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追憶のシグナル
9件目
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目の前に無数にいたはずの小さい奴らは1割以下まで減っていた。
「真ん中に道を作るから走れ。いいな?」
「が、頑張ります」
この先輩、どれだけ力が強いんだ。
そんな事を考えながらひた走る。
突っ切っていった先に本体がいる…と思っていたのに、また大量の小さい奴らが現れた。
《ゲア!》
「嘘だろ…」
仕方がないので目の前に来たやつから順番に倒していく。
正直腕に感覚がない。
それくらい拳をおみまいしているはずなのに、数が減っている気がしないのは何故だろう。
「詩乃先輩、聞こえますか!?」
「聞こえてる。どうした?」
「すみません、この奥にもまだ色々いるみたいで…」
噂に興味を持った妖なのか、融合されかけている怪異の一部なのか。
見た目だけで判断できるほど、俺は経験を積んでいない。
「数が多いな。似たような噂の怪異たちが集まってるのと、理性を失いかけた妖ががむしゃらに来ているように見える」
「え、そういうのってどうやったら分かるようになるんですか?」
「慣れかな。あと、ちょっとした音の違い。これは人によって違うみたいで、視え方が違う場合もあるらしい」
「そうなんですね」
音の違いなんてものは分からないので、よく目を凝らして観察してみる。
すると、邪気の出方が少し違うのが少し交ざっていることに気づいた。
「どっちがどっちか分かりませんけど、邪気や妖力の漏れ方が違うんですね」
相手はどんどん集まって巨大化していっている。
このままだと確実にやられてしまう。
「陽向は目がいいんだな。ここを突破できたら本人に会えると信じよう」
「そうですね」
かなり強くなったであろうそれに向かって、勢いよく拳をぶつける。
やっぱりこういう相手の方が俺は得意みたいだ。
相手の体は岩のように砕けていき、さらさらと砂粒くらいの大きさになる。
「すごいな。私じゃきっと倒せなかった」
「俺はパンチっていう単純攻撃しか出せませんから…。詩乃先輩は弓も使えますよね?」
「一応。こういうときに困らなくていいんだ」
奥の方にちらっと視えたのは、間違いなく人間ではない何か。
先輩は矢を用意して、札をくくりつける。
「こうすれば多少道も開けるはずだ」
矢は真っ直ぐ飛んでいき、被弾した何かは悲鳴をあげている。
退魔の炎なんてそう簡単に使える人間がいるはずがない。
…頭ではそう思っていても、今目の前で使われているのは間違いなくそれに該当する。
「詩乃先輩って何者なんですか?」
「何者、か…自分でもよく分かってない。どう名乗ればいいんだろうな」
先輩にも複雑な事情があるのか、苦笑しながらそう答えた。
それ以上何も言えなくて困っていると、今度は俺が尋ねられる。
「陽向は何者なんだ?」
「真ん中に道を作るから走れ。いいな?」
「が、頑張ります」
この先輩、どれだけ力が強いんだ。
そんな事を考えながらひた走る。
突っ切っていった先に本体がいる…と思っていたのに、また大量の小さい奴らが現れた。
《ゲア!》
「嘘だろ…」
仕方がないので目の前に来たやつから順番に倒していく。
正直腕に感覚がない。
それくらい拳をおみまいしているはずなのに、数が減っている気がしないのは何故だろう。
「詩乃先輩、聞こえますか!?」
「聞こえてる。どうした?」
「すみません、この奥にもまだ色々いるみたいで…」
噂に興味を持った妖なのか、融合されかけている怪異の一部なのか。
見た目だけで判断できるほど、俺は経験を積んでいない。
「数が多いな。似たような噂の怪異たちが集まってるのと、理性を失いかけた妖ががむしゃらに来ているように見える」
「え、そういうのってどうやったら分かるようになるんですか?」
「慣れかな。あと、ちょっとした音の違い。これは人によって違うみたいで、視え方が違う場合もあるらしい」
「そうなんですね」
音の違いなんてものは分からないので、よく目を凝らして観察してみる。
すると、邪気の出方が少し違うのが少し交ざっていることに気づいた。
「どっちがどっちか分かりませんけど、邪気や妖力の漏れ方が違うんですね」
相手はどんどん集まって巨大化していっている。
このままだと確実にやられてしまう。
「陽向は目がいいんだな。ここを突破できたら本人に会えると信じよう」
「そうですね」
かなり強くなったであろうそれに向かって、勢いよく拳をぶつける。
やっぱりこういう相手の方が俺は得意みたいだ。
相手の体は岩のように砕けていき、さらさらと砂粒くらいの大きさになる。
「すごいな。私じゃきっと倒せなかった」
「俺はパンチっていう単純攻撃しか出せませんから…。詩乃先輩は弓も使えますよね?」
「一応。こういうときに困らなくていいんだ」
奥の方にちらっと視えたのは、間違いなく人間ではない何か。
先輩は矢を用意して、札をくくりつける。
「こうすれば多少道も開けるはずだ」
矢は真っ直ぐ飛んでいき、被弾した何かは悲鳴をあげている。
退魔の炎なんてそう簡単に使える人間がいるはずがない。
…頭ではそう思っていても、今目の前で使われているのは間違いなくそれに該当する。
「詩乃先輩って何者なんですか?」
「何者、か…自分でもよく分かってない。どう名乗ればいいんだろうな」
先輩にも複雑な事情があるのか、苦笑しながらそう答えた。
それ以上何も言えなくて困っていると、今度は俺が尋ねられる。
「陽向は何者なんだ?」
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