転生したら大嫌いなキャラだったけど何故か主人公に愛されそうです

ジェーン

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絆の話

決戦前夜 sideルナ

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目を覚ますと真夜中でフェルが眠ってた。

「フェル...」

僕はフェルの頬に触れる。

ノルンくんが部屋に来た日から毎日が忙しい。

前みたいにフェルと幸せな時間を過ごすとが少なくなった。

だって僕はフェルに触れられるけどノルンくんはリア様とあまり一緒にいられない。そう思う自分がもしかしたら気づかなかったけど何処かにいて、だからフェルと幸せな時間を過ごすのが減ったのかもしれない。

触りっこしたり抱きしめて貰ったり契約したりしたけどそれでもフェルが足りないって思う。

それぐらい大好きなんだ。失いたくない。

この世界がフェアリースクイズのゲームの世界で大嫌いだったルナに転生したという事さえ忘れそうになるぐらいフェルとの時間は心地いい。幸せって思える。

だから早く終わって...早くノルンくんを助けてヘムトを倒して...終わらしたい。

大好きなんだ。フェルが大好きなんだ。幸せな時間を紡ぎたい。

そう思いながらフェルにすり寄る。

ふと前世の事が思い出された。

僕はほとんど病院にいて、たまに学校に行ってた。体調のいい日に...

クラスにとてもかっこいい人を見つけた。優しそうな笑顔に惹かれた。ゲームのフェルみたいな優しい笑顔。

僕はフェルが好きだったから、だから彼の笑顔がフェルと被ったんだ。

それからは学校に行く楽しみが増えた。行ったら彼がいるから...

彼の席は今でも覚えてる。

窓側の三番目。僕は彼のふたつ横の席。

いつかいつかお話してみたいと思ってたけど彼は僕なんて見てなかったと思う。

何度か目が合った事がある。

恥ずかしくて顔が熱くなった。

僕の前世の心残りは一つだけ。彼と話せなかったこと...

フェアリースクイズがクリア出来なかったことも最初は心残りだったけど今は自分がフェアリースクイズの世界にいるから心残りは無くなった。

だからね、彼には幸せになって貰いたいんだ。

フェルみたいな綺麗な笑顔だからモテるよね?

幸せになって欲しいな...

彼のことが僕のたった一つの心残りだからさ...

そう思いながら眠りに着いたのだった。

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