物置小屋

黒蝶

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1人向け・イベント系

いくつだって重ねていく。(失声症の恋人・年越し)

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もうすぐ今年が終わるね。…ん?どうかしたの?
『どんな1年になった?』そうだな…改めて聞かれると難しいけど、君と一緒にいられて楽しく過ごせたよ。
君はどうだった?ゆっくりでいいから教えて?
その間に飲み物を淹れてくるね。こっちの抹茶とこっちの珈琲、どっちがいい?
分かった、それじゃあ抹茶を用意するね。
お待たせ。え、もう書けたの?早いね…どれどれ。
『あなたがいてくれたから、今年も楽しく過ごせたよ。
嫌なこともあったけど、あなたがいてくれたおかげで乗り越えられた。頼りない私だけど、来年もよろしくね』
…どうしよう、すごく嬉しい。
どんな顔をすればいいか、分からなくなっちゃった…。
たしかに色々あったけど、君が楽しく過ごせたって言ってくれて、すごく安心した。
そんな頑張り屋さんな君に、年越しそばならぬ年越しスイーツを用意しました。
あれ、びっくりしてる?…てっきりもうばれちゃってるものだと思ってた。
そうやって『好き』っていきなり言うのは禁止…本当に恥ずかしいから…。
何度言われてもいつまでたっても慣れないんだ。
だけど、君の『好き』より俺の方がもっと好きだからね。
来年はもっと君のことが分かるようになりたいな。読唇ももっとできるようになりたい。君は来年の抱負とかある?
『もっと一緒にいたい』…君は本当に可愛いことばっかりいうよね。
あれ、もうノート使い終わっちゃった?
え…今ちらっと見えたんだけど、それが全部俺と話した記録?
まさかこんなに沢山あるなんて思ってなかったから、ちょっとだけびっくりした。
でも、それだけ一緒に過ごしてきたんだと思うとすごく嬉しい。
来年はもっと増えるかな?
…よし、できた。フォンダンショコラにしたんだ。抹茶にはあんまり合わないかもしれないけど、よかったら食べて。
これを食べ終わる頃には新しい年がはじまってるかもしれないから、今年最後になりそうな言葉を伝えておくね。
いつもありがとう。…これからもずっと愛してる。
あれ、もしかしてまた照れてる?君は本当に可愛いね。
実は俺もちょっと恥ずかしかったりするんだけど…取り敢えず食べよう。それじゃあ、いただきます。
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今年最後は失声症の恋人と年越しの話を綴りました。
今年もありがとうございました。
どうかよい日をお過ごしください。
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