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秋久ルート
第6話
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「あ、あの…掃除、終わりました」
「ん、ありがとな」
秋久さんの癖なのか、いつも頭を撫でられる。
勿論、それが嫌というわけではなくて単純に嬉しい。
「お嬢ちゃん、苦手なものとかないか?」
「えっと、人が多い場所が苦手です」
「悪い、俺の質問がまずかったな。苦手な食べ物はあるか?」
「特にありません」
「それはすごいな」
食べるものがなくて、どれがいいだとか選ぶ権利なんて私にはなかった。
必要なら廃棄されたものだって食べていたし、そんなことを考えたこと自体なかったかもしれない。
「あ、だけど、生トマトが苦手で…。ソースにしたり焼かないと食べられませんでした」
「了解。じゃあ、それを踏まえてなんか作るから座って待っててくれ」
「料理なら私が、」
「さっき掃除してもらったばかりだろ?丁度息抜きしたかったし、もし嫌じゃなければ俺にやらせてくれ」
誰かに料理を作ってもらえるなんて、そんな経験はここに来るまでしたことがなかった。
大人しく座って待っていると、足元に何かふさふさしたものが当たる。
「あ、甘栗…抱っこしても、いいですか?」
できるだけ右側から話しかけると、甘栗は前足で私の足をかりかりと掻いた。
「ここに座っててくださいね」
膝の上にいると落ち着くのか、いつも座っては気持ちよさそうに眠っている。
そのとき、扉の方から声が聞こえた。
「先輩、入りますね!」
「おい待て、今は、」
「お邪魔します!…って、あれ?あれあれ?もしかして、先輩の彼女さ、」
「…その煩い口を今すぐ閉じろ」
秋久さんから少しだけぴりぴりした空気を感じ取る。
そして私に申し訳なさそうな表情を向けた。
「悪いな、お嬢ちゃん。こいつは仕事の後輩なんだが、いつもこんな感じでちょっとデリカシーが欠けてる」
「先輩、そんな言い方しなくてもいいのに…」
「えっと、私、部屋にいますね」
私がここにいると、お仕事の話ができないかもしれない。
邪魔になるくらいならと立ちあがろうとしたら、女性に座るように言われた。
「いきなりごめんね。私は花菜。先輩の部隊所属の副隊長で、特技は運動!あなたは?」
「えっと…月見、です」
「月見ちゃんか…可愛い名前だね!」
よく分からないけれど、悪い人ではなさそうだ。
最初の印象が強すぎて少し警戒してしまうものの、甘栗を抱きあげたまま座り直した。
「甘栗懐いてるの!?いいなあ、羨ましい…」
「煩くてすまない」
「いえ、大丈夫です」
「私のことは花菜って呼んで。…先輩、資料ここに置いていきますね」
「次回以降はノックしろ。いいな?」
「分かりました!それじゃあまたね、月見」
嵐のようにやってきて、嵐のように去っていく。
もう少し相手のことを知れればと思ったけれど、秋久さんのお仕事関係の不思議な人という印象を抱くのでせいいっぱいだった。
「ん、ありがとな」
秋久さんの癖なのか、いつも頭を撫でられる。
勿論、それが嫌というわけではなくて単純に嬉しい。
「お嬢ちゃん、苦手なものとかないか?」
「えっと、人が多い場所が苦手です」
「悪い、俺の質問がまずかったな。苦手な食べ物はあるか?」
「特にありません」
「それはすごいな」
食べるものがなくて、どれがいいだとか選ぶ権利なんて私にはなかった。
必要なら廃棄されたものだって食べていたし、そんなことを考えたこと自体なかったかもしれない。
「あ、だけど、生トマトが苦手で…。ソースにしたり焼かないと食べられませんでした」
「了解。じゃあ、それを踏まえてなんか作るから座って待っててくれ」
「料理なら私が、」
「さっき掃除してもらったばかりだろ?丁度息抜きしたかったし、もし嫌じゃなければ俺にやらせてくれ」
誰かに料理を作ってもらえるなんて、そんな経験はここに来るまでしたことがなかった。
大人しく座って待っていると、足元に何かふさふさしたものが当たる。
「あ、甘栗…抱っこしても、いいですか?」
できるだけ右側から話しかけると、甘栗は前足で私の足をかりかりと掻いた。
「ここに座っててくださいね」
膝の上にいると落ち着くのか、いつも座っては気持ちよさそうに眠っている。
そのとき、扉の方から声が聞こえた。
「先輩、入りますね!」
「おい待て、今は、」
「お邪魔します!…って、あれ?あれあれ?もしかして、先輩の彼女さ、」
「…その煩い口を今すぐ閉じろ」
秋久さんから少しだけぴりぴりした空気を感じ取る。
そして私に申し訳なさそうな表情を向けた。
「悪いな、お嬢ちゃん。こいつは仕事の後輩なんだが、いつもこんな感じでちょっとデリカシーが欠けてる」
「先輩、そんな言い方しなくてもいいのに…」
「えっと、私、部屋にいますね」
私がここにいると、お仕事の話ができないかもしれない。
邪魔になるくらいならと立ちあがろうとしたら、女性に座るように言われた。
「いきなりごめんね。私は花菜。先輩の部隊所属の副隊長で、特技は運動!あなたは?」
「えっと…月見、です」
「月見ちゃんか…可愛い名前だね!」
よく分からないけれど、悪い人ではなさそうだ。
最初の印象が強すぎて少し警戒してしまうものの、甘栗を抱きあげたまま座り直した。
「甘栗懐いてるの!?いいなあ、羨ましい…」
「煩くてすまない」
「いえ、大丈夫です」
「私のことは花菜って呼んで。…先輩、資料ここに置いていきますね」
「次回以降はノックしろ。いいな?」
「分かりました!それじゃあまたね、月見」
嵐のようにやってきて、嵐のように去っていく。
もう少し相手のことを知れればと思ったけれど、秋久さんのお仕事関係の不思議な人という印象を抱くのでせいいっぱいだった。
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