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Until the day when I get engaged. -Of light, ahead of it...-
第64話
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ー**ー
「おまえたちはあれを見ても平然とそんなものが食べられるのか...」
食事中に調査の報告を聞きにきたエリックが、盛大にため息をついた。
「まあね、なれてるから」
「私も、なれてますから」
「二人とも、幸せそうでなによりだ」
エリックは皮肉たっぷりに言う。
「エリックさんも食べますか?」
「いいのか?まあ、今日は強盗を追いかけ回して疲れてはいるが...」
「はい!」
少しイラッとしたが、ここは大人な対応をしなくてはと思い止まった。
(独占欲にも程度があるだろ)
心のなかで俺は自分につっこみながら、にこにこしているメルを見つめる。
「ん、美味いな。二人で作ったのか」
「はい!私はまだ、カムイみたいに色々な形にすることはできませんが...カムイのお陰で上手に焼けるようになりました」
「そうか」
エリックがぽつりと呟く。
そしてそのまま、俺の方をじっくりと見つめてくる。
「...なに?」
「いや、いい方向に変わったなと思っただけだ」
やはり持つべきものは友と可愛い恋人だと俺は思う。
「いつも仕事以外ではひきこもっていたおまえが、それだけ明るい表情をしているのだ。出会った頃よりずっといい」
(そんなことを考えていたのか)
「そうかな?」
「そうだと思うぞ?」
「お二人はやっぱり仲良しですね」
「まあな。では俺は失礼する」
エリックはそそくさと行ってしまった。
『美味かった』
テーブルをよく見ると、紙切れが置かれていた。
「不器用だな」
俺はふっと笑みをこぼした。
ー*ー
「くしゅっ」
お風呂から出たあと、私は小さく震えた。
「風邪ひいちゃうよ?」
「わふっ...」
カムイがタオルで優しくふいてくれる。
「メル、少し髪のびた?」
「そうでしょうか...?」
たしかに前髪は自分で切ったものの、後ろは腰のあたりまでのびている。
「元の長さまで切りたいです」
「元のって、出会った頃の長さ?」
私は小さく頷いてみせる。
「今のままでも可愛いと思うけどな...」
「お、お手入れが大変なんです」
「たしかに毎朝、時間をかけて梳いているよね。...俺が切ってあげようか?」
突然のカムイの申し出に、私は少しだけ困惑した。
「えっと...」
「大丈夫、ナイフで切ったりしないから」
あのナイフ捌きを見ると、不安でならない。
(でも、断ってしまうのは失礼だと思います...)
「じゃあ、お願いしてもいいですか?」
「勿論」
カムイが私の顔をそっと覗きこみ、ぽんぽんと頭を撫でてくれた。
ー**ー
次の日、俺は鋏を握りしめていた。
人の髪を切るのは、いつ以来だろうか。
《カムイ、お母さん綺麗になった?》
《うん!》
《ありがとう、カムイ》
懐かしいことを思い出した。
(たしかこの鋏で...)
「お願いします」
「あ、うん」
失敗は許されない。
俺は少し震えた手で、鋏を持ちなおす。
「じゃあ、いくよ?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結果は...
「ありがとうございます、カムイ」
なんとか失敗せずに切ることができた。
「じゃあ今度は、私がカムイの前髪を切りますね」
手つきが少し心配ではあるが、断るとメルが確実に落ちこむことが分かっているので、拒否するという選択肢は最初から存在しなかった。
「...」
俺はぎゅっと目を閉じる。
「...はい、できました」
メルが鏡を持ってきてくれる。
「...すごい。俺が自分で切るよりもずっと綺麗だ。メルは、誰から教わったの?やっぱりおばあさん?」
メルはこくりと頷く。
「メルは手先が器用なんだね」
「カムイには負けますよ」
それからしばらく、二人で微笑みあった。
ー*ー
「死体をとりにきた」
エリックさんは死体を丁寧に運びだし、カムイが書いたカルテに目をとおす。
「流石だな」
「まあね」
「じゃあな」
(エリックさん、忙しいんでしょうか?)
色々考えていると、カムイが後ろから抱きしめる。
「カムイ?」
「しばらくこうさせて」
「...?はい」
言われるがままになっていると、カムイが口を開いた。
「明日、公園に行ってみようか。前に行ったときは雪だらけだったけど、春の公園はまた違うんだよ」
「行ってみたいです!」
私はつい、意気ごんで言ってしまった。
「あ...」
「ははっ、そんなに楽しみにしてくれるの?」
私は頬が熱くなっていくのを感じた。
「カムイと行くなら、どこでも楽しみです」
ー**ー
この天然純粋少女は俺を殺す気なのだろうか。
(...殺し文句)
「やっぱり可愛いね、メルは」
俺がよしよしと頭を撫でると、メルは照れくさそうにふわふわと笑っている。
「あの、カムイ。紅茶を淹れてもいいですか?」
「ごめん!俺も手伝うよ」
「ありがとうございます」
こうして二人で穏やかな時間を、いつまでも過ごしていたい。
(...このまま何もおこらなければいいのに)
「おまえたちはあれを見ても平然とそんなものが食べられるのか...」
食事中に調査の報告を聞きにきたエリックが、盛大にため息をついた。
「まあね、なれてるから」
「私も、なれてますから」
「二人とも、幸せそうでなによりだ」
エリックは皮肉たっぷりに言う。
「エリックさんも食べますか?」
「いいのか?まあ、今日は強盗を追いかけ回して疲れてはいるが...」
「はい!」
少しイラッとしたが、ここは大人な対応をしなくてはと思い止まった。
(独占欲にも程度があるだろ)
心のなかで俺は自分につっこみながら、にこにこしているメルを見つめる。
「ん、美味いな。二人で作ったのか」
「はい!私はまだ、カムイみたいに色々な形にすることはできませんが...カムイのお陰で上手に焼けるようになりました」
「そうか」
エリックがぽつりと呟く。
そしてそのまま、俺の方をじっくりと見つめてくる。
「...なに?」
「いや、いい方向に変わったなと思っただけだ」
やはり持つべきものは友と可愛い恋人だと俺は思う。
「いつも仕事以外ではひきこもっていたおまえが、それだけ明るい表情をしているのだ。出会った頃よりずっといい」
(そんなことを考えていたのか)
「そうかな?」
「そうだと思うぞ?」
「お二人はやっぱり仲良しですね」
「まあな。では俺は失礼する」
エリックはそそくさと行ってしまった。
『美味かった』
テーブルをよく見ると、紙切れが置かれていた。
「不器用だな」
俺はふっと笑みをこぼした。
ー*ー
「くしゅっ」
お風呂から出たあと、私は小さく震えた。
「風邪ひいちゃうよ?」
「わふっ...」
カムイがタオルで優しくふいてくれる。
「メル、少し髪のびた?」
「そうでしょうか...?」
たしかに前髪は自分で切ったものの、後ろは腰のあたりまでのびている。
「元の長さまで切りたいです」
「元のって、出会った頃の長さ?」
私は小さく頷いてみせる。
「今のままでも可愛いと思うけどな...」
「お、お手入れが大変なんです」
「たしかに毎朝、時間をかけて梳いているよね。...俺が切ってあげようか?」
突然のカムイの申し出に、私は少しだけ困惑した。
「えっと...」
「大丈夫、ナイフで切ったりしないから」
あのナイフ捌きを見ると、不安でならない。
(でも、断ってしまうのは失礼だと思います...)
「じゃあ、お願いしてもいいですか?」
「勿論」
カムイが私の顔をそっと覗きこみ、ぽんぽんと頭を撫でてくれた。
ー**ー
次の日、俺は鋏を握りしめていた。
人の髪を切るのは、いつ以来だろうか。
《カムイ、お母さん綺麗になった?》
《うん!》
《ありがとう、カムイ》
懐かしいことを思い出した。
(たしかこの鋏で...)
「お願いします」
「あ、うん」
失敗は許されない。
俺は少し震えた手で、鋏を持ちなおす。
「じゃあ、いくよ?」
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結果は...
「ありがとうございます、カムイ」
なんとか失敗せずに切ることができた。
「じゃあ今度は、私がカムイの前髪を切りますね」
手つきが少し心配ではあるが、断るとメルが確実に落ちこむことが分かっているので、拒否するという選択肢は最初から存在しなかった。
「...」
俺はぎゅっと目を閉じる。
「...はい、できました」
メルが鏡を持ってきてくれる。
「...すごい。俺が自分で切るよりもずっと綺麗だ。メルは、誰から教わったの?やっぱりおばあさん?」
メルはこくりと頷く。
「メルは手先が器用なんだね」
「カムイには負けますよ」
それからしばらく、二人で微笑みあった。
ー*ー
「死体をとりにきた」
エリックさんは死体を丁寧に運びだし、カムイが書いたカルテに目をとおす。
「流石だな」
「まあね」
「じゃあな」
(エリックさん、忙しいんでしょうか?)
色々考えていると、カムイが後ろから抱きしめる。
「カムイ?」
「しばらくこうさせて」
「...?はい」
言われるがままになっていると、カムイが口を開いた。
「明日、公園に行ってみようか。前に行ったときは雪だらけだったけど、春の公園はまた違うんだよ」
「行ってみたいです!」
私はつい、意気ごんで言ってしまった。
「あ...」
「ははっ、そんなに楽しみにしてくれるの?」
私は頬が熱くなっていくのを感じた。
「カムイと行くなら、どこでも楽しみです」
ー**ー
この天然純粋少女は俺を殺す気なのだろうか。
(...殺し文句)
「やっぱり可愛いね、メルは」
俺がよしよしと頭を撫でると、メルは照れくさそうにふわふわと笑っている。
「あの、カムイ。紅茶を淹れてもいいですか?」
「ごめん!俺も手伝うよ」
「ありがとうございます」
こうして二人で穏やかな時間を、いつまでも過ごしていたい。
(...このまま何もおこらなければいいのに)
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