物置小屋

１人向け・看病系

何があったのか訊かないけど、(夜の看病)

あれ？どうしたの、こんな遅い時間に...。
取り敢えずあがって。少し温まった方がいい。

...話をする前に手当てしようか。
この傷、やっぱり目立っちゃうんだね。
昔からあるものだって言ってたけど、痛くない？
傷そのものもなんだけど...心の方は大丈夫なのかなって思ったんだ。
そうだよ、それが細かいことを聞かない理由。
嫌だったことを何回も思い出すなんて辛いでしょ？
俺にそんな深い傷痕があったとして...それどうしたの、なんて聞かれたくないから。
...ごめん、痛かった？
もう少しで終わるから...よし、できた。
そういえば、今日は傷を隠さなかったんだね。
そっか...ファンデーション落ちちゃったんだね。
今日は何か用事があってきたの？
...って、大丈夫？なんだかぼーっとしてるみたいだけど...ちょっとごめん。
熱は...ないみたいだね。
もしかして、偏頭痛？
傷を隠せなかったせいっていうのと、季節の変わり目っていうのと...両方あるのかもしれないね。
話は今度にして、いつもの部屋で寝てて。
大丈夫、すぐ戻るから。
歩くのも辛そうだね...。掴まってて、ちゃんと運ぶから。
ここで横になってて。
その感じだと、ちゃんとご飯も食べてないんでしょ？
何か食べられそうなものを持ってくるね。

...おまたせ。はい、どうぞ。
パンプキンスープ、作りすぎたからどうしようか迷ってたんだ。
一緒に食べよう。さっき温め直してきたから、体もぽかぽかになると思う。
...どうかな？美味しい？それならよかった。
あ...大丈夫、もう少し食べられそう？
それじゃあ、あーん。これなら手に力が入らなくても食べられるでしょ？
ちょっと恥ずかしいけど、誰かに見られてる訳じゃないし...俺は君とこうして食べられて、すごく嬉しいよ。
食べ終わったらちゃんと薬を飲むこと。
駄目だよ、苦くても飲まないと...。それから、火傷の痕に後でもう1回薬を塗ってあげる。
できるだけ痛くないように塗るから、そんなに嫌そうな顔をしないで。

...よし、終わった。眠れそうなら寝た方がいいよ。
ん？どうしたの、袖を掴んで...。
分かった、それじゃあ今夜は隣で寝る。
何かほしいものとかあったら起こしてくれていいから。
眠れそう？無理せずゆっくり休んでね。
こうして手を繋いでるから...安心して目を閉じて。
それじゃあ、おやすみ。
...傷ができた理由、いつか教えてくれるといいな。
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最後のひとことの為だけのタイトル、というべきでしょうか。
やっぱり羨ましくて、けれど私は手に入れられなくて...なんて考えてしまいました。