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1人向け・慰め系
もう、寂しくないよ。(物念×視える人)
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こんばんは。どうかしたんですか?
ずっと空を見て泣いているような気がしたので、声をかけたんですけど…。
ごめんなさい、もしかして余計なことをしましたか?
話?聞くくらいのことでよければできますけど…。
成程、それじゃああなたはその人のことを想って悲しくなったんですね。
不謹慎かもしれないけど、その人が羨ましいと思ってしまいました。
あなたみたいに想ってくれる人がいることなんて、滅多にないだろうから。
辛いときは辛いって口にしてしまう方がいいと思います。
俺にはそういう相手がいないから、あんまり上手く言えないんですけど…。
…あれ、万年筆?なんでこんなところに…ああ、そういうことか。
これは君にとって、とても大切なものなんだね。
それに…君には沢山の想いと一緒に孤独が詰まってる。
分かるんだ、そういうの。ごめん、人間かどうか俺には見ただけじゃ判断がつかない。
ただ、今の驚いたような反応で理解したよ。…君は、付喪神みたいなものなんだね。
そこに転がっている万年筆が君?…最近この辺りで倒れて亡くなった人がいるのは、新聞を読んだから知ってる。
もしかすると、君はその人の持ち物だったのかもしれない。
ごめん、俺は非力でできることなんてないと思う。
…だけど、それでもいいなら一緒に来てほしいんだ。
その人の側にいられるかどうかは分からない。
もし君がその人の家の場所を覚えているなら、そこまで運ぶことはできる。
どうかな?分かりそう?…それなら協力させてほしい。
俺にできるのはそれだけだから。
この家?それじゃあ、万年筆と手紙を入れておくよ。
大丈夫、今の時代ワープロっていうすごく便利なものがあるから。
俺の心配までしてくれてありがとう。
もしも寂しくなったら、君自身の言葉を書いて紙飛行機を飛ばして。
それできっと、俺のところまで届くはずだから。
君には持ち主の名前が彫られるほど、持ち主の想いが詰まってる。
それだけは、俺にもちゃんと分かるよ。
そんなに謝らないで。何かあったら連絡してね。
…それじゃあ、いってらっしゃい。
ん?紙飛行機…そうか、あのときの付喪神からか。
よかった、もう寂しい思いはしてないんだ。
ちょっとだけ羨ましいなんて考えてしまう俺は、やっぱり駄目なのかもしれない。
…だけど、誰とも深い関係になれない俺からすれば、やっぱり羨ましいんだ。
いつかまた会いに行こう。道は覚えているし、直接あの子の言葉で聞きたいから。
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物念、というよりは万年筆の付喪神を綴ってみました。
視える人シリーズは綴っていて楽しいです。
ずっと空を見て泣いているような気がしたので、声をかけたんですけど…。
ごめんなさい、もしかして余計なことをしましたか?
話?聞くくらいのことでよければできますけど…。
成程、それじゃああなたはその人のことを想って悲しくなったんですね。
不謹慎かもしれないけど、その人が羨ましいと思ってしまいました。
あなたみたいに想ってくれる人がいることなんて、滅多にないだろうから。
辛いときは辛いって口にしてしまう方がいいと思います。
俺にはそういう相手がいないから、あんまり上手く言えないんですけど…。
…あれ、万年筆?なんでこんなところに…ああ、そういうことか。
これは君にとって、とても大切なものなんだね。
それに…君には沢山の想いと一緒に孤独が詰まってる。
分かるんだ、そういうの。ごめん、人間かどうか俺には見ただけじゃ判断がつかない。
ただ、今の驚いたような反応で理解したよ。…君は、付喪神みたいなものなんだね。
そこに転がっている万年筆が君?…最近この辺りで倒れて亡くなった人がいるのは、新聞を読んだから知ってる。
もしかすると、君はその人の持ち物だったのかもしれない。
ごめん、俺は非力でできることなんてないと思う。
…だけど、それでもいいなら一緒に来てほしいんだ。
その人の側にいられるかどうかは分からない。
もし君がその人の家の場所を覚えているなら、そこまで運ぶことはできる。
どうかな?分かりそう?…それなら協力させてほしい。
俺にできるのはそれだけだから。
この家?それじゃあ、万年筆と手紙を入れておくよ。
大丈夫、今の時代ワープロっていうすごく便利なものがあるから。
俺の心配までしてくれてありがとう。
もしも寂しくなったら、君自身の言葉を書いて紙飛行機を飛ばして。
それできっと、俺のところまで届くはずだから。
君には持ち主の名前が彫られるほど、持ち主の想いが詰まってる。
それだけは、俺にもちゃんと分かるよ。
そんなに謝らないで。何かあったら連絡してね。
…それじゃあ、いってらっしゃい。
ん?紙飛行機…そうか、あのときの付喪神からか。
よかった、もう寂しい思いはしてないんだ。
ちょっとだけ羨ましいなんて考えてしまう俺は、やっぱり駄目なのかもしれない。
…だけど、誰とも深い関係になれない俺からすれば、やっぱり羨ましいんだ。
いつかまた会いに行こう。道は覚えているし、直接あの子の言葉で聞きたいから。
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物念、というよりは万年筆の付喪神を綴ってみました。
視える人シリーズは綴っていて楽しいです。
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