転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ジェーン

文字の大きさ
46 / 108
絆の話

突破口

しおりを挟む

フェルに引っ付いて寝ていたらドアが叩かれた。

「どうぞ」

フェルが体を起こして声をかけると、バンっという音がして、リア様とノルンくんが入ってくる。

「ヘムトの魔法解除がわかった!今、家からアルトとミルラにも手紙が届いているはずだ」

「本当!?」

フェルと僕はリアの傍に寄る。

「親父に聞いたんだ。叔父がどんな人だったか」

「リアのお父様の話では、ヘムト様は亡くなってるはずの人なんだ」

「え?」

「亡くなってる??」

どういうことなのだろう。だってヘムトは実際、ブラックと騎士団にいる。そんなおかしい話があるはずない。

フェアリースクイズの世界に死んだ人が生き返るなんて物語はないはずだ。

「ああ。ヘムトは、十数年前のある時騎士団から消え消息不明だった。そしてその数年後、悪魔の力に取り憑かれ死亡したとなっていた。だが、どういう訳か、ヘムトは戻ってきたんだ」

「けどそれならヘムトの噂はどうなる?リアだって言ってた。ヘムトは研究ばかりしてるって...それはリアだって知って...」

「ああ。そうだよ。けどな、フェル。貴族は罪すら揉み消せるんだ。死んだやつが生き返った。そんな話も簡単に改変できたんだ。ヘムトは研究ばかりしてる。憑依型の魔法使いの研究と悪魔の力。そして悪魔に取り憑かれてる。という本当を混じえた嘘に改変した。」

貴族は罪すら揉み消せれるという。

それはノルンくんが来た日に聞いた。

確かにゲーム内でも、ルナがフェルにそんなこと言ってた。

貴族は罪だってなんだって揉み消すんだって...

フェルといる時間が幸せで忘れかけてたけどこれはフェアリースクイズの世界。ゲームとは話が違っても根本的なものは変わってない。世界観みたいなのはそのままだ。

「じゃあヘムトは生き返ったってこと?だからノルンやルナを狙うわけ?不老不死になりたいから」

フェルの言葉にリア様とノルンくんは顔を見合わせ頷く。

「お前たちもそこにたどり着いてたのか。そうだ。奴の狙いは不老不死。悪魔の力では飽き足らず、成長を止める憑依型の魔法使いと、そして天使の血筋を探しながら不老不死の研究をしている狂ったゴースト」

「っ!?」

声が出ない。元から狂ってるとは思ってたけど、死んで生き返って、そして不老不死を求めるなんて頭がイカれてる。

「けどさ、ゴーストならどうやって肉体を手に入れたわけ?死んだ人は蘇らないんじゃ...」

「これは推測だけどな。魔法書の中に闇属性の魔法で人を仮死状態にする魔法がある。何をしようとしたのかは知らないが、ヘムトは自分を仮死状態にして、そして蘇った」

「そんなことして何になるの?」

「仮死状態になり生き返ると魔力が増えるんです。もしかしたらヘムトはそれを使って悪魔の力を使おうとしたのかもしれません」

「ヘムトがルナみたいに悪魔の血筋なのかはわからないが、血筋でも発現するのには条件がある可能性はある。その条件をクリアしようとしたのかもしれない」

その可能性はあると思う。ヘムトはきっとなんでもする人だから

力が欲しいなら仮死状態にだってなりそう。

「そしてここからが本題だ。ヘムトのなんでも弾く魔法。あれの突破口はな、ルナ。フェル。お前らにある」

僕達は顔を見合わせ、そしてお互いにリア様を見つめるのだった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

処理中です...