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秋久ルート
第10話
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「どうだ?」
「すごく、美味しいです」
どうすればこんなに美味しくなるんだろう。
それに、やっぱり誰かと食べるご飯は美味しい。
「気に入ったならよかった」
少しずつではあったけれど、なんとか全部食べきることができた。
「ごちそうさまでした」
「よかった。ちゃんと食べきったな」
秋久さんに頭を撫でられるのは嬉しいけれど、今感じたぴりついたものは何だろう。
「…お嬢ちゃん、少しここで待っててくれ」
「あ、はい…」
そう話すと、秋久さんはそのまま立ちあがってどこかへ行ってしまう。
どうしたんだろうと首を傾げていると、怖い言葉が聞こえてきた。
「おら、邪魔するな!」
「乱暴なことはしないでもらえるとありがたい。少し落ち着いてもらえないか?」
視線だけ向けると、食事に使うナイフを持った人と秋久さんが向かい合っている。
他のお客さんたちも動けなくなっていて、その場にいる人たちから笑顔が消えていた。
「こいつは、俺の大事な奴を傷つけたんだ!その報いを今ここで受けさせてやる…」
ナイフの先には真っ青な顔をした人が立っていて、そのままの勢いでは刺さってしまいそうだ。
変に動いて邪魔はしたくないけれど、この場所で蕀さんたちに頼ることはできそうにない。
「こいつも道連れにしてやる!」
そのとき、近くで子どもの鳴き声がした。
泣いていれば、狙われるのはその子になるかもしれない。
無意識のうちに震える足で1歩踏み出した私は、そのままナイフの先に立った。
「あ、違…なんで……」
「痛いから、です」
何度も向けられたそれに対してもう怖いとは思わなくなっていた私は、そのまま肩に軽く刃物を受ける。
相手は私の腕から抜いたナイフを見て震えていた。
周囲からあがる悲鳴とは対照的に、私の心は落ち着いている。
「…先に手を出したのはそっちだからな」
「何を、」
秋久さんの声は怒っている。
何か間違ったことをしたのか、相手に向けられているものなのか…振り向く間もなく体がよろめいたかと思うと、相手の男性の腕が捻りあげられていた。
「加害者になったからには、俺から逃げられると思うな」
「お客様、こっちです。今日の会計はいいんで、取り敢えず店から出てください。…また来てくださいね」
さっき秋久さんと話していた店長さんらしき人が、少し離れた場所で他の人たちを誘導している。
そうか、これで終わりなんだ…よかった。
他の人たちに被害がないことを確認すると、足からがくっと力が抜ける。
…本当は少しだけ怖かった。
安心したからか、立ちあがることもできない。
「…今度こそそこにいてくれ、お嬢ちゃん」
秋久さんの言葉に頷くのでせいいっぱいで、そのまま動けない。
ただ、そのときちらっと見えた胡桃色の髪をぐしゃぐしゃしながら歩く彼の表情は、なんだか暗いような気がした。
「すごく、美味しいです」
どうすればこんなに美味しくなるんだろう。
それに、やっぱり誰かと食べるご飯は美味しい。
「気に入ったならよかった」
少しずつではあったけれど、なんとか全部食べきることができた。
「ごちそうさまでした」
「よかった。ちゃんと食べきったな」
秋久さんに頭を撫でられるのは嬉しいけれど、今感じたぴりついたものは何だろう。
「…お嬢ちゃん、少しここで待っててくれ」
「あ、はい…」
そう話すと、秋久さんはそのまま立ちあがってどこかへ行ってしまう。
どうしたんだろうと首を傾げていると、怖い言葉が聞こえてきた。
「おら、邪魔するな!」
「乱暴なことはしないでもらえるとありがたい。少し落ち着いてもらえないか?」
視線だけ向けると、食事に使うナイフを持った人と秋久さんが向かい合っている。
他のお客さんたちも動けなくなっていて、その場にいる人たちから笑顔が消えていた。
「こいつは、俺の大事な奴を傷つけたんだ!その報いを今ここで受けさせてやる…」
ナイフの先には真っ青な顔をした人が立っていて、そのままの勢いでは刺さってしまいそうだ。
変に動いて邪魔はしたくないけれど、この場所で蕀さんたちに頼ることはできそうにない。
「こいつも道連れにしてやる!」
そのとき、近くで子どもの鳴き声がした。
泣いていれば、狙われるのはその子になるかもしれない。
無意識のうちに震える足で1歩踏み出した私は、そのままナイフの先に立った。
「あ、違…なんで……」
「痛いから、です」
何度も向けられたそれに対してもう怖いとは思わなくなっていた私は、そのまま肩に軽く刃物を受ける。
相手は私の腕から抜いたナイフを見て震えていた。
周囲からあがる悲鳴とは対照的に、私の心は落ち着いている。
「…先に手を出したのはそっちだからな」
「何を、」
秋久さんの声は怒っている。
何か間違ったことをしたのか、相手に向けられているものなのか…振り向く間もなく体がよろめいたかと思うと、相手の男性の腕が捻りあげられていた。
「加害者になったからには、俺から逃げられると思うな」
「お客様、こっちです。今日の会計はいいんで、取り敢えず店から出てください。…また来てくださいね」
さっき秋久さんと話していた店長さんらしき人が、少し離れた場所で他の人たちを誘導している。
そうか、これで終わりなんだ…よかった。
他の人たちに被害がないことを確認すると、足からがくっと力が抜ける。
…本当は少しだけ怖かった。
安心したからか、立ちあがることもできない。
「…今度こそそこにいてくれ、お嬢ちゃん」
秋久さんの言葉に頷くのでせいいっぱいで、そのまま動けない。
ただ、そのときちらっと見えた胡桃色の髪をぐしゃぐしゃしながら歩く彼の表情は、なんだか暗いような気がした。
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