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第15章『死者還り』
第81話
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《お、お姉さん、誰…?》
男の子は何か感じ取ったのか、折原さんを見て怯えているようだった。
「私は折原詩乃。そこのお姉さんの友人…に、なりたいと思ってる」
《お姉さん、知ってる人?》
「あ…はい。怖い人ではありませんので、大丈夫ですよ」
友人になりたいなんて初めて言われた。
男の子は恥ずかしがっているみたいだけど、さっきより怖がっている様子はない。
「その子、迷子なのか?」
「迷子といいますか…学校を見たいと話してくれたので、一緒にまわっていたんです」
「そうか。…話したかったけど、今はちょっと無理そうだな」
《僕がいない方が話しやすいなら、近くで待っててもいい?》
「…あ、あの、でしたらこれを使ってください。色々な曲が聴けるので、楽しめると思います」
《ありがとう!》
男の子が音楽室を出たのを確認して、折原さんは直球で質問をぶつけてきた。
「普段、授業を受けてないのか?」
「…時々、どうしても出たくないときは出ていません」
休みすぎにならないように計算はしてあるけど、きっと理解してもらえない。
だけど、もう理解を求めないと決めている私にはどうでもいいことだった。
「そうか。私と似たようなものなんだな」
「え…?」
非難されると思っていたのに、この反応は予想外だ。
「私も授業は最低限しか出てなかったんだ。大学に入ってからも、卒業できるぎりぎりしか出席してない。
課題やレポートをきっちりこなして、迷惑にならない程度でやりたいことができているならそれでいいと思う。…本当なら出席しろって言わないといけないんだろうけど」
真面目そうな人なのに、どうして授業に出なかったんだろう。
少し疑問に思ったものの、踏みこんでいいのか分からなくて言葉を呑みこんだ。
「車掌といつも一緒にいるわけじゃないんだな」
「学校では、あまり話をしません。最近はリーダーのお仕事で忙しいみたいですし…。
昨日も迷惑をかけてしまったので、怒らせてしまったんです」
いつも迷惑しかかけていない。
そう思っていたのに、折原さんは首を横にふった。
「本気で迷惑行為しかしてないなら、車掌は話しかけたりしないと思う。
先生が言ってたんだ。昔から不器用なやつで、人と仲良くするのが苦手なんだって」
「仲良しさん、なんですね」
「私もそう思うよ」
この人はさっき男の子を攻撃しなかった。
もしかすると、私の話を聞いても男の子に攻撃しないかもしれない。
「あ、あの…噂について、ひとつ正体に思い当たるものができました」
「聞かせてくれ」
「まだ確証はありませんが──」
あくまで私の想像だと前置きして、考えをまとめながらひとつの仮説を話す。
「…成程、一理あるな。今夜はそっち方面で調べてみることにするよ。ありがとう」
折原さんはそれだけ話して男の子を呼んできてくれた。
「この子は一旦私が相手してるから、その間に着替えてきた方がいい」
「あ、ありがとうございます。…それじゃあふたりとも、また後で」
急いで駅のロッカーでマントを羽織り、バッジをつける。
まだ早い時間だったからか、氷雨君の姿はなかった。
男の子は何か感じ取ったのか、折原さんを見て怯えているようだった。
「私は折原詩乃。そこのお姉さんの友人…に、なりたいと思ってる」
《お姉さん、知ってる人?》
「あ…はい。怖い人ではありませんので、大丈夫ですよ」
友人になりたいなんて初めて言われた。
男の子は恥ずかしがっているみたいだけど、さっきより怖がっている様子はない。
「その子、迷子なのか?」
「迷子といいますか…学校を見たいと話してくれたので、一緒にまわっていたんです」
「そうか。…話したかったけど、今はちょっと無理そうだな」
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「…あ、あの、でしたらこれを使ってください。色々な曲が聴けるので、楽しめると思います」
《ありがとう!》
男の子が音楽室を出たのを確認して、折原さんは直球で質問をぶつけてきた。
「普段、授業を受けてないのか?」
「…時々、どうしても出たくないときは出ていません」
休みすぎにならないように計算はしてあるけど、きっと理解してもらえない。
だけど、もう理解を求めないと決めている私にはどうでもいいことだった。
「そうか。私と似たようなものなんだな」
「え…?」
非難されると思っていたのに、この反応は予想外だ。
「私も授業は最低限しか出てなかったんだ。大学に入ってからも、卒業できるぎりぎりしか出席してない。
課題やレポートをきっちりこなして、迷惑にならない程度でやりたいことができているならそれでいいと思う。…本当なら出席しろって言わないといけないんだろうけど」
真面目そうな人なのに、どうして授業に出なかったんだろう。
少し疑問に思ったものの、踏みこんでいいのか分からなくて言葉を呑みこんだ。
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「学校では、あまり話をしません。最近はリーダーのお仕事で忙しいみたいですし…。
昨日も迷惑をかけてしまったので、怒らせてしまったんです」
いつも迷惑しかかけていない。
そう思っていたのに、折原さんは首を横にふった。
「本気で迷惑行為しかしてないなら、車掌は話しかけたりしないと思う。
先生が言ってたんだ。昔から不器用なやつで、人と仲良くするのが苦手なんだって」
「仲良しさん、なんですね」
「私もそう思うよ」
この人はさっき男の子を攻撃しなかった。
もしかすると、私の話を聞いても男の子に攻撃しないかもしれない。
「あ、あの…噂について、ひとつ正体に思い当たるものができました」
「聞かせてくれ」
「まだ確証はありませんが──」
あくまで私の想像だと前置きして、考えをまとめながらひとつの仮説を話す。
「…成程、一理あるな。今夜はそっち方面で調べてみることにするよ。ありがとう」
折原さんはそれだけ話して男の子を呼んできてくれた。
「この子は一旦私が相手してるから、その間に着替えてきた方がいい」
「あ、ありがとうございます。…それじゃあふたりとも、また後で」
急いで駅のロッカーでマントを羽織り、バッジをつける。
まだ早い時間だったからか、氷雨君の姿はなかった。
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