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Until the day when I get engaged. -In linear light-
第62話
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ー*ー
数日後。この日は天気もよく、絶好のイベント日和だった。
「今日はイースター・フェスティバルだね」
「はい!」
私はカムイに選んでもらった衣装に着替える。
着替えて玄関にでると、カムイも着替えていた。
「思ったとおり、よく似合うね」
「あ、ありがとうございます...。カムイもかっこいいですよ」
「ありがとう。...さて、そろそろ行こうか」
「はい!」
春がきたのを知らせるように、あたたかな風がふいていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「わあ...」
町中の人たちがおしゃれをしている。
(人が多いと酔ってしまいそうです...)
「メル、大丈夫?」
「はい、平気です」
カムイに心配をかけたくない。
なので私は、人ごみで酔いそうなことを黙っておくことにした。
「そろそろメインイベントの時間なんだけど...」
周りの人たちが、卵がどうのと言いはじめた。
「はじまったみたい」
「どういうルールなんですか?」
「色がついた卵を見つけるんだ。中身がキャンディーなら外れ、紙が入っていたら当たり。色々と景品がもらえるんだよ」
「そうなんですか?」
(全然知りませんでした...)
「が、頑張ります!」
「そんなに意気ごまなくても大丈夫だよ」
カムイはくすくすと笑いながら、私の手をひいて歩きはじめる。
「絶対に見つかるよ」
ー**ー
メルは一生懸命あたりをキョロキョロ見渡して探している。
「全然ないですね...」
「見つけるのが難しいんだよ」
俺は見つけたことはあるものの、当たりが出たことは一度もない。
「あ!カムイ、あそこにあるのは...」
メルが木の方を指さす。
そこにあったのは、どう考えても鳥の卵ではないような、カラフルな卵。
「メル、よく見つけたね」
「でも、あんなに高いところのものをどうやって...」
「俺に任せて」
俺は木をのぼる。
思っていたより高くなかったため、あっというまにたどりついた。
俺は卵をとり、そのままジャンプして着地した。
「メル、その駕籠の中に入れて?」
「はい!」
メルは優しく卵を入れる。
「今はまだ、割らないんですか?」
「うん。駕籠いっぱいになってから割った方が、効率がいいでしょ?それに、楽しみはあとにとっておきたいんだ」
「なるほど...あ!カムイ、あそこにもあります!」
メルは卵探しを楽しんでくれているようだった。
(楽しそうでよかった。連れてきて正解だったな)
「いっぱい集まりましたね」
「うん、そうだね」
(ん?)
俺は見逃さなかった。
「メル、少し休憩しようか」
「私は平気ですよ?」
俺は人通りがまったくない、路地裏にメルを連れていった。
「カムっ...⁉」
俺はメルの身体を壁に押しつけ、口づけをおとした。
「ちゃんと休まないと、お仕置きするよ?」
ー*ー
結局気を遣わせてしまったと、私はとても反省した。
「ごめんなさい...」
「どうして謝るの?人ごみが苦手だって分かっていたのに、俺も半ば無理やりこさせて無茶をさせちゃったから、ごめんね」
カムイが飲み物を買ってきてくれて、そっと私に差し出してくれる。
「ありがとうございます」
「メルの、一口頂戴?」
「え、あ、はい!」
私のはストロベリー味だったようだ。
カムイのはメロン味のようで、緑色のものだった。
「俺のもあげる」
「ありがとうございます」
とても甘かった。
(...!これってよくよく考えると、間接キ...)
私は頬が熱くなるのを感じた。
「メル⁉どうしたの、もしかして体調悪い?」
「いえ、そうではなくて...」
「!ごめん!」
カムイも真っ赤になる。
「いえ、嫌だったわけではありませんでしたから...」
私は何を言ってるんだろう。
「それより、卵を割ってみようか」
「はい!」
あれから卵を十一個見つけた。
そのなかに当たりは...
ー**ー
「当たりが出た方!どうぞ!」
まさか俺があんなところへ行くことになるとは思わなかった。
「三個も当たりだなんて、メルのおかげだよ。ありがとう」
「いえ、そんな...」
メルと一緒に選びに行く。
「お若いご夫婦ですね」
「ご、ごふっ...」
係員の一言に、メルは顔をリンゴのように赤くしている。
(可愛いな)
「メル、これ好きでしょ?」
「カムイはこれがいいのでは?」
メルは腕時計を選び、俺は髪飾りを選んだ。
そして残りの一つは...
「まさかあんなにいいキッチンセットがあるとは思わなかったよ」
「はい、私もです」
俺たちは微笑みあいながら家路を急ぐ。
家まで帰ると、俺はメルに髪飾りをあげた。
「勿忘草だと思う。たしか、『私を忘れないで』と『永遠の愛』が花言葉だよ」
「永遠の愛、ですか?素敵な花言葉です!ありがとうございます。...カムイはお仕事で時計を使うことが多いのかなって思いましたので、時計にしました。ダメでしたか?」
「いや、すごく嬉しい。ありがとう」
メルはぱあっと明るくなる。
いつものことだが、本当に嬉しくてしかたない。
このまま平和に暮らせたら。
俺は密かにそう願っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「カムイ!」
次の日、朝一で俺の家にきたのはエリックだ。
「エリックさん...?」
「どうしたの、こんな朝早くから」
「...『オークス』が、殺された。しかも明日には話すからと言っていたのにも関わらずだ。残りの連中も全員死亡。それと、これが残されていた」
エリックは一枚のメモを見せてくる。
『やあ、いとしの坊や。坊やに嘘をつく悪いやつは、僕がお片づけしてあげる』
その紙に残されていた言葉。
その紙に入っていた野草の模様。
見間違えるはずがない。
「何故だ。やはりあの男は...」
「カムイ?」
メルが心配そうに俺の手を握ってくれている。
「死体を調べさせてくれるか?」
「あとでここに三人分もってこよう」
エリックは去っていった。
《やあ坊や。可哀想に、ご両親が死んだのかい?でも大丈夫!嘘つきは、僕がお片づけしてあげる》
腕にあったタトゥーと同じもの、間違えるはずがない。
「カムイ、」
「...『呪いの悪夢』」
「え?」
「両親を殺した、張本人だよ」
数日後。この日は天気もよく、絶好のイベント日和だった。
「今日はイースター・フェスティバルだね」
「はい!」
私はカムイに選んでもらった衣装に着替える。
着替えて玄関にでると、カムイも着替えていた。
「思ったとおり、よく似合うね」
「あ、ありがとうございます...。カムイもかっこいいですよ」
「ありがとう。...さて、そろそろ行こうか」
「はい!」
春がきたのを知らせるように、あたたかな風がふいていた。
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「わあ...」
町中の人たちがおしゃれをしている。
(人が多いと酔ってしまいそうです...)
「メル、大丈夫?」
「はい、平気です」
カムイに心配をかけたくない。
なので私は、人ごみで酔いそうなことを黙っておくことにした。
「そろそろメインイベントの時間なんだけど...」
周りの人たちが、卵がどうのと言いはじめた。
「はじまったみたい」
「どういうルールなんですか?」
「色がついた卵を見つけるんだ。中身がキャンディーなら外れ、紙が入っていたら当たり。色々と景品がもらえるんだよ」
「そうなんですか?」
(全然知りませんでした...)
「が、頑張ります!」
「そんなに意気ごまなくても大丈夫だよ」
カムイはくすくすと笑いながら、私の手をひいて歩きはじめる。
「絶対に見つかるよ」
ー**ー
メルは一生懸命あたりをキョロキョロ見渡して探している。
「全然ないですね...」
「見つけるのが難しいんだよ」
俺は見つけたことはあるものの、当たりが出たことは一度もない。
「あ!カムイ、あそこにあるのは...」
メルが木の方を指さす。
そこにあったのは、どう考えても鳥の卵ではないような、カラフルな卵。
「メル、よく見つけたね」
「でも、あんなに高いところのものをどうやって...」
「俺に任せて」
俺は木をのぼる。
思っていたより高くなかったため、あっというまにたどりついた。
俺は卵をとり、そのままジャンプして着地した。
「メル、その駕籠の中に入れて?」
「はい!」
メルは優しく卵を入れる。
「今はまだ、割らないんですか?」
「うん。駕籠いっぱいになってから割った方が、効率がいいでしょ?それに、楽しみはあとにとっておきたいんだ」
「なるほど...あ!カムイ、あそこにもあります!」
メルは卵探しを楽しんでくれているようだった。
(楽しそうでよかった。連れてきて正解だったな)
「いっぱい集まりましたね」
「うん、そうだね」
(ん?)
俺は見逃さなかった。
「メル、少し休憩しようか」
「私は平気ですよ?」
俺は人通りがまったくない、路地裏にメルを連れていった。
「カムっ...⁉」
俺はメルの身体を壁に押しつけ、口づけをおとした。
「ちゃんと休まないと、お仕置きするよ?」
ー*ー
結局気を遣わせてしまったと、私はとても反省した。
「ごめんなさい...」
「どうして謝るの?人ごみが苦手だって分かっていたのに、俺も半ば無理やりこさせて無茶をさせちゃったから、ごめんね」
カムイが飲み物を買ってきてくれて、そっと私に差し出してくれる。
「ありがとうございます」
「メルの、一口頂戴?」
「え、あ、はい!」
私のはストロベリー味だったようだ。
カムイのはメロン味のようで、緑色のものだった。
「俺のもあげる」
「ありがとうございます」
とても甘かった。
(...!これってよくよく考えると、間接キ...)
私は頬が熱くなるのを感じた。
「メル⁉どうしたの、もしかして体調悪い?」
「いえ、そうではなくて...」
「!ごめん!」
カムイも真っ赤になる。
「いえ、嫌だったわけではありませんでしたから...」
私は何を言ってるんだろう。
「それより、卵を割ってみようか」
「はい!」
あれから卵を十一個見つけた。
そのなかに当たりは...
ー**ー
「当たりが出た方!どうぞ!」
まさか俺があんなところへ行くことになるとは思わなかった。
「三個も当たりだなんて、メルのおかげだよ。ありがとう」
「いえ、そんな...」
メルと一緒に選びに行く。
「お若いご夫婦ですね」
「ご、ごふっ...」
係員の一言に、メルは顔をリンゴのように赤くしている。
(可愛いな)
「メル、これ好きでしょ?」
「カムイはこれがいいのでは?」
メルは腕時計を選び、俺は髪飾りを選んだ。
そして残りの一つは...
「まさかあんなにいいキッチンセットがあるとは思わなかったよ」
「はい、私もです」
俺たちは微笑みあいながら家路を急ぐ。
家まで帰ると、俺はメルに髪飾りをあげた。
「勿忘草だと思う。たしか、『私を忘れないで』と『永遠の愛』が花言葉だよ」
「永遠の愛、ですか?素敵な花言葉です!ありがとうございます。...カムイはお仕事で時計を使うことが多いのかなって思いましたので、時計にしました。ダメでしたか?」
「いや、すごく嬉しい。ありがとう」
メルはぱあっと明るくなる。
いつものことだが、本当に嬉しくてしかたない。
このまま平和に暮らせたら。
俺は密かにそう願っていた。
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「カムイ!」
次の日、朝一で俺の家にきたのはエリックだ。
「エリックさん...?」
「どうしたの、こんな朝早くから」
「...『オークス』が、殺された。しかも明日には話すからと言っていたのにも関わらずだ。残りの連中も全員死亡。それと、これが残されていた」
エリックは一枚のメモを見せてくる。
『やあ、いとしの坊や。坊やに嘘をつく悪いやつは、僕がお片づけしてあげる』
その紙に残されていた言葉。
その紙に入っていた野草の模様。
見間違えるはずがない。
「何故だ。やはりあの男は...」
「カムイ?」
メルが心配そうに俺の手を握ってくれている。
「死体を調べさせてくれるか?」
「あとでここに三人分もってこよう」
エリックは去っていった。
《やあ坊や。可哀想に、ご両親が死んだのかい?でも大丈夫!嘘つきは、僕がお片づけしてあげる》
腕にあったタトゥーと同じもの、間違えるはずがない。
「カムイ、」
「...『呪いの悪夢』」
「え?」
「両親を殺した、張本人だよ」
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