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第12章『深愛』
閑話『伝えきれない想いをのせて』
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今宵お届けする手紙は2通。
「こんばんは。石田太郎さんでしょうか?」
「そうですけど」
「あなた宛に手紙が届いています」
「……は?」
手紙を受け取った腐れ外道は手紙を開ける。
【今のうちに自首すれば罪が軽くなるかもしれない。潔く罪を認めろ。
君が俺を知らなくても、俺は君をよく知っている。海帆に迷惑をかけたら地獄行きだ】
「それでは、私はこれで」
「待て。知ってるって何の話だ?」
「…さあ?差出人に聞いてみてください。…直接会えるならの話ですが」
できるだけ早く休みたいので、突き放してそのまま駅まで戻る。
「リーダー、流石に少し寝た方がいいですよ」
「…お言葉に甘えてそうさせていただきます」
部下に心配をかけるなんてまだまだだ。
2時間ほど眠って、今度はもうひとりに手紙を届ける。
「こんにちは。朝早くにすみません。佐伯海帆さんでしょうか?」
「そうですが、取材ならお断りします」
「いえ。私はただ、手紙を届けに来ただけなんです」
少女は差出人の名前を見て、深呼吸をしてから封を切る。
【海帆
毎日報告しあったり、色々喧嘩したり、とにかく楽しかった。おまえのお兄ちゃんでいられてよかった。
最後に護れたことも、ちゃんと証拠を残せたこともほっとしてる。…金庫の鍵は俺の部屋のデスクにあるから使ってほしい。
あれを使えばきっと、海帆を明るい明日へ連れていってくれるはずだ。海に行く約束、守れなくてごめん。
どんなに離れていても、ずっと見守ってるから。海帆にはきっともっといい人が見つかるよ。
ひとりで生活するのは大変だろうけど、いつか笑って過ごせるようにずっと願ってる】
「お兄ちゃん…」
手紙を抱きしめたまま、少女はその場に泣き崩れる。
あの男性が彼女にとって大切な相手だったことは間違いない。
「その手紙を書いた方は、あなたの話をずっとしていました。とても可愛い、優しい子なのだと」
「兄が、そんなことを?私、最後まで兄に護ってもらってばかりだったのに…」
「あなたとの生活が幸せだったのではないでしょうか?あなたのことを話すお客様は、とても幸せそうでした」
俺から言えることは少ないが、男性の温かい言葉を伝えることはできる。
「突然泣いてすみませんでした。それから、届けてくれてありがとうございます」
お礼を言う少女の表情は晴れ晴れとしていて、少しずつ乗り越えていこうという決意が感じられる。
「…いえ。それでは、失礼いたします」
今回の仕事も無事終わったが、やはり星影氷空の態度に違和感を覚える。
何故あそこまで詳しく知っているのか、訊けば教えてもらえるだろうか。
毎回意識を失う事と関係しているのかもしれないが、どう聞き出そうか迷ってしまう。
立ち入りすぎれば、きっとお互い苦しくなるだけだから。
「こんばんは。石田太郎さんでしょうか?」
「そうですけど」
「あなた宛に手紙が届いています」
「……は?」
手紙を受け取った腐れ外道は手紙を開ける。
【今のうちに自首すれば罪が軽くなるかもしれない。潔く罪を認めろ。
君が俺を知らなくても、俺は君をよく知っている。海帆に迷惑をかけたら地獄行きだ】
「それでは、私はこれで」
「待て。知ってるって何の話だ?」
「…さあ?差出人に聞いてみてください。…直接会えるならの話ですが」
できるだけ早く休みたいので、突き放してそのまま駅まで戻る。
「リーダー、流石に少し寝た方がいいですよ」
「…お言葉に甘えてそうさせていただきます」
部下に心配をかけるなんてまだまだだ。
2時間ほど眠って、今度はもうひとりに手紙を届ける。
「こんにちは。朝早くにすみません。佐伯海帆さんでしょうか?」
「そうですが、取材ならお断りします」
「いえ。私はただ、手紙を届けに来ただけなんです」
少女は差出人の名前を見て、深呼吸をしてから封を切る。
【海帆
毎日報告しあったり、色々喧嘩したり、とにかく楽しかった。おまえのお兄ちゃんでいられてよかった。
最後に護れたことも、ちゃんと証拠を残せたこともほっとしてる。…金庫の鍵は俺の部屋のデスクにあるから使ってほしい。
あれを使えばきっと、海帆を明るい明日へ連れていってくれるはずだ。海に行く約束、守れなくてごめん。
どんなに離れていても、ずっと見守ってるから。海帆にはきっともっといい人が見つかるよ。
ひとりで生活するのは大変だろうけど、いつか笑って過ごせるようにずっと願ってる】
「お兄ちゃん…」
手紙を抱きしめたまま、少女はその場に泣き崩れる。
あの男性が彼女にとって大切な相手だったことは間違いない。
「その手紙を書いた方は、あなたの話をずっとしていました。とても可愛い、優しい子なのだと」
「兄が、そんなことを?私、最後まで兄に護ってもらってばかりだったのに…」
「あなたとの生活が幸せだったのではないでしょうか?あなたのことを話すお客様は、とても幸せそうでした」
俺から言えることは少ないが、男性の温かい言葉を伝えることはできる。
「突然泣いてすみませんでした。それから、届けてくれてありがとうございます」
お礼を言う少女の表情は晴れ晴れとしていて、少しずつ乗り越えていこうという決意が感じられる。
「…いえ。それでは、失礼いたします」
今回の仕事も無事終わったが、やはり星影氷空の態度に違和感を覚える。
何故あそこまで詳しく知っているのか、訊けば教えてもらえるだろうか。
毎回意識を失う事と関係しているのかもしれないが、どう聞き出そうか迷ってしまう。
立ち入りすぎれば、きっとお互い苦しくなるだけだから。
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