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女の武器.6.

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そして近ついたら、

頭に手を回され、

……美人さんの胸へ顔を押し付けられた。

「!?!?」目の前が真っ暗になって、顔全面に柔らかいモノが当たっている。
脳がそれを胸だと再認識すると、俺の理性が揺らぎ、
思わず胸に手を持っていってしまう。…、…息できないのを防ぐだけだし。いいよな。
大体、こっちが先にやられたんだし?勝手に手が動いただけだし?そう勝手に理由をつき、
俺は手に力を込めた。弾力性のあるそれが少し跳ね返そうとするのもくらくらする。
再度、手に力を加えようとしたとき、

頭を引き剥がされた。…あーあ。

「なぁんだ。ただのエロガキじゃないのよ。」美人さんがため息をつき、上半身の着物を整える。

……そこで、俺は少しずつ頭が冷めた。

「……っ!す……すんませんっっ」

うっわー!揉んじゃったっ美人さんの胸揉んじゃった!り…理性切れてたとしてもダメなことをしたっ通報されるかなっ(真っ青)

「ん~…仕事には関係ないよね?」
怜奈が口に片手を当てながらそう言う。

「まあね。ただ試しただけよ。」

「逆に使えると思うな~。だってこーふんしたってことは男にはこーふんしないってことだもの。うふふ」

…待て。何の話をしている?

「そうか。そうだわね。確かに仕事に使えるわね。女の対象めったにいないものね。…あ、でも待ちなさい?もしかしたら、男もいけるタチかもしれないわよ。」美人がハッとした顔をする。

……あ??

「それは困るよっ。ねえ朱希、あなたって男も…」

「いや、無理だからっっっ!!!!何聞いてんの!?!?」
思わず叫ぶ。

「元気だわね」美人が耳を塞いでいる。

「そう良かったっ!ならすぐに仕事に使えるわねっ」
怜奈がパァァアとした笑顔を浮かべた。

「…何の話だよ。」

「?仕事のはなしだよ?楓から聞いてない?」

…手紙には暗殺って書いてあったな。たしか。

「暗殺?」

「そうだ。…女の武器を使ったもののね。」
…は?




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