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第9章『送人』
第48話
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送り人というのは、お客様を無事黄泉行列車に乗ってもらうところまでが仕事らしい。
「その後はいつもどおり運行している列車で対応してもらうことになるから、行きの間の話し相手と迷わないように駅まで送り届けるのが仕事になる」
「責任重大だね」
「俺もいるから、ひとりで気負う必要はない」
「…いつもありがとう」
今の私にはお礼を言うことしかできないけど、とても気が紛れた。
それから、スミさんにどう接すればいいかもなんとなく掴めた気がする。
「それじゃあ今夜、いつもより早い時間だけど遅れないように」
「うん。本当にありがとう」
見覚えのある道を歩いていると、おばさんがいる施設へ向かうバスが停まっているのが目に入る。
丁度いいのでそのまま乗っていくことにした。
「あら?氷空ちゃん?」
「おはようおばさん」
「その怪我どうしたの!?もうすぐお医者さんと看護師さんが来てくれるから、一緒に診察してもらいましょう」
「でも…」
「ただの捻挫だったり切り傷なら、それはそれで安心できるわ」
結局おばさんの言葉に甘えさせてもらうことになってしまった。
「適切な処置が施されている…。手当てが慣れている人にやってもらったのかな?」
「た、多分そうだと思います」
そういえば、氷雨君にひとつ聞きそびれてしまったことがある。
あの男の人の後ろにいた女の人はなんだったんだろう。
人間とは思えない速さで迫ってきていたけど、どうすればよかったんだろうか。
考えているうちに手当てが終わり、お礼を言っておばさんと話す。
ご飯の時間までゆっくり話させてもらって、まだだいぶ早かったけどいつもの駅に向かうことにした。
「あれ、もう来ちゃったの?」
「き、緊張してしまって…」
矢田さんはにっこり笑って話しかけてくれたけど、私はどうしても上手く話せない。
「送り人って、お客様の想い出を護るためにあるものだからもっと楽しくやっていこう」
「楽しく、ですか?」
「うん。お客様に楽しんでいただくには、自分も楽しむ。…自分も楽しめなかったら相手を不安にさせるんじゃないかって思うんだ。
…まあ、これは僕が勝手に考えていることなんだけどね」
矢田さんの言葉はどこまでも真っ直ぐで、心にすっと入ってくる。
やっぱり緊張してしまうけど、きっと悪い人じゃない。
「おや、もう来ていたんですか。早いですね」
「今日はよろしくお願いします、リーダー」
「こちらこそ。頑張りましょうね」
丁寧な口調で話す氷雨君に対しては、緊張してしまって上手く話せない。
取り敢えず頷いて誤魔化したところで列車がやってくる。
「それでは行きましょう」
「その後はいつもどおり運行している列車で対応してもらうことになるから、行きの間の話し相手と迷わないように駅まで送り届けるのが仕事になる」
「責任重大だね」
「俺もいるから、ひとりで気負う必要はない」
「…いつもありがとう」
今の私にはお礼を言うことしかできないけど、とても気が紛れた。
それから、スミさんにどう接すればいいかもなんとなく掴めた気がする。
「それじゃあ今夜、いつもより早い時間だけど遅れないように」
「うん。本当にありがとう」
見覚えのある道を歩いていると、おばさんがいる施設へ向かうバスが停まっているのが目に入る。
丁度いいのでそのまま乗っていくことにした。
「あら?氷空ちゃん?」
「おはようおばさん」
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「でも…」
「ただの捻挫だったり切り傷なら、それはそれで安心できるわ」
結局おばさんの言葉に甘えさせてもらうことになってしまった。
「適切な処置が施されている…。手当てが慣れている人にやってもらったのかな?」
「た、多分そうだと思います」
そういえば、氷雨君にひとつ聞きそびれてしまったことがある。
あの男の人の後ろにいた女の人はなんだったんだろう。
人間とは思えない速さで迫ってきていたけど、どうすればよかったんだろうか。
考えているうちに手当てが終わり、お礼を言っておばさんと話す。
ご飯の時間までゆっくり話させてもらって、まだだいぶ早かったけどいつもの駅に向かうことにした。
「あれ、もう来ちゃったの?」
「き、緊張してしまって…」
矢田さんはにっこり笑って話しかけてくれたけど、私はどうしても上手く話せない。
「送り人って、お客様の想い出を護るためにあるものだからもっと楽しくやっていこう」
「楽しく、ですか?」
「うん。お客様に楽しんでいただくには、自分も楽しむ。…自分も楽しめなかったら相手を不安にさせるんじゃないかって思うんだ。
…まあ、これは僕が勝手に考えていることなんだけどね」
矢田さんの言葉はどこまでも真っ直ぐで、心にすっと入ってくる。
やっぱり緊張してしまうけど、きっと悪い人じゃない。
「おや、もう来ていたんですか。早いですね」
「今日はよろしくお願いします、リーダー」
「こちらこそ。頑張りましょうね」
丁寧な口調で話す氷雨君に対しては、緊張してしまって上手く話せない。
取り敢えず頷いて誤魔化したところで列車がやってくる。
「それでは行きましょう」
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