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1人向け・other
拝啓、僕を大切にしてくれたあなたへ(望まぬ別れ)
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拝啓
あなたがこの手紙を読む頃には、僕はきっと遠いところにいるでしょう。
もう長くないことは知っていました。
ふたりで桜を見に行こうと約束していましたね。
その願いが叶わなくて、あなたも悲しんでいるでしょうか?
それとも、もしかすると気づいていないだけで近くにいるんでしょうか。
僕たちが直接会うことはもうないでしょう。
だから、今ここではっきり伝えておきたいことがあります。
たとえあなたがどんな姿になっても、このまま会えなくても、ずっとずっと愛してる。
もし生まれ変わっても、僕は君を見つけ出せる自信があります。
だから、安心して忘れてください。
僕なんかに囚われないで、あなたはあなたの幸せを掴んでください。
生まれ変わりなんて信じてなかったはずなのに、あなたと一緒に生きられる未来を考えてしまいました。
生まれ変わったあなたが会いに来てくれたらどうなるんだろう、もし会えたらどんな話をしよう、なんて…。
悲しんでいるあなたを支えきれなくて、病から護れなくてごめんなさい。
だけど、僕があなたのことを愛しているという気持ちは変わりません。
あなたが生きていたことも、僕の隣にいてくれたことも…泣きながら別れてほしいと話したことも。
あのとき、あなたの本当の気持ちを聞けてよかった。本当は一緒にいてほしいと言ってもらえて、最後まで側にいられて本当によかった。
僕はあなたの最期を見届けられて幸せでした。
そして、これから先もきっと忘れることはないでしょう。
…なんて、ちょっとキザすぎたでしょうか。
だけど、絶望に打ちひしがれた僕の心を救いあげてくれたあなたには感謝しかありません。
そういえば、あなたが書いていたやりたいことノートを預かっていたのを思い出して今読んでいます。
…春の約束なんて忘れたなんて言ってたけど、やっぱり忘れてなかったんじゃないですか。
あんなに何度もマーカーで大きく印をつけるくらいだから、大切に思ってくれていたんだと信じています。
また次もあなたと恋人同士になれたら、次こそ桜を見に行きましょう。
取り敢えず今はゆっくり休んでください。
また逢える日を楽しみにしています。
敬具
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望まぬ別れの手紙というものには、やはり寂しさが滲むと思います。
実際書くとなると、この何千倍も哀しくなるんだろうな…なんて考えつつ綴ってみました。
あなたがこの手紙を読む頃には、僕はきっと遠いところにいるでしょう。
もう長くないことは知っていました。
ふたりで桜を見に行こうと約束していましたね。
その願いが叶わなくて、あなたも悲しんでいるでしょうか?
それとも、もしかすると気づいていないだけで近くにいるんでしょうか。
僕たちが直接会うことはもうないでしょう。
だから、今ここではっきり伝えておきたいことがあります。
たとえあなたがどんな姿になっても、このまま会えなくても、ずっとずっと愛してる。
もし生まれ変わっても、僕は君を見つけ出せる自信があります。
だから、安心して忘れてください。
僕なんかに囚われないで、あなたはあなたの幸せを掴んでください。
生まれ変わりなんて信じてなかったはずなのに、あなたと一緒に生きられる未来を考えてしまいました。
生まれ変わったあなたが会いに来てくれたらどうなるんだろう、もし会えたらどんな話をしよう、なんて…。
悲しんでいるあなたを支えきれなくて、病から護れなくてごめんなさい。
だけど、僕があなたのことを愛しているという気持ちは変わりません。
あなたが生きていたことも、僕の隣にいてくれたことも…泣きながら別れてほしいと話したことも。
あのとき、あなたの本当の気持ちを聞けてよかった。本当は一緒にいてほしいと言ってもらえて、最後まで側にいられて本当によかった。
僕はあなたの最期を見届けられて幸せでした。
そして、これから先もきっと忘れることはないでしょう。
…なんて、ちょっとキザすぎたでしょうか。
だけど、絶望に打ちひしがれた僕の心を救いあげてくれたあなたには感謝しかありません。
そういえば、あなたが書いていたやりたいことノートを預かっていたのを思い出して今読んでいます。
…春の約束なんて忘れたなんて言ってたけど、やっぱり忘れてなかったんじゃないですか。
あんなに何度もマーカーで大きく印をつけるくらいだから、大切に思ってくれていたんだと信じています。
また次もあなたと恋人同士になれたら、次こそ桜を見に行きましょう。
取り敢えず今はゆっくり休んでください。
また逢える日を楽しみにしています。
敬具
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実際書くとなると、この何千倍も哀しくなるんだろうな…なんて考えつつ綴ってみました。
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