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春人ルート
第58話
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「あの…少し休みませんか?」
雪乃のお店を出てしばらく歩いていると、春人が苦しそうに息をしていることに気づく。
傷が完全に治っているわけではないのだから、よくよく考えてみれば分かることだった。
「…いや、大丈夫」
「顔が真っ青です」
「ごめん、やっぱり少しだけ休ませて」
近くにあったベンチにふたりで座って、人が沢山通っていくのをぼんやりと眺める。
「…春人も、人混みが苦手なんですか?」
「うん。人が沢山いると疲れやすい。…昔からね」
彼は必死に笑顔を作ろうとしているみたいに見えるけれど、無理をしているのがすぐ分かった。
「…今日は、どんなところに行く用事があったんですか?」
「用ってほどのことはないけど、道具を買い足したかった。小さめの歯車ってよく使うから、すぐなくなるんだ。
…俺の趣味で歯車をどこかにつけているからっていうのもあるだろうけど」
春人は本当に機械が好きなんだと思う。
物を大切にする人で、いつも周りを見ていて…こういうのを尊敬というのかもしれない。
「もう少ししたらその店に行く。君はほしいものはないの?」
「はい」
ここで欲しいものがあると答えたら、それはただの迷惑だ。
いつも護ってもらってばかりいるのだから、こんなときくらいは頼ってもらえるようになりたい。
「…そう。それじゃあやっぱり今日は俺につきあってもらうことにする」
「はい。頑張ります」
そこから少し歩いた場所に目的のお店があった。
見た目はおしゃれなお店みたいだったけれど、中に入ると沢山のものに囲まれる。
特に歯車は多いみたいで、数えきれないほどの量が目にはいった。
「すごく沢山あるんですね」
「俺に必要なのはこれだけど、こっちの新作も捨てがたい…」
春人の目はきらきらと輝いていて、そんな彼を見ているだけで楽しくなってくる。
沢山あるもののなかに、ネジがついた時計を見つけた。
「可愛い…」
沢山の歯車たちが噛み合っていて、多分ネジを回すと時計が動く仕組みなのだろう。
じっと見ていると後ろから腕が伸びてきて、耳許で声がした。
「…ついでにこれも買おうかな」
「お仕事で使うんですか?」
「仕事というか…まあ、そんなところかな」
春人が持っている籠には沢山の歯車や工具が入っていて、なんだかとても重そうだ。
「あの、私が、」
「大丈夫。これくらいは持てるから俺と一緒に来て」
「分かりました」
この場所ならずっといても苦しくならないかもしれない、そう思うほど落ち着いた雰囲気が流れている。
だから彼も、ここで買い物をしているのだろうか。
静かに待っていると、春人がこちらをふりかえって言う。
「…もう1ヶ所行きたい場所がある」
雪乃のお店を出てしばらく歩いていると、春人が苦しそうに息をしていることに気づく。
傷が完全に治っているわけではないのだから、よくよく考えてみれば分かることだった。
「…いや、大丈夫」
「顔が真っ青です」
「ごめん、やっぱり少しだけ休ませて」
近くにあったベンチにふたりで座って、人が沢山通っていくのをぼんやりと眺める。
「…春人も、人混みが苦手なんですか?」
「うん。人が沢山いると疲れやすい。…昔からね」
彼は必死に笑顔を作ろうとしているみたいに見えるけれど、無理をしているのがすぐ分かった。
「…今日は、どんなところに行く用事があったんですか?」
「用ってほどのことはないけど、道具を買い足したかった。小さめの歯車ってよく使うから、すぐなくなるんだ。
…俺の趣味で歯車をどこかにつけているからっていうのもあるだろうけど」
春人は本当に機械が好きなんだと思う。
物を大切にする人で、いつも周りを見ていて…こういうのを尊敬というのかもしれない。
「もう少ししたらその店に行く。君はほしいものはないの?」
「はい」
ここで欲しいものがあると答えたら、それはただの迷惑だ。
いつも護ってもらってばかりいるのだから、こんなときくらいは頼ってもらえるようになりたい。
「…そう。それじゃあやっぱり今日は俺につきあってもらうことにする」
「はい。頑張ります」
そこから少し歩いた場所に目的のお店があった。
見た目はおしゃれなお店みたいだったけれど、中に入ると沢山のものに囲まれる。
特に歯車は多いみたいで、数えきれないほどの量が目にはいった。
「すごく沢山あるんですね」
「俺に必要なのはこれだけど、こっちの新作も捨てがたい…」
春人の目はきらきらと輝いていて、そんな彼を見ているだけで楽しくなってくる。
沢山あるもののなかに、ネジがついた時計を見つけた。
「可愛い…」
沢山の歯車たちが噛み合っていて、多分ネジを回すと時計が動く仕組みなのだろう。
じっと見ていると後ろから腕が伸びてきて、耳許で声がした。
「…ついでにこれも買おうかな」
「お仕事で使うんですか?」
「仕事というか…まあ、そんなところかな」
春人が持っている籠には沢山の歯車や工具が入っていて、なんだかとても重そうだ。
「あの、私が、」
「大丈夫。これくらいは持てるから俺と一緒に来て」
「分かりました」
この場所ならずっといても苦しくならないかもしれない、そう思うほど落ち着いた雰囲気が流れている。
だから彼も、ここで買い物をしているのだろうか。
静かに待っていると、春人がこちらをふりかえって言う。
「…もう1ヶ所行きたい場所がある」
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