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8日目
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月曜日は憂鬱だ。
今日も僕の席はよく分からない荷物で溢れている。
いつものように耳を塞ぎ、ひたすら音楽にのめりこむ。
僕の声が誰にも聞こえないなら、このまま石のように過ごした方がずっと楽だ。
「穂村、ヘッドホンを外しなさい。そろそろ授業始めるぞ」
音楽の世界にいても、外からの声が入ってきてしまう。
本当はもっと音楽に浸っていたいが仕方ない。
一旦音楽の世界を出て、無言で授業を受ける。
作詞を少し進めようと思っていたのに、入れたはずのノートが見当たらない。
そういえば昨日、病院でバイト終わりに続きを書いた。
その後から見ていないかもしれない。
「穂村、この問題分かるか?」
「……できました」
どうしてこの先生はいつも僕に話しかけてくるんだろう。
誰も話なんて聞いてくれなかったのに声をかけてくるのは、何か狙いがあるのだろうか。
…期待なんてもうしたくない。
「今回のテストも期待してるぞ」
「…善処します」
授業が終わっても話しかけてきて、少し鬱陶しい。
他の生徒に話しかけられた隙に席を抜け出す。
大量に笑い声が聞こえてきてその場にいられなくなった。
「…あと少しだから我慢しないと」
誰もいない空き教室で折りたたみナイフを腕に押し当て、思いきり横に動かす。
こんなことをしても何も解決しないのは分かっているが、不安を紛らわせるには丁度よかった。
それからなんとか午後も乗り切り、そのままいつもの場所へ向かう。
恐らく屋上からメロディが聴こえてくるのは、彼女が弾いているからだ。
「奏多さん…!」
「どうかしたの?」
「いえ、その…実は昨日、ノートを拾ったんです。素敵な詞ですね」
…読まれた。彼女も僕を笑うのだろうか。
「奏多さんが作った曲を弾いてみたいです!私にできるでしょうか?」
嘲笑われる覚悟をしていたにも関わらず、彼女の反応は思っていたものと違った。
ただ呆然と立ち尽くす僕に彼女は駆け寄る。
「やっぱり私じゃ無理ですよね…無茶なことを言ってすみません」
「…笑わないの?」
「笑われたことがあるんですか?」
「学校で落としたとき、拾った奴等に勝手に読まれたんだ。…それで笑われた」
何度思い出しても苦い。もう少し感じなくなったと思っていたのに、やはり僕は脆いようだ。
「笑ったりなんかしませんよ。あ、正確に言えば微笑ましいとは思いますけど嘲笑いません。
だって、奏多さんが創った大切なものでしょう?」
彼女はそんなふうに感じてくれたんだ。…素直に嬉しい。
「くだらないって言わないでくれてありがとう」
「だって、ほっこりしましたから。そうだ、私も歌詞を考えていいですか?」
「駄目って言っても引き下がらないつもりでしょ?…いいよ、僕が音をつけるから」
「ありがとうございます!」
「感謝されるようなことはしてない。次までに考えておいて…森川」
「はい!次は下の名前で呼んでもらえるように頑張りますね」
「なんでそうなるんだよ…」
そんなことを口では言いつつ、実は楽しいと感じていた。
森川が僕を笑わないでくれるなら、僕も正面から彼女と向き合いたい。
「すみません、今日はもう時間です。…これだけ巻かせてください」
血が滲んでいることになんて気づいていなかった。
森川は丁寧にガーゼのようなものを巻いてくれて、ただにっこり微笑む。
「それでは、また明日」
「…また」
どうしても照れてしまうものの、作詞ノートは手元に返ってきたし楽しみができた。
【今日は奏多さんにノートを返せました。
それから、彼の腕に包帯を巻きました。
あの傷はやっぱり自分でつけているもののようです。心配になりました。
一緒に曲を創る約束をしました。私にとっても生きがいです。
検査がなければもうちょっと一緒にいられたのに…。明日はもっと早く行ってみようと思います。
今度は下の名前で呼ばれたい…曲が出来上がったらお願いしてみたいです】
今日も僕の席はよく分からない荷物で溢れている。
いつものように耳を塞ぎ、ひたすら音楽にのめりこむ。
僕の声が誰にも聞こえないなら、このまま石のように過ごした方がずっと楽だ。
「穂村、ヘッドホンを外しなさい。そろそろ授業始めるぞ」
音楽の世界にいても、外からの声が入ってきてしまう。
本当はもっと音楽に浸っていたいが仕方ない。
一旦音楽の世界を出て、無言で授業を受ける。
作詞を少し進めようと思っていたのに、入れたはずのノートが見当たらない。
そういえば昨日、病院でバイト終わりに続きを書いた。
その後から見ていないかもしれない。
「穂村、この問題分かるか?」
「……できました」
どうしてこの先生はいつも僕に話しかけてくるんだろう。
誰も話なんて聞いてくれなかったのに声をかけてくるのは、何か狙いがあるのだろうか。
…期待なんてもうしたくない。
「今回のテストも期待してるぞ」
「…善処します」
授業が終わっても話しかけてきて、少し鬱陶しい。
他の生徒に話しかけられた隙に席を抜け出す。
大量に笑い声が聞こえてきてその場にいられなくなった。
「…あと少しだから我慢しないと」
誰もいない空き教室で折りたたみナイフを腕に押し当て、思いきり横に動かす。
こんなことをしても何も解決しないのは分かっているが、不安を紛らわせるには丁度よかった。
それからなんとか午後も乗り切り、そのままいつもの場所へ向かう。
恐らく屋上からメロディが聴こえてくるのは、彼女が弾いているからだ。
「奏多さん…!」
「どうかしたの?」
「いえ、その…実は昨日、ノートを拾ったんです。素敵な詞ですね」
…読まれた。彼女も僕を笑うのだろうか。
「奏多さんが作った曲を弾いてみたいです!私にできるでしょうか?」
嘲笑われる覚悟をしていたにも関わらず、彼女の反応は思っていたものと違った。
ただ呆然と立ち尽くす僕に彼女は駆け寄る。
「やっぱり私じゃ無理ですよね…無茶なことを言ってすみません」
「…笑わないの?」
「笑われたことがあるんですか?」
「学校で落としたとき、拾った奴等に勝手に読まれたんだ。…それで笑われた」
何度思い出しても苦い。もう少し感じなくなったと思っていたのに、やはり僕は脆いようだ。
「笑ったりなんかしませんよ。あ、正確に言えば微笑ましいとは思いますけど嘲笑いません。
だって、奏多さんが創った大切なものでしょう?」
彼女はそんなふうに感じてくれたんだ。…素直に嬉しい。
「くだらないって言わないでくれてありがとう」
「だって、ほっこりしましたから。そうだ、私も歌詞を考えていいですか?」
「駄目って言っても引き下がらないつもりでしょ?…いいよ、僕が音をつけるから」
「ありがとうございます!」
「感謝されるようなことはしてない。次までに考えておいて…森川」
「はい!次は下の名前で呼んでもらえるように頑張りますね」
「なんでそうなるんだよ…」
そんなことを口では言いつつ、実は楽しいと感じていた。
森川が僕を笑わないでくれるなら、僕も正面から彼女と向き合いたい。
「すみません、今日はもう時間です。…これだけ巻かせてください」
血が滲んでいることになんて気づいていなかった。
森川は丁寧にガーゼのようなものを巻いてくれて、ただにっこり微笑む。
「それでは、また明日」
「…また」
どうしても照れてしまうものの、作詞ノートは手元に返ってきたし楽しみができた。
【今日は奏多さんにノートを返せました。
それから、彼の腕に包帯を巻きました。
あの傷はやっぱり自分でつけているもののようです。心配になりました。
一緒に曲を創る約束をしました。私にとっても生きがいです。
検査がなければもうちょっと一緒にいられたのに…。明日はもっと早く行ってみようと思います。
今度は下の名前で呼ばれたい…曲が出来上がったらお願いしてみたいです】
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