六⁉そんなに可愛いのに⁉」
「ナタリー、ちょっとうるさいだよ」
ベンに注意されながら、ナタリーは楽しそうにしていた。
(こうしてみんなで集まるのはすごく楽しい。でも...)
俺はメルにだけ聞こえるようにそっと囁いた。
「あとでふたりきりでもう一度お祝いしようか」
メルは恥ずかしそうに小さく頷いた。
クリスマスから一週間。
「ハッピーニューイヤー!」
ナタリーさんとベンさん、それにエリックさんがおうちにやってきて、ニューイヤーパーティーというものをすることになった。
(私、やったことがありません...)
カムイが私の方を見て、そっと飲み物を差し出してくれる。
「メル、はじめてなの?」
「はい、ごめんなさい...」
「謝らなくていいよ、ナタリーのハイテンションについていけない気持ちはよく分かるから」
「ちょっと、カムイ!」
私は思わず笑ってしまった。
「メルまで笑ってるし!」
「ナタリー、周りに合わせるのも大事な場合もあるだよ」
「...何故独り身の俺を呼んだ」
エリックさんがぽつりと呟いたのが聞こえて私はどうすればいいのか分からなくなってしまった。
「えっと、エリックさん」
「なんだ」
「...マフィン、食べますか?」
「ああ、いただこう」
(対応を間違えたかと思いました...)
ナタリーさんが開けたワインがほのかに香る。
「俺は白でないと飲まんぞ」
「白だから安心して!」
「ナタリー、酔わない程度にするだよ」
(そういえば)
私はふと思った。
「あの、みなさんっておいくつなんですか?」
「あたしは二十一、ベンは二十五だよ」
「俺は二十だ。と言ってもナタリーとは同級生だがな」
「そうなんですか⁉エリックさんはカムイと同い年なのかと思っていました」
「よく勘違いされるが、あいつの方が年下だよ」
「そうなんですね...」
そんな会話をしていると、背後で声が聞こえた。
「俺とメルだけ、お酒は飲めないね」
ー**ー
「カムイ」
「俺はまだ十八だし。この地域の成人って二十歳でしょ?飲んだら目の前のお巡りさんに捕まっちゃうからね」
「二十歳じゃない場所もあるんですか?」
(メルらしい質問だな)
「そうだよ。十八の場所もあるし、十六の場所もある。場所によって違うんだ」
「はじめて知りました...」
メルは可愛らしくて、まわりの料理を見て眼をキラキラさせている。
「じゃあ、メルとカムイはこれで。乾杯しましょう!」
ナタリーに手渡されたグラスには、透明な液体が入っていた。
(ミネラルウォーター、だよな?)
「それじゃあ、乾杯!」
俺は飲もうとして気づく。
(まずい、多分メルは...!)
「メル、それは」
そう言ったときにはもう遅かった。
メルは苦しそうに、かなり噎せていた。
ー*ー
「ゲホゲホ...」
舌がピリピリする。
(水だと思っていました...)
喉の奥まで苦しく感じる。
「メル、ごめん!俺も気づくのが遅くて...」
しゅわしゅわ、と音をたてている目の前の飲み物は、明らかに水ではなかった。
「メル、もしかして炭酸はじめてだった⁉ごめん、あたし全然気づかずに入れちゃった!」
「ナタリー、みんなが炭酸を飲めるわけじゃないんだよ」
「まったくだ」
カムイやエリックさんがナタリーさんの方を向いて色々言っている。
「わ、私は平気ですから...だから気にしないでください」
「メル、飲むならこっちにした方がいいよ」
カムイが差し出してくれたのは、アップルジュースだった。
「ありがとうございます」
「これは俺がもらうね」
カムイは炭酸をあっという間に飲み干してしまった。
「...おまえ」
ー**ー
「ん?なに、エリック」
「なに、じゃないだろ?炭酸苦手なはずなのに、そんなに飲んで平気なのか?」
(...今言ったらダメだろ)
こういう時に鈍感なのがエリックなのだ。
少し長い付き合いのなかで俺はよく知っている。
「ごめんなさい、カムイ。私のせいで...」
メルはしゅんとしている。
「あーあ、エリックがメルを落ちこませた!」
「そういうつもりでは」
「エリックももう少し言うタイミングを考えるだよ」
「いや、だから...」
(エリック)
俺の事を考えて言ってくれたのは分かる。
だが...
「メル、そんなに落ちこまなくても大丈夫だよ。俺だって炭酸飲めるようになりたいし、別に具合が悪くなるわけじゃないから、気にしないで?」
...俺は今、少しだけ嘘をついた。
炭酸はできれば飲みたくはない。
だがこうでも言わないと、メルはきっと落ちこんだままだろう。
「カムイ...ありがとうございます!」
メルはにこにこしている。
(よかった、元気になったみたいだ)
「エリック、心配してくれたことには感謝するけど...メルを悲しませるようなことは言わないでくれる?」
「悪かった、タイミングが悪かったな」
悪かった原因を即時割りだし、次から気をつけようと思う...それがエリックのすごいところだと俺は思っている。
「きみも、悪かったな」
「い、いえ...」
「あれあれ?ひょっとしてエリック、まだ女性になれてないの?」
「黙れナタリー」
「だって、メルはメルでしょ?名前で呼んであげればいいじゃない!きみとかおまえとか、そういうのじゃなくて...」
(名前は大切だとは思うけど、女性と話すのが苦手なエリックには難しいんじゃないか?)
俺がナタリーに言おうとしたとき、メルが先に言った。
「それは、個人の自由だと思います。でもたしかに、『きみ』だと距離があるように感じます...」
「...努力しよう」
「そういえば、メルっていくつなの?」
ナタリーが突然年齢の話を掘り返す。
「じ、十六です」
「十六⁉そんなに可愛いのに⁉」
「ナタリー、ちょっとうるさいだよ」
ベンに注意されながら、ナタリーは楽しそうにしていた。
(こうしてみんなで集まるのはすごく楽しい。でも...)
俺はメルにだけ聞こえるようにそっと囁いた。
「あとでふたりきりでもう一度お祝いしようか」
メルは恥ずかしそうに小さく頷いた。
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