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泣けないver.
休息時間 詩音side
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休み初日、私は早速優翔と電話で話していた。
『ねえ、詩音。僕今日も授業がないから、会いに行ってもいい?』
「それは...」
いくらなんでもまずいんじゃないか...それを言い終わるまでに優翔の言葉が刺さった。
『...会いたいか会いたくないかで言ったらどっち?』
「それは勿論、会いたいけど...」
『それじゃあ決まり。今日は植物園に行ってみよう』
「...うん」
本当は毎日だって会いたいという思いを秘めている。
けれど、それは現状できないことだ。
それならせめて、側にいられる限られた時間で優翔に笑ってほしいと思う。
もしかすると、寂しいと思っていたのを読まれてしまったのかもしれない。
どうやって声だけで読まれてしまったのかは、優翔に訊いてみないと分からないけれど。
「...優翔」
「お待たせ。それじゃあ、また誰も知らないような街に行こうと思います」
「今日は車なの?」
「毎日電車を使うのも飽きるかなって思ったんだ。もしかして、電車の方がよかった...?」
優翔は時々、弱々しい発言を繰り返すことがある。
自分の選択に自信が持てないのだと前に聞いたことはあるけれど、ここまで自信をなくしているのは珍しい。
「優翔」
「どうしたの?」
「...大翔君と喧嘩した?」
訳が分からないというように首を傾げた優翔に、もう少しだけ踏みこんだ話をしてみる。
「なんだか元気がないみたいだから、どうしたのかなって思ったんだ。
...余計なことだったかな?」
「そんなことないよ。心配してくれてありがとう。でも僕は、誰とも喧嘩なんてしてないよ。
もしかすると、元気がないように見えるのは昨日あんまり眠れなかったからかもしれない」
「眠れなかったの?」
「うん。...楽しみすぎて、何をしようか考えていたら目が冴えちゃって」
少しだけ恥ずかしそうに笑うその姿に若干違和感を覚えたけれど、これ以上は追及しないことにした。
...人の心にずかずかと勝手に土足であがりこむようなことはしたくない。
(他にも理由がありそうだから本当は知りたいけど...)
やがて車が停まってふたりで降りてみる。
目の前には、楽園のような景色が広がっていた。
「...こんな景色、見るの初めてかも」
「僕には詩音が1番輝いて見えるけどね」
さらっと告げられた言葉に鼓動が高鳴る。
頬に熱が集まるのを感じながら、なんとか話題を変えようと少しだけ焦った。
「こ、この花、小さくて可愛い」
「本当だ。色々な色があるんだね」
時間も忘れて楽園に咲いている花を見てまわる。
それだけで私は充分楽しめた。
──優翔の元気がない本当の理由に辿り着けないまま。
『ねえ、詩音。僕今日も授業がないから、会いに行ってもいい?』
「それは...」
いくらなんでもまずいんじゃないか...それを言い終わるまでに優翔の言葉が刺さった。
『...会いたいか会いたくないかで言ったらどっち?』
「それは勿論、会いたいけど...」
『それじゃあ決まり。今日は植物園に行ってみよう』
「...うん」
本当は毎日だって会いたいという思いを秘めている。
けれど、それは現状できないことだ。
それならせめて、側にいられる限られた時間で優翔に笑ってほしいと思う。
もしかすると、寂しいと思っていたのを読まれてしまったのかもしれない。
どうやって声だけで読まれてしまったのかは、優翔に訊いてみないと分からないけれど。
「...優翔」
「お待たせ。それじゃあ、また誰も知らないような街に行こうと思います」
「今日は車なの?」
「毎日電車を使うのも飽きるかなって思ったんだ。もしかして、電車の方がよかった...?」
優翔は時々、弱々しい発言を繰り返すことがある。
自分の選択に自信が持てないのだと前に聞いたことはあるけれど、ここまで自信をなくしているのは珍しい。
「優翔」
「どうしたの?」
「...大翔君と喧嘩した?」
訳が分からないというように首を傾げた優翔に、もう少しだけ踏みこんだ話をしてみる。
「なんだか元気がないみたいだから、どうしたのかなって思ったんだ。
...余計なことだったかな?」
「そんなことないよ。心配してくれてありがとう。でも僕は、誰とも喧嘩なんてしてないよ。
もしかすると、元気がないように見えるのは昨日あんまり眠れなかったからかもしれない」
「眠れなかったの?」
「うん。...楽しみすぎて、何をしようか考えていたら目が冴えちゃって」
少しだけ恥ずかしそうに笑うその姿に若干違和感を覚えたけれど、これ以上は追及しないことにした。
...人の心にずかずかと勝手に土足であがりこむようなことはしたくない。
(他にも理由がありそうだから本当は知りたいけど...)
やがて車が停まってふたりで降りてみる。
目の前には、楽園のような景色が広がっていた。
「...こんな景色、見るの初めてかも」
「僕には詩音が1番輝いて見えるけどね」
さらっと告げられた言葉に鼓動が高鳴る。
頬に熱が集まるのを感じながら、なんとか話題を変えようと少しだけ焦った。
「こ、この花、小さくて可愛い」
「本当だ。色々な色があるんだね」
時間も忘れて楽園に咲いている花を見てまわる。
それだけで私は充分楽しめた。
──優翔の元気がない本当の理由に辿り着けないまま。
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