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第14章『協力者』
第77話
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箒を持っていたのは氷雨君だった。
いつも本を読んだり書類をまとめている彼が戦う姿なんて、全然想像できない。
「あなたを掃除します」
《グエ?オ、オ…イギャア!》
箒は見事に相手に命中して、黒い塊は悲鳴をあげながら矢田さんが開けた扉に吸いこまれていく。
「なんだ、手加減したのか」
「別に加減したつもりはありませんよ。矢田、助かりました」
「僕はただ扉を開けただけですから」
まだ混乱している私に、折原さんは優しく声をかけてくれた。
「怪我してないか?」
「あ、はい。その…ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」
「そんなに堅くなる必要はない。私たちは戦い慣れてるけど、きっとそういうわけじゃないんだろ?…というか、名前聞いてなかったな」
「ほ、星影氷空、です」
「なら、氷空って呼んでもいいか?」
「はい、分かりました」
やっぱり緊張してしまって上手く話せない。
それでも、折原さんは気を遣って話しかけてくれた。
「昼間見たときはただの生徒だと思ったのに、もしかして黄泉行列車の関係者なのか?」
「えっと…」
答えようとすると、氷雨君が場所を変えようと切り出す。
辿り着いたのは、およそ半分になった月の光降る屋上だった。
「…ねえ、さっきの何?噂についての話なんてちっとも聞いてないんだけど」
氷雨君は少し不機嫌そうに室星先生に詰め寄った。
先生は苦笑しながら丁寧に説明してくれる。
「俺たちの町で、『大きな裂け目を作って自由に行き来できる穴を作ろうとしているらしい』という噂が流行りはじめた。
どうやらこのあたりに姿を見せるらしいということも聞いたから、一先ず調べてみることにした」
「先生ひとりじゃ詳しくない場所を探索するのに無理があるから、1番怪しまれない名目がある私が手伝うことにしたんだ。
烏合学園内のことは他のみんなに任せてあるし、何かあれば連絡が来る」
このふたりは何者なんだろう。
それに、氷雨君が話しなれているように見えるのは気のせいだろうか。
「それにしても、まさか車掌がここの生徒だなんて思わなかったよ」
「まあ、誰にも言ってなかったし…言うつもりもなかった。
そういう噂が流行ってるなら、今夜の仕事は見回り並びに掃除ってことになるのかな」
「あ、あの、」
氷雨君は複雑そうな表情を浮かべて、私の目を見てはっきり言った。
「本当は見回りを手伝ってもらうつもりだったけど、仕方ない。
見てないところで怪我をされるのも嫌だし、ここまできたら巻きこませてもらう。これの使い方、ちゃんと教えるから」
氷雨君から差し出された箒を受け取って、大きく頷いた。
いつも本を読んだり書類をまとめている彼が戦う姿なんて、全然想像できない。
「あなたを掃除します」
《グエ?オ、オ…イギャア!》
箒は見事に相手に命中して、黒い塊は悲鳴をあげながら矢田さんが開けた扉に吸いこまれていく。
「なんだ、手加減したのか」
「別に加減したつもりはありませんよ。矢田、助かりました」
「僕はただ扉を開けただけですから」
まだ混乱している私に、折原さんは優しく声をかけてくれた。
「怪我してないか?」
「あ、はい。その…ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」
「そんなに堅くなる必要はない。私たちは戦い慣れてるけど、きっとそういうわけじゃないんだろ?…というか、名前聞いてなかったな」
「ほ、星影氷空、です」
「なら、氷空って呼んでもいいか?」
「はい、分かりました」
やっぱり緊張してしまって上手く話せない。
それでも、折原さんは気を遣って話しかけてくれた。
「昼間見たときはただの生徒だと思ったのに、もしかして黄泉行列車の関係者なのか?」
「えっと…」
答えようとすると、氷雨君が場所を変えようと切り出す。
辿り着いたのは、およそ半分になった月の光降る屋上だった。
「…ねえ、さっきの何?噂についての話なんてちっとも聞いてないんだけど」
氷雨君は少し不機嫌そうに室星先生に詰め寄った。
先生は苦笑しながら丁寧に説明してくれる。
「俺たちの町で、『大きな裂け目を作って自由に行き来できる穴を作ろうとしているらしい』という噂が流行りはじめた。
どうやらこのあたりに姿を見せるらしいということも聞いたから、一先ず調べてみることにした」
「先生ひとりじゃ詳しくない場所を探索するのに無理があるから、1番怪しまれない名目がある私が手伝うことにしたんだ。
烏合学園内のことは他のみんなに任せてあるし、何かあれば連絡が来る」
このふたりは何者なんだろう。
それに、氷雨君が話しなれているように見えるのは気のせいだろうか。
「それにしても、まさか車掌がここの生徒だなんて思わなかったよ」
「まあ、誰にも言ってなかったし…言うつもりもなかった。
そういう噂が流行ってるなら、今夜の仕事は見回り並びに掃除ってことになるのかな」
「あ、あの、」
氷雨君は複雑そうな表情を浮かべて、私の目を見てはっきり言った。
「本当は見回りを手伝ってもらうつもりだったけど、仕方ない。
見てないところで怪我をされるのも嫌だし、ここまできたら巻きこませてもらう。これの使い方、ちゃんと教えるから」
氷雨君から差し出された箒を受け取って、大きく頷いた。
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