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プロローグ

僕の平凡人生

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「平々凡々」とは、優れた特徴もなく普通であるということ。





僕はまさに文字に書き起こしたような平凡な家庭に生まれ 長男として育ち
お金のかからない 公立の大学へと進学し 僕のレベルにあった企業に就職した
毎月の親への仕送りも忘れず 上司からは名前さえも覚えてもらえず 兄弟たちからは
面白みがないといわれ 同僚からも 存在を忘れられながら 今日も存在の薄さを利用して
退勤カードを押し 定時に退社した。
僕の名前をいまだに覚えてない上司は仕事ができないくせに 威張り散らし後輩いびりに精をだしている。

僕の存在を忘れる同僚は 仕事への切り替えが遅く 今日も帰るタイミングを失い
上司の餌食になっている そんな日常を 繰り返しながら 過ごしていくんだと思っていたし 考えていた 

数日まえまでは。


僕はその日いつもと違う帰りかたで家に帰ることにした

家から数キロ離れた場所で下ろしてもらい ただ歩くということ健康にもいいしね。

子供のころ 塾の帰り道によく見ていた 夕焼けを見ながら 自然の綺麗さに心が動かされそうになった そんな時に見た光景は 平凡な僕にとって 非日常な光景だった


仕事帰りとか 自分が とかそんなの関係なく僕の体は動いていて



気が付いたら 体に痛みが走ってた 僕の腕の中にいた子供は何が起こったなんてわからない状態だったけれど 最後に見た景色が 無垢な笑顔でよかったと思う同時に
僕は急激な微睡に襲われ  その場から意識が遠のいた

子供かばったのだ 体に走る衝撃は痛みは 僕が人を助けた 証 である。






25年の平々凡々な人生は幕を閉じた・・・・・・・・・。










「はずだったんだけどなあ。どうしてこうなった!!!?」

僕はまた平凡な生活を送るのかと 草原に立ちながら空に向かって叫んだ
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