皓皓、天翔ける

黒蝶

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第19章『秘密』

第108話

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《あれ、死の箱…!》
映像を見てすぐ女性は組木パズルを指さした。
「コトリバコのようなものでしょうか?」
《それならあたしが死んでないとおかしいから、多分違うと思う。触ったことあるし、開け方もよく覚えてる。
…けど、何が入っていたかまでは思い出せなかったんだ》
目の前に立っている人物は嗤っている。
《…くず義弟》
女性は明らかに殺気だっていて、近くにいるだけで空気がぴりぴりする。
『程々にしておいてくれよ?』
『はいはい、分かったよ』
『高価なものが見つかったら私にも分けてくれ』
そう言ってその場を離れた男に、女性は絶望している。
《おじ、さん…?》
『しっかし、姪を売るおじがいるとはな』
『まったくだ。邪魔なやつも消えたことだし、開けてみようぜ』
『金になるものならいいが…』
《やめろ、あたしの想い出を穢すな!》
女性は怒りで震えていたけれど、少しずつ落ち着いていった。
《しかも開け方違う。そのままだと死ぬ》
「え…」
思わず声を出してしまったけど、箱を持っていた男が突然苦しみだした。
『お、おい、どうした?一体何が、』
『ぐあ、いぎが、いぎが……!』
箱を持ったまま倒れた男を見て、もうひとりの男は震えだす。
『ひ、ひい!まさか、あの女の祟りなのか…?』
箱を拾った男は元通りの形にしようとしたけど、残念ながらまた別の方向に動かしてしまったらしい。
『う、おえ…!』
人の家に土足で上がりこんだ兄弟は、ふたりしてその場に倒れている。
この先どうなるのか…それは誰にも分からない。


「以上になります」
《あたしの殺したの、あいつらだったんだ。しかも、おじもグルだったんだ…》
ミルクセーキを飲み終えた女性はショックで動けないようだった。
なんて声をかけていいか分からなくて、ミルクセーキのおかわりを作る。
《おじさんだけはじいちゃんの死を悲しんでるって、信じてたのに…!》
次の瞬間、空になったグラスが音をたてて割れる。
女性の心が壊れていくのと同じように、ぱりんと大きな音がもう一度鳴った。
激しい怒りを感じながら、手の震えが分かってしまわないようにミルクセーキを手渡す。
「…お客様の怒りと悲しみは、きっと私が想像する以上に大きいんだと思います。
ですが、憎しみに囚われてもいいことはありません。お客様が大切にしたかったものは、想い出なのではありませんか?」
女性は私の顔を見て黙りこんでしまった。
余計なことをしたかもしれない…少し不安に思っていると、女性はミルクセーキを飲んで座りなおす。
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