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Until the day when I get engaged. -In linear light-
第45話
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ー**ー
今日はいよいよバレンタイン。
俺は誰よりも早起きをして、急いで材料を用意する。
(テンパリングに時間がかからないといいけど...)
俺はてきぱきと終わらせていく。
(よし、あとは固めて形に切れば終わりだ)
「カムイ...おはようございます」
「おはよう、メル」
俺は何事もなかったかのように振る舞う。
「ご飯、作りましょう」
「そうだね」
(バレなかった...よね?)
ドキドキしながら、俺は朝食の準備をした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お世話になりました!」
ナタリーはお辞儀する。
「こ、こちらこそ...」
メルが緊張したように言う。
「そんなに肩に力を入れないでよ!」
ぱしっ、と思いきりメルの背中を叩く。
「...っ」
メルは痛そうにしている。
あの怪力でやられたら当然か。
...いや、違う。メルの身体は...
「メル、包帯替えようか」
「はい」
「ナタリーは帰る準備して」
俺はメルの手を引き、ベッドルームへと入る。
「カムイ...?」
「メル、ちょっとだけ背中を見せてくれないかな?」
ー*ー
突然言われたので、私は少しだけ驚いた。
「いいですけど...」
私は着ていたブラウスのボタンを外し、中途半端に脱ぐ。
「ここ、痛かったんじゃない?」
それは、ナタリーさんにバシッとやられたところだ。
でも、痛い理由はそれではない。
「これだけ青痣になっていれば痛かったよね...」
カムイはそっと私の背中をさする。
「カムイっ、く、くすぐったいです」
「俺がもっと早くメルに出会えていたら、メルはこれだけ痛い思いをせずに済んだのにね...」
後ろからカムイの申し訳なさそうな声が聞こえてくる。
「もっと早くなんて、きっとないんですよ」
「メル...?」
「もしあの時、カムイに見つけてもらえなかったら、私は今もきっとマッチを売っていたと思います。もしかしたら、死んでしまっていたのかもしれません。だから...ありがとうございます、カムイ」
後ろから私の腰に腕がまわってくる。
その腕はとても優しく私の身体を抱きしめる。
「カムイ...?」
「本当にメルは優しいんだね」
「そうでしょうか?」
「うん」
しばらく心地よい沈黙がながれ、カムイが腕を解いた。
「もう大丈夫だから、服着て?」
「ごめんなさい!」
私は急いでボタンをとめる。
「多分この薬を飲めば、痛みがひくはずだよ」
私は少し体がビクリとはねた。
「く、薬ですか...?」
「もしかして、薬を飲むのは苦手?」
「うっ...」
言い当てられないように気をつけたつもりだった。
でも、やっぱりカムイには敵わない。
あっという間にバレてしまった。
(薬だけは...)
「苦いのが苦手なの?」
「...はい」
「じゃあ、飲ませてあげる」
「え...?飲ませてあげるって、」
どういう意味ですか、と聞く前にカムイが口づけてくる。
「んく...」
口のなかに何かが流れこんできて、私は飲みこんでしまう。
「...ね?ちゃんと飲めたでしょ?」
カムイのその一言で、何があったのかを理解した。
「...⁉恥ずかしいです...」
「ごめん、こうでもしないと飲んでくれないと思って」
「だからって...!」
「あ、そろそろナタリーを見送る時間だよ」
カムイが誤魔化すように言う。
「...はい」
私は急いで支度をする。
カムイが先に出たあと、私はトリュフを持っていく...。
ー**ー
「ごめんなさい!」
「ナタリー...。おいらこそ悪かっただよ」
二人が抱きあう姿を見て、俺もメルも少し感動していた。
「あの女性は誰だったの?」
「あの人は、おいらが迷子の子を見つけて、肩車してたらその子の親だっただよ。『感謝してます』って飛びつかれただよ...」
「そうだったの⁉」
ベンはよく子どもになつかれる。
出会った頃からそうだった。
ベンは本当に変わらない。
(一番変わったのは俺かな)
そんなことを考えながら、隣にいるメルの背中をそっと押す。
「チョコレート、渡しておいで」
「はい。...あの、ベンさん!その、作ったんです!食べてください」
「ありがとうだよ、お嬢さん」
メルは嬉しそうにしている。
「ベン。あたしも作ってみたの。...食べてみてくれる?」
「...分かっただよ」
ここはフォローを入れるべきか悩んでいると、メルが先に話しはじめた。
「ナタリーさん、一生懸命練習したんですよ」
ー*ー
どうしてもナタリーさんの気持ちが伝わるようにお手伝いしたくて。
「ナタリーさんは手が痛くなるくらい練習したんです!ベンさんに食べてほしくて、練習したんです。だから...」
「メル...」
「お嬢さんに言われなくてもちゃんと食べるだよ」
「よかったです!」
私はナタリーさんの役に立てただろうか。
「メル、あんまり二人の邪魔をしたらいけないから、もう行こう」
「そうですね。お二人とも、仲良く過ごしてくださいね!」
私はカムイと一緒に、エリックさんの家へと馬車で急ぐ。
(家に帰ったらカムイにアップルグラッセを渡しましょう)
今日はいよいよバレンタイン。
俺は誰よりも早起きをして、急いで材料を用意する。
(テンパリングに時間がかからないといいけど...)
俺はてきぱきと終わらせていく。
(よし、あとは固めて形に切れば終わりだ)
「カムイ...おはようございます」
「おはよう、メル」
俺は何事もなかったかのように振る舞う。
「ご飯、作りましょう」
「そうだね」
(バレなかった...よね?)
ドキドキしながら、俺は朝食の準備をした。
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「お世話になりました!」
ナタリーはお辞儀する。
「こ、こちらこそ...」
メルが緊張したように言う。
「そんなに肩に力を入れないでよ!」
ぱしっ、と思いきりメルの背中を叩く。
「...っ」
メルは痛そうにしている。
あの怪力でやられたら当然か。
...いや、違う。メルの身体は...
「メル、包帯替えようか」
「はい」
「ナタリーは帰る準備して」
俺はメルの手を引き、ベッドルームへと入る。
「カムイ...?」
「メル、ちょっとだけ背中を見せてくれないかな?」
ー*ー
突然言われたので、私は少しだけ驚いた。
「いいですけど...」
私は着ていたブラウスのボタンを外し、中途半端に脱ぐ。
「ここ、痛かったんじゃない?」
それは、ナタリーさんにバシッとやられたところだ。
でも、痛い理由はそれではない。
「これだけ青痣になっていれば痛かったよね...」
カムイはそっと私の背中をさする。
「カムイっ、く、くすぐったいです」
「俺がもっと早くメルに出会えていたら、メルはこれだけ痛い思いをせずに済んだのにね...」
後ろからカムイの申し訳なさそうな声が聞こえてくる。
「もっと早くなんて、きっとないんですよ」
「メル...?」
「もしあの時、カムイに見つけてもらえなかったら、私は今もきっとマッチを売っていたと思います。もしかしたら、死んでしまっていたのかもしれません。だから...ありがとうございます、カムイ」
後ろから私の腰に腕がまわってくる。
その腕はとても優しく私の身体を抱きしめる。
「カムイ...?」
「本当にメルは優しいんだね」
「そうでしょうか?」
「うん」
しばらく心地よい沈黙がながれ、カムイが腕を解いた。
「もう大丈夫だから、服着て?」
「ごめんなさい!」
私は急いでボタンをとめる。
「多分この薬を飲めば、痛みがひくはずだよ」
私は少し体がビクリとはねた。
「く、薬ですか...?」
「もしかして、薬を飲むのは苦手?」
「うっ...」
言い当てられないように気をつけたつもりだった。
でも、やっぱりカムイには敵わない。
あっという間にバレてしまった。
(薬だけは...)
「苦いのが苦手なの?」
「...はい」
「じゃあ、飲ませてあげる」
「え...?飲ませてあげるって、」
どういう意味ですか、と聞く前にカムイが口づけてくる。
「んく...」
口のなかに何かが流れこんできて、私は飲みこんでしまう。
「...ね?ちゃんと飲めたでしょ?」
カムイのその一言で、何があったのかを理解した。
「...⁉恥ずかしいです...」
「ごめん、こうでもしないと飲んでくれないと思って」
「だからって...!」
「あ、そろそろナタリーを見送る時間だよ」
カムイが誤魔化すように言う。
「...はい」
私は急いで支度をする。
カムイが先に出たあと、私はトリュフを持っていく...。
ー**ー
「ごめんなさい!」
「ナタリー...。おいらこそ悪かっただよ」
二人が抱きあう姿を見て、俺もメルも少し感動していた。
「あの女性は誰だったの?」
「あの人は、おいらが迷子の子を見つけて、肩車してたらその子の親だっただよ。『感謝してます』って飛びつかれただよ...」
「そうだったの⁉」
ベンはよく子どもになつかれる。
出会った頃からそうだった。
ベンは本当に変わらない。
(一番変わったのは俺かな)
そんなことを考えながら、隣にいるメルの背中をそっと押す。
「チョコレート、渡しておいで」
「はい。...あの、ベンさん!その、作ったんです!食べてください」
「ありがとうだよ、お嬢さん」
メルは嬉しそうにしている。
「ベン。あたしも作ってみたの。...食べてみてくれる?」
「...分かっただよ」
ここはフォローを入れるべきか悩んでいると、メルが先に話しはじめた。
「ナタリーさん、一生懸命練習したんですよ」
ー*ー
どうしてもナタリーさんの気持ちが伝わるようにお手伝いしたくて。
「ナタリーさんは手が痛くなるくらい練習したんです!ベンさんに食べてほしくて、練習したんです。だから...」
「メル...」
「お嬢さんに言われなくてもちゃんと食べるだよ」
「よかったです!」
私はナタリーさんの役に立てただろうか。
「メル、あんまり二人の邪魔をしたらいけないから、もう行こう」
「そうですね。お二人とも、仲良く過ごしてくださいね!」
私はカムイと一緒に、エリックさんの家へと馬車で急ぐ。
(家に帰ったらカムイにアップルグラッセを渡しましょう)
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