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冬真ルート
第19話
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「取り敢えず着てみて」
「ありがとうございます」
あれからまだそんなに時間が経ってないはずなのに、目の前の洋服はどうやって作られたんだろう。
その場で服を脱ごうとすると、冬真さんに慌てた様子で止められる。
「ここで着替えるなら僕は出てるから、ちょっと待って」
「…?はい」
どうしてそんなことを言うのか分からなかったけれど、できるだけ古傷に当たらないように気をつけながら袖を通す。
自分に似合うかどうかなんて考えたこともなかったけれど、どうしてか早く冬真さんに見てほしいと考えていた。
「あ、あの…どうでしょうか?」
「あんまり洋服に詳しくないからなんとも言えないけど…まあ、似合ってる、と思う」
「ありがとうございます」
「ふたりだけの世界に入られると、俺の居場所がないんだけど…」
ぱっと顔をあげると、夏彦さんが苦笑いしながら立っていた。
「ご、ごめんなさい」
「いやいや、全然謝る必要なんてないよ。月見ちゃん、可愛いね」
「そうでしょうか…?」
「本当はまー君もそう思ってるはずなんだけど…待って、フライパン仕舞って!」
重そうなフライパンを持っていた冬真さんはそのまま鍋敷きの上に置いて、私の方へ歩み寄ってくる。
どうしたんだろうと思っていると、彼の顔が赤くなった。
「…ごめん。僕は言葉にするのがどうにも苦手で、いつも無愛想になる。
だけど、君が自分で選んだものなんだし、似合わないわけない」
「ありがとうございます」
ふたりで話していると、少し離れた場所で夏彦さんが楽しそうに笑っていた。
それを見た冬真さんは不機嫌そうな顔をしていたけれど、座って待っているように言ってそのままどこかへ行ってしまう。
「まー君、すごく照れてたね」
「…私、迷惑になっていないでしょうか?」
「月見ちゃんは優しいんだね。だけど、迷惑だと思ってたら最初から手当てなんてしなかっただろうし、引き止めることもなかったんじゃないかな?
俺も含めて、君のことが心配なんだ。あんな場所で行き倒れるなんて、余程のことがあったんだろうなって…無理矢理訊こうとは思ってないけどね」
どうしてこの人たちは、いつも温かい言葉をかけてくれるんだろう。
いつも見る笑顔にきっと嘘はない。
「ご飯できたから、ついでに食べていけば?」
「俺ももらっていいの?まー君優しい…ありがとう」
「君も、食べられそうなら食べてみて」
「いただきます」
この日のご飯も美味しくて、なんだか心がほろほろする。
凍っていた心が少しずつ溶けていくのを感じながら、ただお礼を言うことしかできなかった。
他に私にできることはないだろうか。
「ありがとうございます」
あれからまだそんなに時間が経ってないはずなのに、目の前の洋服はどうやって作られたんだろう。
その場で服を脱ごうとすると、冬真さんに慌てた様子で止められる。
「ここで着替えるなら僕は出てるから、ちょっと待って」
「…?はい」
どうしてそんなことを言うのか分からなかったけれど、できるだけ古傷に当たらないように気をつけながら袖を通す。
自分に似合うかどうかなんて考えたこともなかったけれど、どうしてか早く冬真さんに見てほしいと考えていた。
「あ、あの…どうでしょうか?」
「あんまり洋服に詳しくないからなんとも言えないけど…まあ、似合ってる、と思う」
「ありがとうございます」
「ふたりだけの世界に入られると、俺の居場所がないんだけど…」
ぱっと顔をあげると、夏彦さんが苦笑いしながら立っていた。
「ご、ごめんなさい」
「いやいや、全然謝る必要なんてないよ。月見ちゃん、可愛いね」
「そうでしょうか…?」
「本当はまー君もそう思ってるはずなんだけど…待って、フライパン仕舞って!」
重そうなフライパンを持っていた冬真さんはそのまま鍋敷きの上に置いて、私の方へ歩み寄ってくる。
どうしたんだろうと思っていると、彼の顔が赤くなった。
「…ごめん。僕は言葉にするのがどうにも苦手で、いつも無愛想になる。
だけど、君が自分で選んだものなんだし、似合わないわけない」
「ありがとうございます」
ふたりで話していると、少し離れた場所で夏彦さんが楽しそうに笑っていた。
それを見た冬真さんは不機嫌そうな顔をしていたけれど、座って待っているように言ってそのままどこかへ行ってしまう。
「まー君、すごく照れてたね」
「…私、迷惑になっていないでしょうか?」
「月見ちゃんは優しいんだね。だけど、迷惑だと思ってたら最初から手当てなんてしなかっただろうし、引き止めることもなかったんじゃないかな?
俺も含めて、君のことが心配なんだ。あんな場所で行き倒れるなんて、余程のことがあったんだろうなって…無理矢理訊こうとは思ってないけどね」
どうしてこの人たちは、いつも温かい言葉をかけてくれるんだろう。
いつも見る笑顔にきっと嘘はない。
「ご飯できたから、ついでに食べていけば?」
「俺ももらっていいの?まー君優しい…ありがとう」
「君も、食べられそうなら食べてみて」
「いただきます」
この日のご飯も美味しくて、なんだか心がほろほろする。
凍っていた心が少しずつ溶けていくのを感じながら、ただお礼を言うことしかできなかった。
他に私にできることはないだろうか。
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